遠くに見える大山(だいせん)。信仰の山であり、スキー場でも知られる。出雲の国引き神話で、縄をかける一方の柱となったとされる。西のもう一方の柱とされたのは三瓶(さんべ)山。こちらもスキーで知られ、私の故郷、九州では、北海道までの航空路が今のように栄える前は、山陰の「大山」「三瓶山」こそが、スキーに行く場所として知られていた。どちらも、山陰の沿岸部で海岸寄りに張り出しつつも際だって高い山なので、真冬になると、日本海からの湿った北風をもろに受けて、まわりの山に積雪がないときにも、真っ白にそびえ立つ(私は、京都から博多まで、特急「まつかぜ」で山陰線昼間全線走破を九州への帰省の際にやれた世代である)。出雲の人々にとって、東西をこの2つの白い山に挟まれているということは、それだけで、一種の「結界」的な原始信仰の対象になっても何もおかしくなかったであろう。