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2021年7月19日 (月)

ささやかなミステリー -アニメ版「氷菓」-

結局、全22話、13時間かけて通して観ました。

途中の時点で区切って感想を書こうとしなくてよかったと思います。

アニメでいう第5話までが実写映画版で描かれたのと同じ部分で、タイトルの「氷菓」の絵解きはそこで完結しています。

アニメ版をここまで観た時点で、私は、(読んでいませんが)原作の作品世界について、実写版を観た時点では誤解していて、ないものねだりをしていたことに気づきました。

この作品、分類すれば「ミステリー」でしょうが、誰かが死んだりしたことへの謎解きではないんですよね。

もっとささやかな、学生生活の日常の範囲内での世界を描いたものというべきでしょう。

だから、実写映画版のストーリーは、何ら問題はない。

この点、早合点するエントリーを書いてしまったことについては誤りがあったと思います。

でも、改めて前のエントリーは修正しないでおきたいと思います。

さて、そのアニメ第5話までの展開と、実写版を比較した場合。

セリフや展開は、ほぼ同じで、セリフも90%ぐらい同じのようですが、恐らく原作に忠実なのはアニメシリーズのほうでしょう。

そもそもこのストーリーは、劇場の大画面で、しかも実写で描かれる必要はなかったと思えます。

まさにTVアニメシリーズこそふさわしい媒体だったと思います。

ヒロインの、千反田 えるという名前なんて、完全にラノベかアニメ・コミックでしか通用しないものでしょうし、すでに前のエントリーで書いたように、そもそも実写映画版を演じた広瀬アリスにも全く魅力というものが感じられない。

この作品は、アニメでしか表現できない、キャラクター(デザインを含む)の描き分けと、アニメでしか演出できないデフォルメによってはじめて映像化の効果がでるもののように思えます。

しかもこのアニメ化は、おそらく京都アニメーション制作でないと不可能な域の演出力と高度なクオリティによって支えられています。

とにかく丁寧な作り、背景美術も最高です。声優さんもみんなうまい人ばかりですね。

アニメシリーズのほうが先に作られ、それからなんと5年後になって実写映画は撮られたみたいですが、敢えて実写映画を作る意味はなかったと思います。

*****

アニメシリーズは、第6話からますは2回連続で各話完結のエピソードになりますが、なんとも、いい意味で「些細な」話でして、「ミステリー」というには大げさ過ぎる内容でしょうが、私はこの2話をみた時点で、この作品の世界観にチューニングできた気がしました。

この2つのエピソードはきっと原作にもあるものだと思います。

それに続いて、5話分ほどの、別のクラスのミステリー自主映画制作の未完の部分についてどのように補作すべきかに、主人公たちがかり出されるストーリーが展開するのですが、この「劇中劇」の描き方自体が凝ってますね。

まさに素人撮影で、セリフも棒読み、ありきたりのミステリー、でも精一杯作った未熟な作品というあたりの描き方が巧妙です。

この「自主映画参画」ストーリーは、いくつもどんでん返しがあり、凝った展開だと思いました。

それに続く、これまた数回ぶんの「文化祭」ストーリーに至り、「あれ、作風が変わったな」と感じました。それまでの衒学的とも言えるセリフの内容が急にわかりやすくなり、ミステリー色はすっかり背景に沈み、まさに学園祭高校生活ものとしての描き方になったのです。

私の勘では、ここからは原作を離れたアニメのオリジナルストーリーなのではないか。

少し対象年齢を下げたのかなともこの時点ではおもいました。

ところがどっこい、最後から2つめの第21話のバレンタインの話には驚かされました。

どんでん返しはありますが、登場人物どうしの細やかな人間関係の機微にちょっとうるっとくる回ですね。この回、キャラクターの作画も特にリキ入ってるなとおもいました。この21話はめったに観られない傑作だと思います。

22話は、土地に根付いた物語と、主人公とヒロインの今後について期待をもたせつつも余韻ある形でまとめていると思います。

第2シリーズを期待する声も少なくないでしょうが、ここで終わるからいいのですよ。

全然生臭くないのがこの作品の持ち味でしょう。

*****

いずれにしても、私のような60歳のアニメ第1世代には想像もできない感性と世界観(といっても大げさなものではない)で描かれた作品と感じました。

新海誠作品や細田守作品ばかり追っていてはもったいないですね。

幅広い層にウケるとは思いませんが、一群の愛好家がいるのもむべなるかなという印象です。

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