「ぼくたちの離婚」をめぐって -特に精神を病んだ配偶者に巻き込まれた場合に関して-
コミックス版 #ぼくたちの離婚 を1話丸々無料試し読み!を記念してコラム書き下ろしました。試し読みリンクは記事内に。文化系おじさんの業(ごう)、堕ちた地獄の顛末。
— 稲田豊史 (@Yutaka_Kasuga) September 29, 2021
「妻が、子供が欲しいなんて言いやがった」DINKsを悩ませる「心変わり」問題 https://t.co/WqyNaKSivF #現代ビジネス
このリンク先の記事は、単に子供を生む産まないについての行き違いについて述べたものではない。
男女関係なく、結婚したらお互いのライフスタイルを大幅に変えて行かねばならないことを覚悟することは、自明の理なのではなかろうか。男の方だけが自分と配偶者のライフスタイルに変化を求めないというのはちょっと違うと思う。
むしろライフスタイルの変化に双方が「意識的に」歩み寄れた時にはじめて、独身時代からのそれぞれのライフスタイルを尊重でき、発展していけるという逆説がある気がしてならない。
******
とりあえず、上記の記事との関連で原作となった活字の本の方を少し読んでみた(コミック版の方はリアリティに欠けるというレビューも多いので)。
まだ全部には目を通していない。
男の方も随分無茶苦茶だと思うエピソードが多そうだが、第3章の、いわゆる「メンヘラ妻」との結婚生活の苦しみについての記事だけ通して読んだ。
しかし、ここで書かれているのは、「メンヘラ」などという次元のものではない。正真正銘の 「精神疾患」の妻をかかえた事例である。
念の為に書くが、(男女関係なく)精神疾患をかかえた配偶者を持つと、ここで書かれているような受難を受けるわけではない。
しかし、社会的には一応適応していたかに見えた結婚相手が、親密な同居関係になると、突如、相手を巻き込む物凄い認知の歪みと感情の不安定さを露呈することはままあると思う。
その兆しが、つきあっていた時代にありながら、結婚を焦ったり、困ったところ(弱いところ)のある相手を救ってあげたいという思い(裏返しの支配欲であったり、実は自分が救われたい気持ちの 「投影的同一視(メラニー・クライン)」 、あるいは 「愛他的譲渡(アンナ・フロイト)」であると解釈できることも多い)から結婚してしまうことも多いであろう。
しかしそれを見抜けなかった側にも落ち度があるというのは一方的で傍観者的な批評でしかない。
本書でも書かれているが、およそ「正しい選択」とは、結果的に正しい選択「だった」という「過去形」でしか語り得ないものだからである。
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