松江で「サンライズ出雲」を降り、荷物を駅に預けると、私は、出雲半島の東の端、美保関に向かった。

 
私は岬が好きなのだ。何しろ数年前に北海道に行った時は、稚内に行って宗谷岬から樺太をみた翌日には、札幌に戻り、夜行の「まりも」から乗り継いで室蘭に行って、納沙布岬から北方領土をみて、その日のうちに千歳からどんぼ帰りするという強行軍をやっている。(ちなみに襟裳岬は中学時代、あの「愛の国から幸福へ」のブームの年(といってわかる人がどれくらいいるか?)に行ってます。

 最初、美保関までバスで45分とあり、思いの外近いではないか、と感じたら、降り立ったのは「美保関役場前」だった。そこからマイクロの「町営バス」(旧美保関町は、既に2006年初めに松江市に合併されたのに、今でもそう呼ばれている。どうみても「松江市営バス」と呼んだら変だ。この意地は守り通して欲しい)に乗り換えて20分。着いたかと思ったら、今度は「美保関港」!!

 
灯台はここから歩いてすぐかなと思ったら、何と、公共交通機関なしの、車道3キロの上り坂と、そこまで来て判明(^^;)

(参考地図)

 
この世の中の港はほとんど大抵海抜0メートルにあります。これに対して、岬の灯台とは、大抵、海に突き出た山の上にあるものです(^^)

 
町営バスは1時間に1本しかないので、この往復6kmと岬の観光、プラス、港のそばの美保関神社へのお参りを「2時間」で、徒歩でこなす決断をした。人間は普通1時間で4キロ歩くと学校で教わったので、論理的には可能と信じたのである。ちなみに港にはタクシー乗り場などない。呼べば来たと思うが、そういえばタクシー乗り場の看板がデカデカと港に着く「数キロ前」にあっったなあと思い出した時点で、迎車料金のことを考えてしまったし、やせるのにいい機会だと開き直ったのである。

 以前は美保関まで向かう定期観光バスが当たり前のようにあったはず。でも今は、松江市内中心部だけの、カードを買えば乗り降りし放題の観光循環バスだけになってしまっている。全国的に見て、「定期観光バス」というのは、シーズンとオフシーズンのお客さんの落差のせいか、次々廃止され、こういう「市内循環」スタイルに変化しているようですね。ホノルルやトロントとか、欧米では昔から当たり前のスタイルですが。

 
おかげで、美保関と関の五本松は、タクシーチャーターか団体さんか自家用車でしか普通の観光客は来ない場所になっているとはつゆ知らず。松江から美保関-関の5本松-境港の水木しげる博物館-米子-安来の足立美術館をまわって松江に戻るコースとか、10年昔なら当然存在したろう。まだ境港大橋なかったかもしれないが、10年前の観光都市の地方バスの経営戦略が今なされていたらそうなっていた筈である。時代はシビアになった。

 
もっとも、そうやって、ひとりトボトボと岬へと歩いたおかげで、山々の紅葉の彩りは満喫できた。

 
「行きがこれだけ登らされれば、帰りは楽だ」と自分に言い聞かせつつ、登り始めた私なのであった。