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2013年1月 5日 (土)

"Focuser as Teacher"論 続編(1)(再掲)

 フォーカシングのトレーニングのひとつ、"Focuser as teacher"については、すでに、《単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練》という記事でとりあえずの説明しました。

 私のフォーカシング個別指導においても、訓練生に、ある程度、私をガイド、訓練生をフォーカサーとする体験になじんでもらった時点で、 「今日は私がフォーカサーをやってみるので、あなたの方が私のリスナーをしてみない?」 という提案を試みます。

 (フォーカシング全く未体験だった訓練生には、この提案をするのは、だいたい最低3回はフォーカサー体験を続けてもらってからが多いでしょうか)

 こうした場合、私は、リスナー役初体験の人に、ガイド役、つまり、教示の提案までは最初は全く求めません。純然たるリスナー、つまり、フォーカサーとしての私の言葉を的確に投げ返してもらうことだけを求めます。

 そして、"focuser as teacher"としての私は、その投げ返しが的確だったら積極的に感謝を伝え、修正してほしければ、修正案を伝えて、それを実際に投げ返してもらってから、自分のフォーカシングのプロセスを先に進めるわけですね。

 「はっきりと大事に返して欲しい、要(かなめ)となる言葉はどの言葉か」

とか、

 「言い換えられても気にならない部分」  「、ただ『うん、うん』と返してもらうだけで十分な部分」

 「ただ沈黙して聴いてもらっていればいい部分」

・・・・・などについての判断のセンスも磨いてもらっていくことになります。

 この際、リスナー役の問題点を指摘するだけではなくて、好ましい応答を自発的にしてくれたと感じたら、すぐに積極的に感謝を表すことを忘れないことです!!(そうでないと、リスナー役の訓練生は萎縮して受け身になるばかりとなりますから)

 "as teacher"をしていくフォーカサーには、いわば自分のプロセスを"pause"して保持する、最低限のセルフフォーカシング能力......少なくとも自分のフェルトセンスを自分の中で感じ続け、見失わないようにする能力は必要かと思います。

 そして、私の考えでは、これは単にリスナー役としての傾聴の訓練ではありません。

 

フォーカサーとしてのフォーカシングのプロセスが「いかに(how)」展開するのかについて、「内容(what)」ではない次元で追体験してもらうことになります。

 これは、その人がフォーカサーとして自分のフォーカシングを進める際のモデルになるのみならず、フォーカサー、あるいはフォーカシング的な状態に自然に入ったクライエントさんや知り合いのはなしをどう受け止めていくと、相手のプロセスを妨げないのかのついての、その人の、共に-いる「プレゼンス」のセンスそのものを高めてもらう機会と思います。つまり、言葉として何を返すか、返さないかといった技術論を超えた、非言語領域での「たたずまい方」自体において、その人なりのスタイルを身につけてもらうきっかけとなる場だと私は考えています。

 いずれにしても、"as teacher"をする時のフォーカサーのプロセスは、「ロールプレイ」などではなく、本当に真剣勝負の、自分のためのフォーカシングでないと意味がないと私は思っています。そうでなければ、リスナー役の訓練生にも、真の学びは生じないと考えます。

 もとより、訓練生が経験を積めば、今度は、訓練生が"Focuser as teacher"となり、トレイナーである私のガイディングやリスニングに介入し、フォーカサーとしての自分の求める教示や聴き方について、ライヴで私に刻々と注文をつけることにもなじんでもらうことになります。そこまでできて、ほんとうの自律的なフォーカサーであり、同時に、フォーカサーの自律性を大事にするトレイナーとしての態度を学ぶことになるでしょう。

 海千山千のガイド・リスナーである私ですら、実は、その時のフォーカサーのペースを微妙に乱す教示やレスポンスは山のようにしているはずです。フォーカサーが自律的であり、自分の中のフェルトセンスに敏感になる限り、どんな優秀なガイドですら、最後にはフォーカサーのプロセスの邪魔者になる瞬間を避けられません。それがないというのはウソなのですね。

 だから、ある意味では、  私はどんな人がガイドをしてくれても不充足感があります。  でも、どんな人がガイドをしてくれても、自分だけではできない助けになるのです。 (.......やっと、このことをあっさりと口にしていい心境になってきました。  自分の訓練生が、何人か、その人なりに成長してくると、この実感が味わえるのですね)。

 この続きは、こちらです。

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トロントだより

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     フォーカシングの関係者の紹介で、会場予定地の淡路島Westinという外資系の超豪華ホテルに格安で泊まる機会が与えられました。しかし根が鉄ちゃんの私は、徳島側から北淡に向かうという、事情をご存知の方なら自家用車なしには絶対やらない過酷なルートをわざわざ選択したのであります。
     大地震でできた野島断層(天然記念物になっています)の震災記念公園(係りの人に敢えてお尋ねしたら、ここは写真撮影自由です)にも謹んで訪問させていただきました。
     震災記念公園からタクシーでわずか10分のところにある「淡路夢舞台」に、県立国際会議場と一体になった施設として、とても日本とは思えない、超ゴージャスな淡路島Westinはあります。

水戸漫遊記

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     友人と会うために水戸市を訪問しましたが、例によって鉄ちゃんの私は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」に乗れることそのものを楽しみにしてしまいました(^^;)。
     仕事中の友人と落ち合うまでに時間があったので、水戸市民の憩いの場所、周囲3キロの千破湖(せんばこ)を半周し、黄門様の銅像を仰ぎ見て見て偕楽園、常盤神社に向かい、最後の徳川将軍となる慶喜に至る水戸徳川家の歴史、そして水戸天狗党の反乱に至る歴史を展示した博物館も拝見しました。
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     実は御印籠も買ってしまいました。

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     日本フォーカシング協会の年に一度の「集い」のために小樽に向かい、戻ってくる過程で、他の参加者が想像だに及ばないルートで旅した時の写真のみです。かなり私の鉄ちゃん根性むき出しです。  表紙写真は、私が気に入った、弘前での夕暮れの岩木山にしました。