相川七瀬をオーディオ的に聴いてみよう(第3版)・・・というか、相川七瀬は神!!!
私は相川七瀬の熱心なファンというわけではない(【注】:後述するようにこれはもはや完全に「過去完了形」)が、特に初期の曲がオーディオソースとしてあまりにも興味深いので紹介しよう。
浜崎あゆみ好きになったものだから、一時期エイベックス漁りをしていたので、かなり以前にiTunesで釣り上げていた。
改めて2010年のベストアルバム、"Rock or Die"をダウンロードしなおした。ロスレス音源であるからCDと同じ音質である。リマスタリングされているかもしれない。
まずは、アルバム全体として総合的にみて、音源が必ずしも新しくないにもかかわらす、私が聴いてきた音楽ソースの中でもっとも凄い部類に入るということは申し上げておきたい。
値段は高くなくていいから、適切なオーディオ環境(このエントリーの最後に私が使用した機種と使い方を明示します)を与えると、物凄い完成度の録音であることは誰が聴いてもわかるはず。
※なお、このベスト盤は、すでに廃盤CDのようです。困ったもんですね。中古はいらでも安価に手に入ります。
むしろApple MUSIC入会者は、ロスレス規格定額ダウンロードし放題の対象となっていることを喜ぶべきでしょうね。
※なお、以下のレビューは、あくまでもロスレス音源についてのものでして、YouTubeの音の善し悪しとは関係ありませんのであしからず。
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20歳デビューの「夢見る少女じゃいられない」が1995年だからayuより4年ほど早いことになるが、ある意味ではエイベックスらしくないハードなサウンドが持ち味だろう。
「ガール・ポップ」ということになるのだろうが、限りなくロックに近いと思う。
不良っぽい、ツッパった曲が多く、「夢見る少女じゃいなられない」の登場時は、かなり衝撃的だったのではないか。美人、というより登場時はカワイクもあったし。
今25歳以下の人は、生まれてもいないわけだから、是非この曲だけでもまずは聴いてみて欲しい。
- Youtube Musicの音源・・・こっちのほうがバランスはいいど思います。
この曲、オーディオ的に「物凄く」いいんですよ。
私はよくこの曲でオーディオ比較をします。
特にドラムスの打ち込みの音が「異様に」冴えている。帯域も広いし、アンビエンス成分もたっぷりなのだが、とにかくハイスピードで音圧のある打ち込まれ方に録音されている。
これはYouTubeの音では恐らく持ち味がわからないと思う。ドラムスの音が完全にリミッターがかかった鈍い音に過ぎなくなっている。
だから、さっき書いたようにロスレスですから、Apple Musicで是非聴いてみて欲しい。
これで25年前だからたいしたもの・・・というより、正直言って、多くの歌手やバンドの録音って、この頃のが一番イイと思う。これ以降はどんどん退化している。
ベストアルバムでいうと、この曲に続く、2.バイバイ。-4.BREAK OUT!までは、このオーディオ的な冴えが持続している。これらは私にとって超Aクラスの録音ですね。
ドラムスの冴えは相変わらずだし、同じ一曲の中でもまるで違う音質を使い分けている。そして、ギター群が、非常に分厚くてなおかつ広がりがあり、一つ一つの楽器が聴き分けられる細やかさも持つ。人工的なエコー成分の付加によるごまかしもなく、空間に忽然と楽器とヴォーカルがシャープな存在感を持って並んでいるという、滅多に聴けない音響世界です。
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次の「恋心」はおそらく一番の人気曲で、メロディーも印象に残りやすいし、今の若いコもカラオケでこの歌だけは唄うのではなかろうか。
PVもたいへんな意欲作ですね。
ところが、ベストアルバムの「恋心」だけは非常にぬるい、録音としてはベストアルバムで最悪なのでありまする。音割れも少ししているし。情報量は非常に多いと思いますが、飽和している(ラウドネス・ウォーになっている?)。リマスタリングされてこの音質というのは、ホント困ったものです。
(でも、この水準にとどかないアーティストは山ほどいます)
困ったことに、YouTubeの古いはずのPVの音は結構バランス良く聴ける。音割れはしていますが。
え? ベストアルバムでこの曲の音質が一番良く聴こえるって? それは相当モンダイですよ。
「恋心」は、ある意味では、大衆向けに媚びた例外的な曲であるとも言えると思う。
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この曲以降は、なぜか突然録音が一気に平凡化してしまう。
帯域の狭い、分離も良くない音で、私が「針金細工の音」と呼ぶ音に過ぎなってしまいます。
これは二度と改善されない・・・・かな?と思ったら、10. 「Nostalgia」よくなってます。
ポップで、わかりやすい曲ですけど、またドラムスの生々しくてj非常に切れ味がいいところ、1.- 4.並に復活です。
続く11.「Lovin' you」は、伴奏部はそこそこですが、ヴォーカルにいい潤いがありますね。ドラムスが音色的に目立たないのは、曲想を考えての意図的なものでしょうが。10.より更に帯域広め。いい曲だと思う。
低域が少し膨らんでます。
次の12.「midnight blue」は、帯域的には少し狭めかもしれないかど、非常に「立っている」タイトな音です。トラムスとギターの音が分離しないのは意識な音作りだと思います。
13.「SEVEN SEAS」は12.より音の広がりがあります。ドラムスは硬い。ちょっと音が飽和しているかな?
これでも、他のアーティストの大抵の曲よりは音質よほどいいです。
非常に音が悪いPVしかYouTubeにはなかったことをお許しください。
14.「六本木心中」は、もともとはアン・ルイスさんの曲。帯域はそこそこですが、音の広がりはかなりありますね。
ロックの楽器編成であるにもかかわらず、グルーヴ感のある、まるでユーロビートみたいな編曲ですね。少し音が暴れているかな?
オリジナルのPVは見つかりませんでしたが、ZARD(坂井泉水)、アン・ルイスとワンコーラスずつ歌ったおもしろい音源、発掘しました。
15.「Shock of Love」は、音に暴れはありますが、分解能が高く、いいサウンドの部類。周波数特性的な平坦さがあります。ドラムスは相変わらずギターに溶けちゃってますが。
でもオフィシャルサイトのPVなしの音源は、あまりにも音が小さすぎる。
そこで、画質は荒いですが、第3者のアップしたものを這っておきます。音はちょっと低域が薄過ぎになってますが。
ベストの最後を飾る16.「tAtto」は、久々にドラムスが生々しい立体感を回復している。初期ほどではないけど、「恋心」以降では最良サウンドでしょうか。
・・・ここで唐突に初期、2.の「バイバイ。」を聴いたら、全然音がいいんですよ、やはり。
困ったものだ。
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彼女はその後、クラブミュージック的になり、前世セラピーとかに頼るようになり、更に現在は大学に入り直して神道の勉強をしているそうですが。本人も音楽的な行き詰まりにも苦悩していたんでしょうかね。
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ともかく、オーディオ的に、私が言いたいことが、一人のアーティストで非常によく識別できるケースですので、試しにオーディオソースにしてみてください。
私が言うような音の違いが聴き分けられれば、安い装置でも、いいバランスと音質と言えると思います。
- なお、彼女の曲ごとの音質の善し悪しは、エイベックスのCDがHDCDかつCCCDとして発売されていた時期があることと連関している可能性があります。HDCDは20Bitの情報が含まれていますので、適切な環境での再生は音質の向上はありますが(Windows Media Playerなど)、そういう環境でないとかなり歪みが生じます。CCCDに至ってはコピー防止のために盤面に傷を入れているようなものですから、更に歪みを増加させます。もちろん現行ベスト盤の音源はHDCD規格の源音源を使用しているはずで、その分音がいい可能性もあるのですが。
ちなみに、公平を期すために、私が今回の判断をした環境を示します。
Bluetooth(LDACコーデック対応)接続の 、 Anker Soundcore Life Q35での聴取。
- Pentium-5i、32MBメモリの、マウスコンピューター製のデスクトップに収納されたiTunesのロスレス音源(Apple Musicサイトよりダウンロードしたもの)を44.1kHz、24bit出力と、少しだけアップコンバートし、USB外付けBluetooh5.0送信機(apt-xコーデック対応)で転送
- Apple MUSICアプリを使用したロスレス規格ストリーミング音源を、OPPO Reno 5AからBluetooth5.1 LDACコーデック(ハイレゾ対応)で転送
・・・この2つのケースを共に聴取しています。
電源の影響フリー、一切アナログ回路が介入していません。
以前も書きましたが、Bluetooh接続のほうがもはや有線接続の比ではない音質が可能というのが私の信念です。
音は1.の方がハードに聴こえますが、2.の方が音の解像度が高く、ギターが何台ありそうかまで詳細に聴こえます。これはコーデックの違いが大きいでしょうね。
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【追記】:・・・・などどいろいろ御託を書いてきたが、何回かこのアルバムを聴くうちに、私のヘッドフォンのほうが見事に「調教」されてしまい、ホントにとんでもないことになってしまった。
ここまでの部分で「欠点」として書いたことは全部帳消しです。
全部美しい、そしであまりに激しくもある音の「個性の違い」に過ぎなくなった。
これは日本のロック史に残る奇跡の作品群ではないか。
そして、録音史に残る到達点である。
もう、中毒になっちゃうよ。
こんな音の世界があり得るとは思わなかった。
嘘だと思うなら、PC(Windowsである必要あるかも)にダウンロードして、このヘッドフォンで、しかも私がこちらのエントリーで強調した注意点(アプリによるファームウエアの設定)を決して忘れすに、10回ぐらい慣らし運転してみて欲しい。
音楽というもの、オーディオというものについての考え方が変わるから。
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おまけで、2012年のライヴの「恋心」をupしておきます。この人、声はむしろ味があるようになったとも言えます。王子のきつねさんによれば、ブレスが悪くなっているそうですが。
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