ウェブページ

コメント・トラックバックについて

  • このブログのコメントやトラックは、スパム防止および個人情報保護の観点から認証制をとらせていただいております。これらの認証基準はかなり緩やかなものにしています。自分のブログの記事とどこかで関係あるとお感じでしたら、どうかお気軽にトラックバックください。ただし、単にアフリエイトリンク(成人向けサイトへのリンクがあると無条件で非承認)ばかりが目立つRSSリンク集のようなサイトの場合、そのポリシーにかなりの独自性が認められない場合にはお断りすることが多いことを、どうかご容赦ください。

Twitter

« 【ウマ娘】【アオハル杯】:フジキセキ編 | トップページ | ウマ娘で性格診断 »

2021年9月 7日 (火)

とりあえずユングの「ヴォータン」読んだところ。

今、先日お約束した、「ヴォータン」所収の、ユングの「現在と未来」読んでますけど、「ヴォータン」をナチへの警鐘として読解しないのはやはり困難でしょう。ヒトラー名指しでの、ドイツの集合的無意識暴走への警鐘そのものだと思います。

むしろ1936年の時点で、隣国スイスでとは言え、このような評論を書くのは危険といっていいくらいかもしれません。小俣氏はどう曲解したのでしょうかね。

*****

ユングは、この論考を、

「水はいずれ堰を破るに違いない。その時はヴォータンが『ミーミルの頭と何を語る』かが明らかとなるであろう」

と結ぶのですが、

ユングが言わんとすることを理解するためには、「ミーミルの泉」「ミーミルの首」についての知識が必要です。

●【北欧神話ってどんなもの?】初心者でもよくわかる、北欧神話のあらすじと神々。

================引用はじめ==================

オーディン(北欧神話における、ゲルマン神話のヴォータンにあたる)が目をつけたのは、巨人の国へ伸びた大樹・ユグドラシルの根元にあるミーミルの泉でした。この泉の水を、口にするだけで優れた知恵や知識が授けられるという噂があったのです。

しかし泉を守る賢い巨人ミーミルは、オーディンに、泉の水を飲む対価として片方の目を差し出すように言います。オーディンは一瞬ひるむも、知識を得るためには安いものだと覚悟を決め、片目を差し出して泉の水を飲みます。その瞬間、オーディンの頭は膨大な知識で満たされるのでした。

片目と引き換えに知識を得たオーディンは、やがて「いつの日かアース神族は巨人族と戦い、世界とともに滅ぼされる運命にある」ことを予言します。滅びの日を回避できないと知った神々は、自らの運命を受け入れて戦への備えを始めます。オーディンもばらばらだった神々を組織化して協力体制を築いたり、戦力の増強を目的に勇敢な人間を集めたりと、戦の準備に余念がありませんでした。 

また、ファンタジー作品がお好きな方ならば、ルーン文字は一度でも耳にしたことがあるはず。実はこれも、オーディンが会得した知識です。ルーン文字のために、オーディンはユグドラシルの枝に縄を結んで自らの首を括り、9日もの間自分の身を生贄にしたのだとか。それも、自分が最高神であるため、生贄を捧げる相手が自分だったというのだから、驚きです。

==============引用終わり====================

ミーミル(ゲルマン神話におけるミーム)はオーディン(ヴォータン)の相談役なのですが、敵に首を切り落とされてしまいます。オーディンはその首だけを復活させ対話を続けます。

オーディンは、ミーミルのおかげで、知恵を獲得し、世界の未来を見通せるようになるのですが、そこで見いだされたのは、ラグナロック(世界の終末)でした。

ワーグナーの楽劇における、「神々の黄昏」ですね。

結局、ヴォータンは、世界を巻き添えに、自己破壊に至るのです。

ヒトラーは、意識的にはアーリア民族の世界制覇をめざしていたつもりでしょうが、実はアーリア民族、そして、他の民族も巻き添えにして、(自らの救済のために?)「自殺」をはかったようなものですね。

ユングは、「数十年後のことは予想できない」とことわってさっきのことを書いているわけですが、むしろヒトラー支配が「自滅」したあとの、世界の再生のことを見据えていた気がします。

それを、「ヒトラーは世界を制覇する希望の星」と近視眼的に読んでしまった人達がいるということですね。ゲルマン神話についての教養がないままに。

楽天トラベル

JAL 日本航空 国際線航空券

 

« 【ウマ娘】【アオハル杯】:フジキセキ編 | トップページ | ウマ娘で性格診断 »

学問・資格」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

歴史」カテゴリの記事

心理」カテゴリの記事

宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 【ウマ娘】【アオハル杯】:フジキセキ編 | トップページ | ウマ娘で性格診断 »

フォト
2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

トロントだより

  • 050601_0957
     The Focusing Instituteの第17回国際大会(2005/5/25-31)の開かれた、カナダ、トロントの北の郊外(といっても100キロはなれてます)、Simcoe湖畔のBarrieという街に隣接するKempenfelt Conference Centreと、帰りに立ち寄ったトロント市内の様子を撮影したものです。

神有月の出雲路2006

  • 20061122150014_1
     11月の勤労感謝の日の連休に、日本フォーカシング協会の「フォーカサーの集い」のために島根県の松江に旅した時の旅行記です。https://focusing.jp/  
    ご存じの方は多いでしょうが、出雲の国には日本全国の神様が11月に全員集合することになってまして、「神無月」と呼ばれるわけですが、島根でだけは、「神有月」ということになります。(後日記:「神無月」は10月でしたよね(^^;A ........旧暦なら11/23前後は10月でせう....ということでお許しを.....)  
    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

淡路島縦断の旅

  • 050708_2036
     「フォーカシング国際会議」が、2009年5月12日(火)から5月16日(土)にかけて、5日間、日本で開催されます。
     このフォトアルバムは、その開催候補地の淡路島を、公式に「お忍び視察」した時の旅行記(だったの)です(^^)。
     フォーカシングの関係者の紹介で、会場予定地の淡路島Westinという外資系の超豪華ホテルに格安で泊まる機会が与えられました。しかし根が鉄ちゃんの私は、徳島側から北淡に向かうという、事情をご存知の方なら自家用車なしには絶対やらない過酷なルートをわざわざ選択したのであります。
     大地震でできた野島断層(天然記念物になっています)の震災記念公園(係りの人に敢えてお尋ねしたら、ここは写真撮影自由です)にも謹んで訪問させていただきました。
     震災記念公園からタクシーでわずか10分のところにある「淡路夢舞台」に、県立国際会議場と一体になった施設として、とても日本とは思えない、超ゴージャスな淡路島Westinはあります。

水戸漫遊記

  • 050723_1544
     友人と会うために水戸市を訪問しましたが、例によって鉄ちゃんの私は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」に乗れることそのものを楽しみにしてしまいました(^^;)。
     仕事中の友人と落ち合うまでに時間があったので、水戸市民の憩いの場所、周囲3キロの千破湖(せんばこ)を半周し、黄門様の銅像を仰ぎ見て見て偕楽園、常盤神社に向かい、最後の徳川将軍となる慶喜に至る水戸徳川家の歴史、そして水戸天狗党の反乱に至る歴史を展示した博物館も拝見しました。
     最後は、水戸駅前の「助さん、格さん付」の黄門様です。
     実は御印籠も買ってしまいました。

北海道への旅2005

  • 051012_1214
     日本フォーカシング協会の年に一度の「集い」のために小樽に向かい、戻ってくる過程で、他の参加者が想像だに及ばないルートで旅した時の写真のみです。かなり私の鉄ちゃん根性むき出しです。  表紙写真は、私が気に入った、弘前での夕暮れの岩木山にしました。