本日、拙書「若き臨床家のために」が発売開始されました。
ロジャーズの、受容・共感・自己一致の相克とその解決法から解き明かし、フォーカシング関係では、積極的傾聴、体験過程尺度、体験過程インタビュー、Focuser as Teacher、インタラクティヴ・フォーカシングの臨床的活用なども取り上げています。
クライエントさんのことを「理解する」ということはどういうことかというテーマが通底しています。
私の現場カウンセリング技法の、現段階での集大成と自負しております。
現段階では、Amazonでの通販のみでお買い求めいただけます(Kindle版は、恐らく10日ほど発売が遅れます)。
オンデマンド出版のため、一般書店ではお買い求めいただけず、ネットを通してのみとなります。
販売サイトは、他にも拡大できればと思っておりますので、どうかよろしくお願い申しあげます。
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はじめに
第1章 なぜカウンセラーになったのか
第2章 カウンセラーとしてしか生きられないからカウンセラーをしているだけ?
第3章 相談に来た方の話を「受容しよう」と「がんばる」ばかりのカウンセラーの弊害
第4章 共感的に話を聴くとは? (入門編)
第5章 カウンセラーは、クライエントさんの話を「受容・共感」できない方向に、徐々に追い詰められていくことも多い
第6章 自分が相手に共感できて「いない」ことを「自己『共感』」すること
第7章 クライエントさんに「共感できない」気持ちを糸口に、クライエントさんへの深い「共感」への道を開くこと
第8章 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる
第9章 「異邦人」としてのカウンセラー
第10章 カウンセリングの開始とは、実は、クライエントさんの最初の「行動化」である
第11章 ユーミンのデニーズ伝説 Ⅰ
第12章 ユーミンのデニーズ伝説 II
第13章 ユーミンのデニーズ伝説 III
第14章 「ケーススーパーバイズ」とは何だろう ~入門編~
第15章 私のスーパーバイズ ~実践編~
第16章 「オモテ」技法と「ウラ」技法 または収穫逓減の法則
第17章 カウンセラーに何ができるか
第18章 体験過程尺度入門
第19章 体験過程インタビュー
第20章 クライエントさんの真の洞察の瞬間、カウンセラーはクライエントさんに「追い越される」
第21章 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練
第22章 気持ちを表わしたり聴いたりする際に、五感を「主語」とする言葉を使うこと。「やまとことば」に敏感であること
第23章 村瀬嘉代子先生語録
第24章 カウンセリングがうまく進んでいる時とは? ~黄金のトライアングル~
第25章 「甘え」と「KY」 -土居健郎先生ご逝去に寄せて-
第26章 格差社会の中での開業カウンセリング
第27章 カウンセラー同士の人間関係
第28章 若き臨床家のために
第29章 治療者とクライエントの間の「秘密」について
第30章 日常とカウンセリング場面の往復
第31章 巣立たれること。
おわりに
実はまもなく(といっても、3日後になるか、1週間後になるか、2か月後になるかわからないけど)99歳の母が老衰で天寿全うすることを、医師の、非常に丁寧なインフォームドコンセントのもとに宣告されました。
そのことについての感慨を書かせていただきます。
ついに来たか、あと半年持って、100歳の誕生日を祝えたらな、そうすれば天神での開業がそこそこ安定する様子も報告でき、安心してもらえるのにとまずは思いました。
新事業を始めたことは、母にも伝えていて、若干認知症気味(といっても重度のアルツハイマーには全然届かない)の母にも、理解できる形で伝わっていたと思いますが、結果を示したかったですね。
でも、天神開業の場所の整備と、申告手続きがちょうど終わり、一息ついたタイミングだったことは幸いと思います。
母の終焉に、腰を据えてつきあえますから。
さて、私って、もはや普段の日常の中では、意識的にフォーカシングをすることはない人間です。完全に「条件反射」化している。つまり、自分の中に生じて来たあいまいなモヤモヤ(フェルトセンス)、言葉で説明できない違和感には瞬時に注意が向き、それに自動的にフォーカスし、相手にも通じる、「的確な」言葉を見つけて対応できるスキルを身につけています。これは現場臨床でも大変役立っています。「治療者の逆転移の活用」そのものだと思っています。
このことは既に「現代のエスプリ」410「治療者にとってのフォーカシング」を伊藤研一先生と編著させていただいた中で書かせていただいています。
クライエントさんに意図的に「フォーカシング」してもらう必要はないんですよ。治療者側が面接場面のただ中でフォーカシングし続けていればいいわけです。
そういう私が、意図的にひとりフォーカシングするのは、自分のシミュレーションになかった、突発的な事態に、こころが動揺した時にほぼ限られます。
今回の母の老衰死の宣告は、少なくとも私のシミュレーションより早かったので、やはり少し動揺しました。
だから意識的に、完全に手順通りのフォーカシングを自分に課しました。
フェルトセンスと「的確な距離を取り」「共に-いられる」ようになるまでは、難なくできました(ここまでは、少し慣れれば多くの人がそうなれますよ。「シフト」を期待しなければいいのです)。
これって、マインドフルネスの状態に近いと思います。
私はここで眠り込んでしまいました。
「途中で眠り込んでもフォーカシングに意味がある」とは、私が大学院生の時に、はじめて公の場で論考を発表した時にすでに書いています。
そして、夢を見ました。
起きた私は、当然のごとく「夢フォーカシング」をはじめました。
夢の中に母と亡き父は登場していました。
それは、母が38歳の高齢出産で私を生んだ時、帝王切開で、その際に、子供は私一人だけでいいからと、子宮摘出をしてしまったことを、母が父に抗議しているという内容。
「子宮摘出は、私の判断ではない。父の独断だ」と母は夢の中で抗議しているのです。
これは「実際に」そうだった可能性も否定できません。
独断で私と母に人生上の重要な決定を押し付けるのは私の父の名物でしたから。
父が、非常に鋭い現実シミュレーション能力を持つ、頭脳の回転が半端でなく速い、即断即決で外れを引かない、たいへんなリアリストであったことは確かですが。
しかし、同時に父が非常に見栄っ張りであり、湯水のように金を使い母を贅沢させていました。
それは母に喜んでもらうことを父がほんとうに生きがいとしていたということであり、関東在住中の私にそれを知らせずに、海外旅行とかし放題だったことをあとで知った時、私は母に嫉妬したものです。
父の死の時にはかなりの額の借金があり、父母の住んでいたマンションを売り払うことで遺産のかなりは使い果たされました。
そういう、オモテとウラの二重性というのは、他ならぬ私にもあります。
恐らく、ネット上での私は、ナルシスト?それとも非常に誠実?と意見が分かれていると思いますが。
こういうネット上では書けないことも現実にはしています。そのための責任はすでに取っていますが。
いずれにしても、私は「はったりかましている」部分と、常に自分のアタマで考え、こころで感じ、自分なりの自分のコトバを紡ぎ出す面が共存しています。
ある意味で、「飲み込みがいい」人間だと思います。ジェンドリンの「人格変化の一理論」を一読めからスラスラ理解できた特殊な才能を持っていたことはすでに何度も「自慢話」してきましたが、例えば他の流派の心理療法についても、レジェンド自身の本は読むとは限りませんが、その要点を理解し、現場で役立てられるまでの手際はいいと自負しています。少なくとも面接の最中に、すでに学会とかで聞きかじった知識がスラスラと思い浮かび、「そうか、それはこういう意味だったのね」と納得して、私なりに活用していく行くタイプです。
Twitterでも、みなさんのいうことを「剽窃」するスピードは速いですよ。
私には、オリジナリティなんて何もないと思っています。すでに誰かが言っていることばかりです。
さて、なぜこういうことを書いているかといいますと、内観療法的に言えば、母に「して返した」ことはなるでなく、「迷惑をかけた」ことばかりだと思います。
決して私に怒りを向けたことがない、やさしい母でしたが。
母の死に伴う「対象喪失」の危機と、「抑うつ」をできるだけうまくしのぎながらの「償い」をどう進めるかということです。
・・・やはり、私の貧しい、実は全然無能だったカウンセラーとしての経験から学んだことを、皆様に伝えていくことかと思います。
ここからが「宣伝」ですが、私が今度電子書籍とオンデマンド出版で刊行する「若き臨床家のために」という、なんとも偉そうなタイトルの本は、結果的にその第1弾となります。
このコンテンツ、3章ぶんを除き、実はすでに20年近く前にブログで書いていた内容にほとんど手をいれていません。
2回ほど商業出版の機会がありつつも、その度毎に「ここで書いていることを自分は自分でやれていない。不誠実だ」と感じ抑鬱状態になっては取り下げるという、3度目の正直の刊行となります。
自分で言うのも変ですが、この本自体が、私の、私自身のための教科書としてその後機能していた内容です。
我ながら「これ書いてるの誰?」と思ってしまう。
まあ、そういう本ですが、母の葬儀等に振り回されないかぎり、今月末にはAmazonに並ぶと思うので、どうかよろしくお願いいたします。
まだ一般の方は閲覧できません。
10月20日(木)の公式サイトOpenと共に、その一部門である、「カウンセリングルーム ケー・エフ・シー」の面接予約も受け付け開始いたします。
まだ最初の「マクベス」の章だが、シェイクスピアは主要作ひととおり読んでいるからとっつきがいいけど、この人の教養水準いったどうなっているんだという印象(それがわかるくらいにはついて行けてるというナルシシズム)。
でも、ともかく刺激的な問題提起の書であり、臨床家(内容をある程度理解できるくらいの幅広い教養水準があればの話だが)が読むと頭がブンなくられるくらいの衝撃波があるような予感がする。
ともかく、臨床家は、得てして「意味という病」の最重症患者だ。
あと、「物語を読み解く」とはどういうことか、いわゆる「心理学的理解」の限界と活用をどう見据えるかという点で、私の執筆活動の相対化にも役立ちそう。
「意味という病」を更に2,3ページめくったら、明かりついたまま寝落ちしていた。これはつまらないからとか難解だからではなく、当然寝てる時間になっていたから。中途半端な寝方になったので、寝なおす。
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気持ちいい目覚め。実は夢の中では「意味という病」読み進めていて、いつの間にか数十年は前の(昭和48年刊行時の)もうぼろぼろになった、ページがちぎれたのを綴り合せた、雑誌刊行時のものを読んでいる形になっていた。
別に「古過ぎる」という無意識の示唆ではなく、まさに「当時の時代に立ち返れ」ということかと。
更に、62歳にもなって、SCの面接を受けに行こうと、心もとない思いをしている展開に。先日の「大学を出て3年たっても社会に居場所がない」夢よりわずかに「進化」しているが(爆)、「お前はまだ入り口に立ったばかり」という「無意識様」からのご宣託かな。
「もうベテランぶりやがってさ」という。
第2章である「夢の世界」を読んでいるが、この章、臨床家としての私から見ても、もう無茶苦茶すげえ。殊に私は #夢解釈 については専門の自負がある(学会誌のの査読論文もあるから探してみ)が、それでもすげえと思う。
この章についてだけでも紹介するレビューを書いてみようかと思う。未だ色褪せない問題提起がある。統合失調症者の妄想や幻聴についての指摘も当を得ていると思う。
柄谷行人氏は「シンタクシス(統語法)」によって「物語」化される以前の、「体験それ自体」という「距離の取れない」現前性のある次元を重視しているのだが、柄谷氏はサリヴァン読んではいないと思うのだが、いつの間にか同じ用語使って、相通じること書いてるやんけ。すげえ。
第2章「夢の世界」は、柄谷行人氏に完全に「噛み合った」形でスラスラ読めてしまった。
マジ、柄谷行人論を「人間性心理学研究」に投稿してみたい気分になった。
まだご存命のようだが、直接お会いして「サリヴァン読んでますよね?」とお伺い立ててみたいくらい。
とんでもない鉱脈堀りあてた。
第3章「私小説の両義性」に進んだら、今度は木村敏先生の「自覚の精神病理」を当たり前のようにさらっとひきあいに出すなよ!! 更には #ハイデッカー (「#存在と時間」は私読んでます)の「不気味さ(unheimlich)でごさいますか。
もうわかったよ。あんたのファンになったよ。
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今目を覚ました。
自分が心配だったけど、最後まで面倒見切れなった過去のクライエントさんたちが、海外に「船出」する、というオチ。
これも柄谷行人効果だ。
柄谷氏は、心理学的解釈のすごく批判的なのに実は特に現象学系の精神医学の著作に通逸している。メタ心理学的理解みたいなところがある。
敢えていうが、柄谷行人氏の「意味という病」は、ジェンドリンは別格として置いといて、私が20歳の時に、中井久夫先生の「分裂病と人類」を読んだ時以来のインパクトのある本と言っていいかもしれない。
今後、この本の影響は、臨床面を含めて、私に大きく残ると思う。
柄谷行人氏は、私の好きな芥川龍之介 には凄く批判的である。「藪の中」(黒澤明 の「羅生門」の原作として有名ですよね)彼の一見「心理学的な」小説には人工的な底の浅さがあるというのだが、言われてみればもっともなことが書いてある。
志賀直哉、森鴎外、夏目漱石 については評価が高い。
実は私は志賀直哉と森鴎外は読んだことがないのだが、ピンポイントで引用してくれてるので、言いたいことは理解できる気がする。
志賀と鴎外は読んでみたくなった。漱石は「こころ」をはじめとして何冊か読んでいるのでいよいよ納得が行く。
これからは、こうした「小説」全盛時代の小説も読んでみたい。
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果たして 柄谷行人氏が映画評論もしているかどうかはこれから他の本も読んでみないとわからないが、恐らく黒澤明 についてはかなり辛辣だろう。
私が実は基本的には嫌いな宮崎駿については、「千と千尋」、「ハウルの動く城」(これは私は宮崎作品で一番好き)は評価するだろう。
細田守はお気に召さないと思う。
それに対して新海誠は絶賛するし、「ペンギン・ハイウエイ」 や 「打ち上げ花火横から見るか下から見るか」は評価しそう。
とは書いたが、細田守 の「竜とそばかすの姫」で、クジラが飛んでいることは好きそう(ご覧になっていないであろうことは当然として)。
「未来のミライ」なんて、心理学で「完璧に」絵解きできてしまう(だから柄谷行人氏なら好きになれそうもない)。
「未来のミライ」は同人誌にしますが。
これも「勘」だが、柄谷行人 氏は、タルコフスキー は絶賛だろうし、押井守 なら「天使のたまご」と「イノセンス」 はお気に召すだろう。
新海誠って、「心理学的解釈」をしようと思えば、「仮説」はいくらでも立つ。
でもそれをすり抜けてしまい、「仮説」はあんたの「仮説」だよ、になってしまう。
柄谷行人氏の言葉を借りれば、「距離の取れない受け身の現前性」があるわけ。
新海さんは宮崎駿 の後継者というより、押井守の後継者。
何か知らんが、柄谷行人さんの「意味という病」を読んだら、私の映像作品のキャリアが、一気に総括できてしまいそう。
ちなみに「2001年」は柄谷さん好みでしょうね。
とにかく、柄谷行人 氏の脳細胞が、何を考えているかは、もうすでに「読めた」気がする。
「マルクスの可能性の中心」では「意味という病」と逆転した面があるそうだが、これは読んでみないとわからんな。
私は経済学だけではいくら学ぼうとしても音痴なので、ついて行けるかどうかはわからないが。
われわれはメタファーの”外”に立つことができない。だが、そのことがメタファーという問題の核心なのである。
(隠喩としての建築)
すべて自己が原因である「かのように」考える所に存ずる。”
(トランスクリティーク)
『こゝろ』の隠された主題は自殺であり、友人への裏切り、乃木将軍の殉死などの理由立ては、ともかく自殺が前提となった上で導入されたのである。(『畏怖する人間』意識と自然)哲学的言説においては、きまって「私」一般を論じている。それらは万人にあてはまるものにすぎない。「この私」はそこから抜けおちている。私が哲学になじめなかった、またはいつも異和を感じてきた理由はそこにあった。
(『探求Ⅱ』単独性と特殊性)
分裂症の体験においてはこの非対称性がしばしば逆転し、自己と他者との主客の関係が転倒している。自己は主体であることをやめて、たんなる他者の客体になってしまう。
(隠喩としての建築)
この最後の引用、あまりにもその通りです。
テクストが表面上意図するものと異なる意味を持ってしまうのは、"深層"に真の意味が隠されているからではない。それは「形式主義」的に接近するかぎり、必ず決定不可能性に直面するほかないからである。
(隠喩としての建築)
ここらへんが、いわゆる「作品評論」、特に「心理学的解釈」というものの限界に直結するわけですね。
いずれにしても、ある意味で「心理専門家」の枠をはみ出した私の教養と関心(自分で言うなよな)に応えてくれるものとして、#柄谷行人 氏の著作は、あまりにも格好の「出会い」だと感じる。
私は 「逃走論」の 浅田彰は、パクリばっかで好きになれないのだが、#柄谷行人 との映像記録(いかにもあっておかしくないと思うが)があるなら観てみますか。
●柄谷行人 / 浅田彰 1 (1986)
https://www.youtube.com/watch?v=vDwc-x5MW10
非常に貴重な映像だと思う。
●柄谷行人 / 浅田彰 2 (1986)
写真(セルフポートレート)や(自分の声の)録音の登場によって、それまで慣れ親しんでいた「自己」が「不気味なもの」として異化されるようになった。それがフロイトの登場と期を一にする。
デカルトの言う方法的懐疑が、機械とは異なる人間の「精神」が、絶えず共同体システムから離脱し、差異化し続けることであり、さもなくば思考とは、単なる「機械」、コンピューターによって代替可能ということに確かになりますね。
へえ、私の「勘」通りではないか! https://t.co/RHHyhxcuG6
— 阿世賀浩一郎(chitose 「ウマ娘の精神分析」メロンブックスととらのあなより発売中) (@kasega1960) October 15, 2022
新海誠と柄谷行人がリンクしているという私の直観が、ものの見事にあたっていたようだから、「#日本近代文学の起源」、速攻で注文です。
ニーチェ的に言えば「永劫回帰」を超える「超人」ということになり、フロイト的に言えば「反復強迫」を乗り越えていく「徹底操作」ということに他ならず、ジェンドリン 的に言えば、「構造拘束的(structure-bound)」体験様式を direct reference で「過程進行中(in prosess)」にすること。
何か連投が一人言めいた、難解な内容になっているのは承知だが、きちんと哲学書を読んできて、更にジェンドリン の「人格変化の一理論」をきちんと読めている人には、まさにその通りでしょ、と認めてもらえる自負はある(哲学科出で恐らくジェンドリン理論日本最高の理解者なめんじゃねえ)。
アントニオ猪木の死の件で、諸富祥彦さん(フォーカシングと人間性心理学会で多少のおつきあいがあった)の「人生に意味はあるか」を読んで、さんざんけなしてやろうかと思ったが、それをやる気は失せた(いい意味でも)。
ただ、私をTwitterでフォローしている方々は、読む必要はないです。
その必要がないくらいに(日常や専門の)「現場」で具体的に日々サバイバルして来られているから、この本を読むと、ある意味でいよいよ「窒息」しそうな、あるいはブラックホールに吸い込まれるような目に遭いそうに思います。
何か、「身体」と「アタマ」が離れてしまっている世界の住人だな、と。
ご本人は、会ってみると、ほんとうにエネルギッシュな方です(少なくとも20年-15年ぐらい前はそうでした)。
ただ、私のように、映像と音楽にどっぷりつかり、フィクションと現実を自由に行き来できるタイプではない。
私も読んでる「ファウスト」だけは出て来るけど。
私は「夜と霧」以外の フランクルは読んだことはないですが、
「人間が人生の意味と闘う前に、人生の方が問いを発して来ている。だから人間は、ほんとうは、生きる意味を問い求める必要はない」
というのはまさにそうだと思う。私はフランクルとは相性がよさそう。
「すべての人は、その人だけの『隠れた使命(ミッション)』が与えれられている。人は、自分だけに与えられた『ほんとうの人生=見えない(未完の)シナリオ』を生き、現実化するためにこの世に生まれた来た」
これは諸富さん自身の言葉かと思う。
これについては、まさに「見えない未完のシナリオ」に操られている中、それをうまく「演じ抜こう」としているという、私の今のありありとした実感に符合する。
まもなく刊行する「若き臨床家のために」の目次です:
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はじめに
第1章 なぜカウンセラーになったのか
第2章 カウンセラーとしてしか生きられないからカウンセラーをしているだけ?
第3章 相談に来た方の話を「受容しよう」と「がんばる」ばかりのカウンセラーの弊害
第4章 共感的に話を聴くとは? (入門編)
第5章 カウンセラーは、クライエントさんの話を「受容・共感」できない方向に、徐々に追い詰められていくことも多い
第6章 自分が相手に共感できて「いない」ことを「自己『共感』」すること
第7章 クライエントさんに「共感できない」気持ちを糸口に、クライエントさんへの深い「共感」への道を開くこと
第8章 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる
第9章 「異邦人」としてのカウンセラー
第10章 カウンセリングの開始とは、実は、クライエントさんの最初の「行動化」である
第11章 ユーミンのデニーズ伝説 Ⅰ
第12章 ユーミンのデニーズ伝説 II
第13章 ユーミンのデニーズ伝説 III
第14章 「ケーススーパーバイズ」とは何だろう ~入門編~
第15章 私のスーパーバイズ ~実践編~
第16章 「オモテ」技法と「ウラ」技法 または収穫逓減の法則
第17章 カウンセラーに何ができるか
第18章 体験過程尺度入門
第19章 体験過程インタビュー
第20章 クライエントさんの真の洞察の瞬間、カウンセラーはクライエントさんに「追い越される」
第21章 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練
第22章 気持ちを表わしたり聴いたりする際に、五感を「主語」とする言葉を使うこと。「やまとことば」に敏感であること
第23章 村瀬嘉代子先生語録
第24章 カウンセリングがうまく進んでいる時とは? ~黄金のトライアングル~
第25章 「甘え」と「KY」 -土居健郎先生ご逝去に寄せて-
第26章 格差社会の中での開業カウンセリング
第27章 カウンセラー同士の人間関係
第28章 日常とカウンセリング場面の往復
第29章 巣立たれること。
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