楽器やオーディオ装置は「薫習」される。
本日、
●JVC/ケンウッド コンパクトコンポーネントシステム ブラック EX-S5-B
のエントリー、ついに当ブログ、アクセスランキング一位に躍り出ました。
随分取り乱した(^^;)エントリーですのに、これだけお読みいただいていることに感謝申し上げます。
(他にもベスト10にいくつもオーディオ関連のエントリーが入っていて、まるで当ブログ、オーディオサイトですね。・・・まあ、現在の狙いどおりでもあるのですが)
上記のエントリー、改訂に改訂を続けてきたのですが、とりあえずの結論は以下の通り:
この製品、価格.comプロダクトアワード2015で金賞を受賞して
もう一つ受賞していてlife style vgp 2016です(URLはうまく探せませんでしたが)。
こっちの方が、完全にプロの選考なので、信頼性は高いと思います。
この製品がむやみに音がよく聴こえる原因について私のエントリーの最新版改訂でさらに分析・解説したのですが、私の後の私の聴き込みで、この製品がアコースティックなものに有利という一般の評判がまるでくつがえされ、元の録音に全く無関係で、実は「万能」ではないかという結論に達しました。
それは木製のスピーカーコーン(最終的な振動盤)における、自然材だけど複雑な材質のものが、「擬似的」にデジタル→アナログ変換以上の性能があるかのように音を「創成して」しまうということ。
紙のコーンのように均質ではないからこそ音がいいように感じさせるということ、つまりスピーカーが「バイオリン」そのものだということですね。
だからハイレゾですらなくても音が生々しくなってしまう。
バイオリンは倍音成分あまりに多く、遥か上まで延びているいから、CD規格ではまるでナマとは程遠い再生しかできない。ある意味ではアナログという、倍音成分を付加してくれる再生の方が有利ですらある。
実はバイオリンぐらい、生の演奏(特にオーケストラ)とオーディオとが全くかけ離れてしまう楽器はないように、ライブとの経験比較でも感じています。
ライブで頭に「ヴーん」とくる感じがオーディオではほぼ再現不能であるという印象です。
バイオリン一丁ならまだしも、それらが数十丁同時に鳴る。奏者も奏法も違えば、楽器の材質も一丁一丁異なるものが渾然と鳴ってくるんだから、もうどうしようもなく再現不能ですね。
これが、ウイーン・フィルのように、奏者の奏法も同じ教育機関で伝統的に代々受け継がれ、楽器そのものも同一工房でのものが親子代々受け継がれていると、音がライブでも非常に美しく聴こえ、オーディオ再生でも有利になる原因のひとつにもなります。
*******
話題がバイオリン再生の方に向かいましたので、そちらにこのエントリーのテーマを深めていきましょう。
なぜバイオリンの名器と安物のバイオリンの音に聴き比べでなかなか当てられないかという問題は実に複雑でして、
これは特にいったんデジタル処理としたらもう区別はつかないでしょうね。
生楽器のライブ比較だったらまだしも慣れればわかるとおもいますが。
・・・ひとつには古い名器の方が音がいいはずという思い込み。
そして、バイオリンの形状(F字の穴とか)やニスの塗り方の違いの問題もあります。
次は、骨董品と同じで、奥の人の手に実際に触れ、年が経てば経つほど材質が純化せれるということが素人の耳ではわかりにくいということ。
この「年月を経ての材質の純化」ということと、「新しく作られた」ということの聴き分けが難しい。
唯識仏教の用語だと、「薫習」と呼びます。多くの人に「鳴らし込まれる」と味が出るということですね。
ですから、これは「のだめ」でも描かれましたが、古い楽器を誰も演奏せずに保管しているととんでもないことになります。絶えす名奏者の手で演奏され続けなば駄目です。
これはオーディオにも言えることですが・・・いろんな録音のレコードやCDを聴き続けなければ装置はただ劣化するだけです。
そして、これは美術の方がわかりやすい現象でして、名画を「洗いだして」過去の状態に引き戻したら、明晰だけど味も素っ気もなくなると言うじゃないですか。それと同じです。
ただ、昔の名器をコンピューター画層解析して、名器と同じものを復活させようという試みがよくなされていて、これは一定の成果をあげていますが、これなんてどうだろう? 安物の楽器と聴き比べれば音質差ありありかもしれないと思います。
この聴き比べでは、1719年のが、倍音成分が多くて、好きかもしれません。
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