村瀬嘉代子先生語録(再掲)
「人様のことに安易に共感できるなどと思うのは不遜なことだと思います。だから私は共感という言葉を通常用いないのですが。臨床の要諦は、わからないことをしっかりかかえられること。最初、わかること(わかりあえること?)は「点」だと思う。そこから、知識や経験を総動員して、想像力を働かせるというのは能動的な営みなのです。「接点」がある時には、ある「臨場感」があるものだと思います。そうやって「点」から「線」に、「面」、「立体」となった行くのだと思います。でも、生きる重さをクライエントさんが自分なりにしっかりと引き受けられるには、そうやって行っても意味付けることができない、+αの、余韻を残すような共有が必要なのではないかと思います」
「原理にあてはめて混沌を見るのではなく、混沌の中にある本質は何なのかという探求の中から、原理を見つけるつもりで」
「すぐれた抽象には具象の裏付けがあります。質のいい抽象性というものがあるはず」
「こういう(講演の)場でも、いつもある種の新鮮さが保てることが大事で、それができなくなったら今度こそほんとうに引退してしまうつもりです」
「活きたGenaral Art(一般教養)を活用できること。産業心理学のカウンセラーで、『日経』や『会社四季報』を読んだことがないのはいかがなものか。ソニーとアイワの合併について、ソニーとアイワの社風の違いを知らないで、単に『大企業への吸収合併』という視点を持つだけで、アイワの社員の合併後の不適応を理解してあげられるだろうか?」
「自分の身体をくぐった言葉を使えること。でもそれは単に感性のままに言葉にすることではないはず。他の領域の人とコラボレートしても通じる平易で簡潔な言葉に正確な意味をもたらすこと」
「『山に行くことが好き』というと、高いところから見晴らすことが好きだと思い込みやすいけれども、その人は、森の木立の中に隠れてひっそりいることが好きなのかもしれない」
「クライエントの役に立つことを、とにかく考えなさい」
神奈川県臨床心理士会研修会の、村瀬嘉代子先生のライブトークより。
深々と染み入るお言葉の数々なのですが、特に、気になったのが一つ目のお言葉でした。
「そうやって行っても意味付けることができない、+αの、余韻を残すような共有」というものは確かにあるだろうな、と思います。
・・・と思うのは、
「そうやって行っても意味付けることができない共有」と思しき場面・感じはいくつか思い出せる
ということと、
「余韻を残すような共有」と思しき感じと共に思い出せる場面(体験)というのがいくつかある
からなのですが、
どうやったらそのような共有を持つことができるのか?
どういう条件がそろうと、そういう共有となるのか?
と考えると、今の私にはまるで検討がつきません。
とても難しいですね。
何かヒントになるものがそこにあるかどうかはわからないのですが、自分が進んでいくきっかけとなった共有を思い出し、それがどんな時だったか?と思い出してみようかな、と思いました。
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