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2021年7月22日 (木)

平行世界ものの良作 -「あした世界が終わるとしても」-

さて、一日1作の映像作品レビューは今日も消化されるのであった。

「氷菓」TVシリーズ全話、13時間かけての視聴で懲りたので、今度は劇場版作品1本にしようと思っていた。

dアニメストアの中で適当に漁っていて、タイトルと、日常描写がしっかりしていそうな繊細な一枚絵だけで観るのを決めた。

まあ、アタリでしたね。

******

ストーリーは、主人公、高校生の狭間真が、幼馴染、泉琴莉その関係を半歩踏み出し、デートをすることになる物語からはじまる。

真は、子供の頃、母親を突然死でなくしており、父親はその母親の死の原因を究明する研究者として、琴莉の父の会社の研究室に籠もっている。

まず気づくのは、このアニメ映画、完全なCG制作であるということだ。セルアニメ時代の名残りとしてのあからさまな輪郭線はない。動きも実に滑らかというか、小刻みに動くのだが、全く均質。

ゲーム動画のような世界である。

冷たく、生身の登場人物が皆アンドロイドのようにも最初感じてしまうが、慣れてくると硬質の叙情と感じるようになるから不思議である。

この現代日本の丁寧な日常描写と並行して、異世界における女帝がある男を死刑にするシーンが描かれる。

すると、真の父親、突然死との連絡が、デート中の琴莉の携帯に入る。

・・・この段階で、この物語、パラレルワールド(平行世界)ものとわかるので、過剰な説明は不要なのだが、この物語は実に親切である。押井守なら、全然説明的セリフ(ましてや図解)は省くだろう。

それでも整理してしまうと、第二次世界大戦後、日本は2つの平行世界に分裂してしまう。一つは現在の日本社会、もうひとつの世界では「日本公国」という、独裁専制国家である。「日本公国」では民衆は完全に隷属させられ、貶められているか、文明はずっと高度である。

2つの並行世界においては、必ず1対1で対応する人物がいて、一方が死ねば他方も死ぬ。こうして突然死は起こる。

具体的には、狭間真に対応するのは、「日本公国」のレジスタンス、ハザマ・ジンであり、泉琴莉に対応するのが、女帝イズミ・コトコである。

ハザマ・ジンは、女帝コトコを亡き者にするために、現在日本の世界に侵入し、琴莉を殺そうとする。

一方、コトコは、現代日本世界の方に、フィクサーと呼ばれるアンドロイド、リコとミコを侵入させている。

結局、真とジンはかなりあっさりと和解し、琴莉の主導のもとにみんなオトモダチ状態になってしまい、これでジンが「日本公国」世界に戻って女帝コトコと和解すればめでたしめでたしのところだが・・・

ネタバレここまで。

*****

完全デジタルアニメの映像と対応するかのように、ストーリーも、さながらゲームシナリオのように精巧に組み立てられ、一切の破綻も、伏線の未回収もない。これはなかなかできないことだと思う。

自衛隊が全滅するシーンを描かないとか、ラストは・・・きちんと伏線は張っていて、期待通りの結末とはいえ、綺麗すぎるとか、いいたくはなるが、全部作劇上の計算づくなので、これでいいと思う。

それこそ、この素材をもとに、ゲームを作り、いろんなエンディングを作ればいいところであろう。

しかし、後で調べたら、別にゲーム企画とのタイアップとかではないようだ。

更に言えば、本作は、Huluオリジナルアニメ『ソウタイセカイ』をベースにしていて、登場人物も6人重なるそうだが、別にそちらの方を観ていなくても、独立した作品として十分に成立している。

いずれにしても、良作だと思うが、Amazonの評価は意外と伸びていないようである。

こういう作品が的確に評価されるようでないと、正統的な物語構成のベースラインをいうものが見失われる気がするのだが。

確かに、映画館に行ったり、ブルーレイを買うほどの作品ではない。しかし、ネット配信で1時間半気軽に楽しむつもりなら、男女問わず、幅広い層に見返りあると思いますが。

 

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トロントだより

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