コメント・トラックバックについて

  • このブログのコメントやトラックは、スパム防止および個人情報保護の観点から認証制をとらせていただいております。これらの認証基準はかなり緩やかなものにしています。自分のブログの記事とどこかで関係あるとお感じでしたら、どうかお気軽にトラックバックください。ただし、単にアフリエイトリンク(成人向けサイトへのリンクがあると無条件で非承認)ばかりが目立つRSSリンク集のようなサイトの場合、そのポリシーにかなりの独自性が認められない場合にはお断りすることが多いことを、どうかご容赦ください。

Twitter

« 久留米フォーカシング・カウンセリングルームのネット面接、スカイプのみではなく、ZOOMにも対応 | トップページ | NHK土曜ドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」前編 短評 »

2021年12月18日 (土)

「西梅田こころとからだのクリニック」放火殺傷事件に思う

Ws000229

もとよりこうした放火殺傷事件の犯人は法のもとに裁かれるべきですし、被害者の方にはお悔やみ申し上げますとともに、幸い怪我ですんだ皆様に、身体の障害のみならずPTSDが残らねばいいがと案じております。

現時点ではまだ情報不足です。しかし敢えて10歩ぐらいまで先回りして、以下のことを述べておきたいと思います。

多くの病院は忙しいでしょうから、特別なことを訴えたり、面接予約時間以外に助けてくれと言われたり、書類申請とかでせっかちになる患者さんにぞんざいになりがちということには同情してもいいかと思います。しかし、そういう「特殊」ケースへの「危機管理」対応スキルこそプロの領域かとも思います。

援助的専門家には、自分に従順な患者以外には、ひどく冷淡な態度を取ることがあることが少なくないのが現実です。自分があがめたてられる教祖様になってしまうことの弊害に無自覚なのです。

むしろ「おとなしくしない」患者等との出会いこそ、治療者が成長する機会なのに。今回はこういうケースというのが私の勘です。

精神科医をはじめとする援助的専門家は、仮に善意の人であった場合すら(!!!)、自分が多くの人から慕われるようになればなるほど、自分の「影」が深くなることに非常に警戒すべきと思います。無意識に生じる「傲慢」の業(ごう)がいかに深いか。

今回の心療内科医が全くの善人であったと信じることとしましょう。しかし、唐突な連想ですが、親鸞 の「善人なおもて往生す。ましてや悪人においてをや(歎異抄 )」。悪人のほうが自分が悪いと自覚しているから極楽浄土に近いと親鸞は訴えたわけです。善人が浄土に行くのはもっとたいへんなんですよ。

もう、無茶苦茶なことを言えば、援助的専門家というのは、自分が人に「救って」欲しいから、患者さんとかに「癒やされ」「救われる」ために、そういう商売を選んだ可能性に自覚的であるべきです。自分が「救われて」おいて、金「もらう」立場にすらなってることがどれだけ「罪深い」か。

敢えていいますが、大学のセンセーとか病院勤務の援助的専門家は、自分が患者さんやクライエントさんや利用者さんに「食わせてもらっている」という立場だという「基本的構造に」一層無自覚かも。「お客様」に「救われ」、あがめてすらもらえるというのがどれだけのことか。けなされてナンボの立場。

そもそも多くの患者さんは、精神科医と接する際に、「精神科医の」機嫌を損なわないために、自分のできる範囲で、それはそれはものすごく「気をつかって」いるわけです。言いたいことの半分も言えていない。そのことに精神科医がどれだけ「助かって」いることか。

その道の専門家というのは、自分の能力にプライドと責任感を持つ一方で、自分が新たに遭遇する情報や事象や相手には、自分が実は全く無知で、これまで積み上げた能力や知識や能力が、通用しないか、弊害をもたらす可能性に開かれた姿勢を持つべきだろう。

およそ何かを「やりがい」「生きがい」にした場合、その分だけ誰かを(何かを)「搾取」し「隷属させて」いる可能性に自覚的であるべきだ。ボランティアでも趣味でも同じことかと。

少なくとも、日本的な意味での「謙虚な腰の低さ」って、実は厄介な人を引き寄せ、トラブルの種にはなると思います。

このお医者さん、自分で引き受けきれない要求まで引き受けようとしてしまったのではないか?・・・というのが私の勘です。

そして、日本的な意味での「謙虚な腰の低さ」を持つ人って、実は接する相手にすごくプレッシャーを与え、言いたいことを言えなくしてしまう気がします。自分を殺した分だけ、相手も自分を殺すわけです。 

自分が謙虚であろうとする人って、その態度を示すことで、相手を「統制」しようとしている面があることが多い気がします。そういう「謙虚な」人に、あけすけに言いたいこと言える人は少ないと思います。「処世術」にはなりますが、援助的専門家としてはそれだけではマズイ気がする。患者を萎縮させる。

そして、日本的な意味での「謙虚な腰の低さ」を持つ人って、実は接する相手にすごくプレッシャーを与え、言いたいことを言えなくしてしまう気がします。自分を殺した分だけ、相手も自分を殺すわけです。

患者(クライエント)さんの前で、多少はボヤきもユーモラスにつぶやける治療者に対しての方が、実は気易くホンネを口にできるわけですね。私が敬意を払う先輩方は、そういう人が多かったです。 「謙虚である」ことを含めて、無意識のうちに「統制」され、「マウントを取られる」ことに非常に敏感な人は結構いる気がする。非常に自覚的な形でですが、「つけいる(ツッコミをいれる)スキを見せる」ことは結構大事ではないかと。

情報不足の現段階で、このお医者さん個人を責めるつもりはないのですが、「謙虚な腰の低さ」と、無理なことは無理と相手に伝える力、そして、ある種のネゴシエーターとしてのしたたかさは、みな併せ持つ必要があると思います。

« 久留米フォーカシング・カウンセリングルームのネット面接、スカイプのみではなく、ZOOMにも対応 | トップページ | NHK土曜ドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」前編 短評 »

ニュース」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

心理」カテゴリの記事

宗教」カテゴリの記事

福祉」カテゴリの記事

精神医学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 久留米フォーカシング・カウンセリングルームのネット面接、スカイプのみではなく、ZOOMにも対応 | トップページ | NHK土曜ドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」前編 短評 »

フォト
2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

トロントだより

  • 050601_0957
     The Focusing Instituteの第17回国際大会(2005/5/25-31)の開かれた、カナダ、トロントの北の郊外(といっても100キロはなれてます)、Simcoe湖畔のBarrieという街に隣接するKempenfelt Conference Centreと、帰りに立ち寄ったトロント市内の様子を撮影したものです。

神有月の出雲路2006

  • 20061122150014_1
     11月の勤労感謝の日の連休に、日本フォーカシング協会の「フォーカサーの集い」のために島根県の松江に旅した時の旅行記です。https://focusing.jp/  
    ご存じの方は多いでしょうが、出雲の国には日本全国の神様が11月に全員集合することになってまして、「神無月」と呼ばれるわけですが、島根でだけは、「神有月」ということになります。(後日記:「神無月」は10月でしたよね(^^;A ........旧暦なら11/23前後は10月でせう....ということでお許しを.....)  
    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

淡路島縦断の旅

  • 050708_2036
     「フォーカシング国際会議」が、2009年5月12日(火)から5月16日(土)にかけて、5日間、日本で開催されます。
     このフォトアルバムは、その開催候補地の淡路島を、公式に「お忍び視察」した時の旅行記(だったの)です(^^)。
     フォーカシングの関係者の紹介で、会場予定地の淡路島Westinという外資系の超豪華ホテルに格安で泊まる機会が与えられました。しかし根が鉄ちゃんの私は、徳島側から北淡に向かうという、事情をご存知の方なら自家用車なしには絶対やらない過酷なルートをわざわざ選択したのであります。
     大地震でできた野島断層(天然記念物になっています)の震災記念公園(係りの人に敢えてお尋ねしたら、ここは写真撮影自由です)にも謹んで訪問させていただきました。
     震災記念公園からタクシーでわずか10分のところにある「淡路夢舞台」に、県立国際会議場と一体になった施設として、とても日本とは思えない、超ゴージャスな淡路島Westinはあります。

水戸漫遊記

  • 050723_1544
     友人と会うために水戸市を訪問しましたが、例によって鉄ちゃんの私は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」に乗れることそのものを楽しみにしてしまいました(^^;)。
     仕事中の友人と落ち合うまでに時間があったので、水戸市民の憩いの場所、周囲3キロの千破湖(せんばこ)を半周し、黄門様の銅像を仰ぎ見て見て偕楽園、常盤神社に向かい、最後の徳川将軍となる慶喜に至る水戸徳川家の歴史、そして水戸天狗党の反乱に至る歴史を展示した博物館も拝見しました。
     最後は、水戸駅前の「助さん、格さん付」の黄門様です。
     実は御印籠も買ってしまいました。

北海道への旅2005

  • 051012_1214
     日本フォーカシング協会の年に一度の「集い」のために小樽に向かい、戻ってくる過程で、他の参加者が想像だに及ばないルートで旅した時の写真のみです。かなり私の鉄ちゃん根性むき出しです。  表紙写真は、私が気に入った、弘前での夕暮れの岩木山にしました。