クリムトとムンク
現在東京都美術館で、「クリムト展 ウィーンと日本 1900 Gustav Klimt: Vienna – Japan 1900」展が開かれているそうですね。
( ↑ 展覧会公式画像。「ユディト」)
私も東京時代にクリムト展は観にいきましたよ。
あの「金色」との対比の中で浮かびあがる人物像は、完全に自然光の反射を計算づくで取り入れたもので、実物をみないとその核心に迫れません。複製では駄目。
会場の照明がどうなっているかが成否を分けそう。ライトで照らしたりしたら最悪。
私が観た時の展示は、どこの美術館かは忘れましたが、自然光の入るオープン・スペース中心でした。
クリムトは父親がボヘミア人なので、少し東欧系の香りが融合されています。美しくて、そんなに退廃的とは感じませんでした。
確か同じようにボヘミア出身の同時代の作曲家・指揮者マーラーとも相性が良かったようで。友人関係でした。
クリムトはベートーヴェン・フリーズで有名ですか、
(部分)
CDでマーラーの交響曲全集の各表紙をクリムトでまとめたのはクーベリックだったかな(クーベリックは生粋のチェコ人)。
*****
一転して、ノルウェーの画家、ムンクのことを書きましょう。
私は2回ムンク展に行ったことがあります。
「叫び」があまりにも有名で、独り歩きをしていますが、ここで「叫んで」いるのは真ん中の人物ではない。
実際にムンク展(一回目)に行った時に、カンバスの裏に回って目に入ってきたのですが、ドイツ語で、確か、
"Ich hörte die Welt weinen."
とありました。
「世界が叫んでいるのを私は聴いている」
なんですよね。
耳を抑えているとも、聴いているとも受け取れる構図にはそういう意図があります。
実は「叫び」の絵はムンクは大小取り合わせて数枚、同じ構図で描いています。
一回目の展覧会は、オスロ美術館からムンクの全作品を借り受けたもので、全部揃っていました。
晩年の作品は、ほとんど殴り書きの未完成なものが多く、ムンクの精神荒廃(統合失調症?)がうかがえます。
・・・それはそれとして、私が好きなムンクの絵に、「思春期」と題するものがあります。
これは少女の初潮をあらわしたものと言われています。ベッドのシーツに赤いしみのようなものがありますよね。
後ろの黒い影が、まるで魂が抜けだしているかのようで、気になりますが、ムンクは多くの絵にこういう「影」をつけます。
この絵は一回目のムンク展のチケットに印刷されていまして、私はパスケースに入れていつも大事に、お守りのように持ち歩いていました。
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