睡眠薬ベルソムナ(スボレキサント)は、深い睡眠状態を維持させるが・・・
今度は精神神経科・心療内科などで処方される睡眠薬(睡眠誘導剤)について書いてみます。
ただし、私は精神科医ではなくて、一介の不眠症傾向があるカウンセラーの体験記に過ぎませんので、詳しいことはお医者様に聞き、相談してください。
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睡眠薬は、開発当初は、バルビツール系と呼ばれるものがほとんどでしたが、翌日昼になっても眠気が残る、(そしてこれが最大の問題点ですが)自殺に利用できるなどの問題点をかかえていました。
そこで、ベンゾジアゼビン系睡眠「誘導」剤というものに置き換わりました。
このタイプの薬は、あくまでも睡眠のきっかけをつくり、スイッチを入れるという点にあります。
もっとも、短時間型から長時間型まで、実にいろいろな種類があります。
そして、大量服用しても、自殺につながりにくいとされます(この点は、あくまでも一般に言われることを書いています)。
睡眠「導入剤」は、飲んでしばらくのうちに、それこそ「コトン」と寝てしまいます。
ただし、
- 飲んだ直後、立ったり座ったりしたまま起きていると、薬効が現れないまま、やり過ごせてしまう。
- 途中覚醒の傾向が強い人には効かない(この場合は、「長時間型」を用いる)。
- 依存性がある。
という問題点があります。
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最近登場したのが、「選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬」に分類される睡眠薬で、スボレキサント(商品名:ベルソムラ)が代表的です。
この薬は、ベンゾジアゼビン系睡眠「誘導」剤とは作動機序が全く異なります。
具体的に言えば、ノンレム睡眠(脳を休めている状態)を数時間維持するという点で、途中覚醒の予防になることです。
副作用としては、この薬が切れてしまってからのレム睡眠(身体は寝ていて、脳は覚醒時に近くなる)において、少なくとも慣れないうちは、「悪夢」をみる傾向が強いということです。
選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬には、依存性がないのもひとつの特徴です。
現実的には、寝入りを良くするベンゾジアゼビン系睡眠「誘導」剤と選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬(睡眠「維持」剤)は併用されることが少なくないかと思います。
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選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬(睡眠「維持」剤)使用の際の注意点だと私が経験上感じているのは、睡眠時間が遅くなり、翌朝早く起きねばならない場合(例えば寝られるのが4-5時間とか短時間となった場合)には、本当に深く寝入ったままになり、寝過ごしてしまったり、二度寝をしてしまったり、それでも無理して起きてしまうと、ふらつく、ぶっ倒れるするなどの危険があることのように思えます。
個人的経験では、どうしても短時間睡眠で目覚めなばならない時は、ベンゾジアゼビン系睡眠「誘導」剤服用だけにして、選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬(睡眠「維持」剤)抜いてしまうことかと思います。
繰り返しますが、一不眠症患者としての、あくまでも個人的見解です。
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