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2021年7月26日 (月)

相模原、津久井やまゆり園殺傷事件の原因・背景について、もっと具体的に検証する必要がある。-今も「植松」はたくさんいる- 

あの悲惨な事件から5周年です。

Twitter上には、植松死刑囚の障害者差別とヘイトクライム、優生思想を、あってはならないこととして振り返るツイートが溢れかえっています。

しかし、私はそれらが理念的一般論になっており、フィールドワークとして、植松死刑囚の施設内で利用者と、具体的にどのように関わっていたか、そしてそれが施設内でどう受け止められていたかの具体的再検証に踏み込んでいないものばかりのように思われてもいました。

その一方、やまゆり園の内部では、職員の利用者に対する暴力と虐待が日常化しており、そのことが問題視されるようにもなっていたという情報も、ネット上のどこからか目に入っていました。

「障害者差別」「優生思想」が良くない、と啓蒙するだけでは問題は何も解決しないと思う。まずは障害者を支えることの「たいへんさ」を分かち合うところからはじめねばならない。

本日、私のツイートラインのYahoo!ニュースに、次のような記事が流れて来ました。

 

 

この渡辺一史氏によるレポートは、やまゆり園の内部資料と、実際にやまゆり園に勤務したことがあるT氏の証言に基づいて、植松死刑囚が利用者にどのように接していたが、それは施設内でどのように受け止められていたか、やまゆり園という施設の職員の利用者に対する暴力と差別と支配の実態についても渾身のレポートとなっている。

それによれば、職員としての植松は、在職中に書いた「ヒヤリハット報告書」(実際に「ヒヤッとした」事件に対してどのように「ハット」気づき、具体的にどのように対処していったかについて、時系列を追って報告する書類)のいくつかの報告において、実は冷静で迅速な対応をしており、むしろ通常の職員より懇切丁寧で利用者思いですらあったことが伺われる。

しかしそうした植松の対処は、上司には認められず、ことなかれ主義の職場風土の中で、むしろ厄介者扱いされ、そうした中で植松が苦しんでいた様が描かれる。

そして、やまゆり園の施設の職員の間で、利用者に対して、差別と暴力と手荒な対処を行うことが常態化していたことが、元職員T氏の証言からも浮かび上がる。

植松がそうした中で無力感を深めていたことも間違いないようだ。

もとより、そこから、植松が、利用者をこれ以上生きていても仕方がない存在としてとらえ、無差別連続殺傷に至るまでの経緯についてはまだ飛躍がある。

しかし、植松自身が措置入院の処分を受け、「反省の弁がある」という理由で退院させられるといった経過の中で、植松のこころに一層の歪みと鬱積がたまり、植松自身の奇妙な使命感が誇大妄想的に広がり、確信犯となるに至る経緯があったように思われます。

もとより、植松の殺傷という行動化は、残酷な犯行そのものであり、許されるべきものではありません。

しかし、障害者差別や優生思想はあってはならないと理念的に糾弾するだけでは、施設におけるリアルな現実は浮かび上がっては来ず、今後似たような事件が起こらないための処方箋にはならないと思います。

今も、多くの日本の障害者施設の中で、職員の利用者に対する差別と暴力的処遇が繰り返されていて、「事件化」していないだけであろうことを、じっくりと見つめねばならないと思います。

植松まではいかないだけの人間は、今も施設職員の中にいっぱいいる。

******

なお、事件直後に私が書いたエントリーがあります。

私のこの種の施設での研修経歴の基づくものでもあります。

●最重度障害者の現実

なお、知り合いからネット上に次のような記事がすでにあることを紹介いただきました。

●「植松被告」に死刑判決でも事件が不可解な理由 裁判員制度による「核心司法の問題点」を露呈

この問題から私が思うに至った帰結はこちら。

●障害者差別を克服することは、単に「差別はいけない」という倫理規範を広めることではない。

******

なお、Yahoo!ニュースはひとつの記事の保存期間が短い傾向がありますので、全文のコピーをwordファイルとして以下にアップしておきます。

ダウンロード - e58685e983a8e8b387e69699e3818ce6988ee3818be38199e6a48de69dbee88196e6adbbe58891e59b9ae381a8e6b4a5e4b985e4ba95e38284e381bee38286e3828ae59c92e381aee694afe68fb4e381aee5ae9fe6858b.docx

 

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トロントだより

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