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2021年10月 6日 (水)

Yahoo! 知恵蔵で、眞子さまの「複雑性PTSD」診断に疑問を呈した人への私のコメント

●日本複雑性PTSD当事者支援協会が眞子さまの診断について困っているとHPに声をあげています。本当に眞子さまはこの病気だと思われますか?

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コメント:

私は一介のカウンセラー(病院臨床の経験はありますし、多重人格障害やPTSDの本は結構読んでいます)ですから慎重な発言をしたいと思いますが、少なくとも複雑性PTSDの「典型例」の場合、幼児期からの深刻な虐待やネグレクトがあるのが当然のことで、解離症状や自殺未遂など、深刻な病理があるはすです。

この点から考えると、仮に眞子さまが複雑性PTSDであったとすると、秋篠宮家内部で幼少期から深刻な虐待がなされていたということになり、小室氏の騒動の件など、症状形成にほとんど影響を与えていない筈という自己矛盾に陥ります。

そもそもすでに眞子さまの「複雑性PTSD」はすでに「治った」ということになっていますが、そんな簡単に「治る」ような疾患ではありません。

結局、今回の診断は、実は複雑性PTSDの患者を全く診たことがない医師による「過剰診断」としか思われません。

眞子さまはせいぜい「適応障害」でしょう。

診断を公表した宮内庁の判断は、はなはだ軽率なものです。

一般国民の同情を買うと思っていたんでしょうが、この精神障害の診断を受けた「典型例」の当事者に偏見と差別を生み出し、このニュースに接して、憤るくらいならいいのですが、症状の悪化すら生じさせている可能性があることを考えると暗澹たる状況です。

ところが、虐待問題に詳しいはずの精神科医や心理療法家のほとんど(和田秀樹氏を除く)が、この件について口をつぐむどころか、「これを機に皇室のメンタルヘルスへの理解が深まるだろう」などと、脳天気なことをTwitter上で平気で書いているというのは、もう無茶苦茶な事態です。

虐待問題についてここまで日本で専門家の認識が浅いとは思っていませんでした。

複雑性PTSD概念の提唱者である、ジュティス・ハーマンの「心的外傷と回復」など、著名でファンの多い中井久夫先生の訳であり、この本ぐらい読んでないと、専門家としてモグリだといいたいくらいです。

複雑性PTSDの当事者の手記としては、羽馬千恵さんの、「わたし、虐待サバイバー」がおすすめです。

今回、この件で、宮内庁の発表を盲信して、皇室に同情するだけの、ネット上のインフルエンサーやマスコミ各社のツイートに対して、私は逐一、この障害当事者への偏見と差別につながる危険を精査して、問題提起して欲しい旨、コメントを入れましたが、ほんの一部の無名な新聞記者さんを除いては反応を返してくれませんでした。

人々の多様性を尊重し、個人の権利を守ると日頃したり顔で論じているリベラル系の有名な方々がこの水準では、日本の未来は暗いと思います。

安全なところから自民党批判しているぐらいなら、この問題を啓発して欲しいのですが。

 ↓ のリンク元

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トロントだより

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