NHK クローズアップ現代+ その校則、必要ですか? 密着!改革の最前線
髪型(明るい色やくせ毛の生徒は証明書が必要)、他の教室に行ってはならない、下着の色、郊外の生活についての規定(学区外に出る時は制服着用、宿泊旅行は届け出必要、カラオケは家族同伴でも禁止、など)、眉毛を剃ったら職員室で書く、スマホは職員室で預かる、など、校則の過剰さについての批判は、Twitter上でも繰り返し流れてくる。
しかし、それらの多くは、学校側を悪者にして、何とかしろと訴えているに過ぎないものが多いのではなかろうか?
今回の番組は、単に現在の校則の酷さを告発するという域を超えているからこそ、素晴らしかったと思う。
「下着の色は白」
— NHK「クローズアップ現代+」公式 (@nhk_kurogen) September 9, 2021
「髪型のツーブロック禁止」など、
人権侵害まで指摘される校則。
全国各地で広がる「校則改革」の現場に密着した今夜の #クロ現プラス
見逃し配信でもご覧になれます。#その校則必要ですか https://t.co/A2uXENvL84
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校則が厳しくなったのは、校内暴力などで、学校が荒れた1980年代の産物であった。
それに加えて、最近では、保護者たちの側に、子供の生活全般を制御することを学校に求める、教育の学校依存体質があったことをこの番組は指摘する。
NHKのアンケートでは、すでに各地の教育委員会の40%以上では、校則の見直しを進めている。
多くの学校で、単に学校が校則を改めるのではなく、生徒たちとの合同委員会を立ちあげ、長い議論をした上で校則を変えて行こうとしている。これ自体、民主主義的な、主体性と自律性、議論のあり方を実地に学ぶ、貴重な機会となっている。
そういう際、生徒たちは、単に多数決で決めてしまうだけでは、少数の生徒たちにとって、逆に不利益になる場合もあることに気づいていく学校もある。
例えば、経済的に貧しくて私服を買えない家庭もあれば、制服の生徒が逆に居心地悪くなるなど。
校則を見直して学校が荒れたという報告は一例もなかったという。
いずれにしても、校則について単に愚痴をいうだけなら、この番組を観て欲しい。
これは校則に限らないことであろうが、「上」を批判し、変わることを求めるだけでは、民主主義の実践者とは言えないのである。
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