ウェブページ

コメント・トラックバックについて

  • このブログのコメントやトラックは、スパム防止および個人情報保護の観点から認証制をとらせていただいております。これらの認証基準はかなり緩やかなものにしています。自分のブログの記事とどこかで関係あるとお感じでしたら、どうかお気軽にトラックバックください。ただし、単にアフリエイトリンク(成人向けサイトへのリンクがあると無条件で非承認)ばかりが目立つRSSリンク集のようなサイトの場合、そのポリシーにかなりの独自性が認められない場合にはお断りすることが多いことを、どうかご容赦ください。

Twitter

« 羽馬千恵:「わたし、虐待サバイバー」目次 | トップページ | Anker Soundcore Life P3 レビュー »

2021年10月 8日 (金)

精神科医・和田秀樹「複雑性PTSDなんかではない」眞子さまの本当の病名は(PREDIENT Online)

以下引用:

************

■「眞子さまはおそらく適応障害なのではないか」

 人格変化のために周囲の人が犠牲になることさえある。古くは永山則夫事件、あるいは大阪・池田小事件の宅間死刑囚、そして山口県光市の母子殺しの少年など、子供時代などに虐待を受けた人物が起こす重大事件は枚挙に暇がない。

 銃社会のアメリカでは、虐待を受けた子供が将来重大犯罪を起こすことが多いことも、虐待を受けた子供を親元に返さない大きな理由となっている。

 眞子さまの場合、もし、環境が変わり周囲の批判がなくなった結果、秋山医師が断言したように「健康の回復が速やかに進むとみられる」ならば、それは複雑性PTSDなどという心の重病でない。もちろん、私は直接診察したわけではないので100%そうだと言い切れないが、眞子さまに関してはおそらく適応障害(この疾患の詳細は、拙著『適応障害』宝島社新書を参照いただきたい)にあたるのではないかと思う。

 ただ、日本の場合、精神科の主任教授が臨床軽視・研究重視の大学教授たちの多数決で決まるため、私のようなカウンセリングや精神療法を専門とする大学医学部は全国どこを探してもない。そのため、複雑性PTSDであれ、適応障害であれ、よい治療者をみつけることはかなり困難だ。

 そういう点で、いい治療者を見つけるために眞子さまがご結婚されアメリカに行かれるのはいいことだ。

 複雑性PTSDについては予防の必要性は極めて高い。私は、アメリカのように、虐待が見つかったら原則的に親元に返さないできちんとしたチャイルドケアを受けさせるべきだと考える。そうでないと一生不幸を抱えてしまうことになりかねない。

 その一方、虐待をしてしまった親に対するカウンセリングも重要だ。アメリカではこれが盛んに行われ、カウンセラーが認めれば、子供はその親元に返される。

 日本の場合、残念ながら医学の世界、精神医学の世界がカウンセリングを軽視する傾向があり、見通しは暗いと言わざるを得ない。私の留学先のような「大学でない精神科医の養成機関」をかなりの数作らなければならないと思われる。

 

■「複雑性PTSDの患者は数十万人に達する可能性がある」

 実は、複雑性PTSDの患者はかなり多いと予想できる。というのは、虐待の数が想像以上に多いからだ。2021年8月27日に、令和2(2020)年度の児童相談所における虐待相談対応件数が発表されたが、ついに20万件を超えた(心理的虐待12万1325件:全体の59.2%、身体的虐待5万33件:24.4%、ネグレクト3万1420件:15.3%、性的虐待2251件:1.1%)。

 虐待された子供が新規で毎年20万人(実際はもっと多い可能性が高い)ということは、日本中に虐待経験者は全体で数百万人単位いるということになる。仮にその1割が複雑性PTSDになったとしても数十万人だ。これはかなり少なく見積もった数と言えるものだ。これから複雑性PTSDを増やさないだけでなく、現在複雑性PTSDの人たちを救うことが急務だ。

 今回の報道でもっと危惧するのは、複雑性PTSDになった人は周囲の人がやさしく見守れば、そのうち症状が緩和する軽い病気であるかのような誤解が広まることだ。

 あるいは、芸能人や政治家がバッシング逃れのために知り合いの精神科医に複雑性PTSDの診断書を書いてもらうケースが増え、この疾患に直面している人の苦しみをどこか軽んじるような風潮が世間に広まることもあり得る。

 複雑性PTSDという病名が世間に知られることは望ましいことだが、本当の実態が知られないと逆にいちばん迷惑をこうむるのは複雑性PTSDの患者であることも知ってほしい。

« 羽馬千恵:「わたし、虐待サバイバー」目次 | トップページ | Anker Soundcore Life P3 レビュー »

おすすめサイト」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

心理」カテゴリの記事

健康」カテゴリの記事

福祉」カテゴリの記事

精神医学」カテゴリの記事

PTSD」カテゴリの記事

眞子さま」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 羽馬千恵:「わたし、虐待サバイバー」目次 | トップページ | Anker Soundcore Life P3 レビュー »

フォト
2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

トロントだより

  • 050601_0957
     The Focusing Instituteの第17回国際大会(2005/5/25-31)の開かれた、カナダ、トロントの北の郊外(といっても100キロはなれてます)、Simcoe湖畔のBarrieという街に隣接するKempenfelt Conference Centreと、帰りに立ち寄ったトロント市内の様子を撮影したものです。

神有月の出雲路2006

  • 20061122150014_1
     11月の勤労感謝の日の連休に、日本フォーカシング協会の「フォーカサーの集い」のために島根県の松江に旅した時の旅行記です。https://focusing.jp/  
    ご存じの方は多いでしょうが、出雲の国には日本全国の神様が11月に全員集合することになってまして、「神無月」と呼ばれるわけですが、島根でだけは、「神有月」ということになります。(後日記:「神無月」は10月でしたよね(^^;A ........旧暦なら11/23前後は10月でせう....ということでお許しを.....)  
    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

淡路島縦断の旅

  • 050708_2036
     「フォーカシング国際会議」が、2009年5月12日(火)から5月16日(土)にかけて、5日間、日本で開催されます。
     このフォトアルバムは、その開催候補地の淡路島を、公式に「お忍び視察」した時の旅行記(だったの)です(^^)。
     フォーカシングの関係者の紹介で、会場予定地の淡路島Westinという外資系の超豪華ホテルに格安で泊まる機会が与えられました。しかし根が鉄ちゃんの私は、徳島側から北淡に向かうという、事情をご存知の方なら自家用車なしには絶対やらない過酷なルートをわざわざ選択したのであります。
     大地震でできた野島断層(天然記念物になっています)の震災記念公園(係りの人に敢えてお尋ねしたら、ここは写真撮影自由です)にも謹んで訪問させていただきました。
     震災記念公園からタクシーでわずか10分のところにある「淡路夢舞台」に、県立国際会議場と一体になった施設として、とても日本とは思えない、超ゴージャスな淡路島Westinはあります。

水戸漫遊記

  • 050723_1544
     友人と会うために水戸市を訪問しましたが、例によって鉄ちゃんの私は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」に乗れることそのものを楽しみにしてしまいました(^^;)。
     仕事中の友人と落ち合うまでに時間があったので、水戸市民の憩いの場所、周囲3キロの千破湖(せんばこ)を半周し、黄門様の銅像を仰ぎ見て見て偕楽園、常盤神社に向かい、最後の徳川将軍となる慶喜に至る水戸徳川家の歴史、そして水戸天狗党の反乱に至る歴史を展示した博物館も拝見しました。
     最後は、水戸駅前の「助さん、格さん付」の黄門様です。
     実は御印籠も買ってしまいました。

北海道への旅2005

  • 051012_1214
     日本フォーカシング協会の年に一度の「集い」のために小樽に向かい、戻ってくる過程で、他の参加者が想像だに及ばないルートで旅した時の写真のみです。かなり私の鉄ちゃん根性むき出しです。  表紙写真は、私が気に入った、弘前での夕暮れの岩木山にしました。