「老老介護」は積極的なネットワークステムとなり得る(第2版)
今日「老老介護」は、問題ある社会現象としてのみとらえられている。
殊に団塊世代が一気に高齢者の仲間入りをしそうである現在において、この世代の親たちが高齢化の中まだ生きているという状況において。
しかしそれは、例えば、80代の老いた親を、60代の子世代が「家庭内」で支えるという、「閉じた」介護に依存しているからではないか。
65歳になったら、多くの健常な人が介護福祉士になる可能性を積極的に開くべきです・・・というか、それば半分ぐらいすでに現実にそうなっているそうですが。
むしろ家族を超えた「開かれた」システムとして、同世代の、まだ元気な(例えば70代の)老人が様々な障害や衰えた老人(同じく70代の)を介護するという社会ネットワークシステムが機能する必要になる気がする。
これなら「介護施設」拡充など必要なくなる。介護保険制度の破綻もなくなる。
もちろんこれを可能にするには、資格の有無に関わらす、家族ではない、赤の他人であっても、支える側の老人ヘの積極的支援策と、「そういう老人どうしを出会わせ、仲介する」公的制度みたいなものが必要です。そこにはボランティア的なものも含まれます。行政はそれに参加する元気な老人に最低限の礼金をだす。それはひとつの「契約的関係」ですから。
こういう「老老介護」の積極的肯定策があってこそ、団塊世代は働き続けることができる。もう60そこらで引退する時代でもなかろう。退職金や年金などの十分な保証がある人は、そうした労力を、単に趣味など消費活動に向けるのではなく、私の今言った意味での、「同世代間のpositiveな老老介護ネットワーク」に参加するだけの金銭的・経済的・肉体的余力がある人はやってみてもいいのではないか。
更に若い世代は親世代の介護への不安を持たずに家庭を築ける気がするのだ。
回り回って、いわゆる「少子化」問題も解決していくだろう。
このことは別のエントリーで補足的に書いていたので、ここで独立したエントリーにしてみました。
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コメント
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自己レスです。第2版では更に手を加え、私の提起するシステムがいかに少子化問題の解決にも結びつくかを解説しました。
投稿: chitise | 2021年5月22日 (土) 17時43分