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2013年1月13日 (日)

「あたかも双極性2型障害」の多くは、安易に抗うつ剤が処方されたことをきっかけとして生じた軽躁への反転に起因するのは事実。ただし・・・・(再掲)

kyupin先生の「kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)」における、

●じっと見つめると双極2型

というエントリー。

その詳細はリンク先をお読みいただくとして、私がこのエントリーに対して書いたコメントをそのままコピペしておきます:

「あたかも双極II型障害であるかに見えるもの」の多くが、実は抗うつ剤の安易な処方によって軽躁状態が誘発されることによってはじまった「物質誘発性気分障害」に他ならない、つまり「医原性」である(!)という観点は非常に重視すべきなのだろうと思います。

 kyupin先生の、双極2型に発達障害的な因子が関与している可能性を強調する論調も興味深く拝見しています。I型にしてもII型にしても、まるで気分安定剤さえ処方していればいいと受けとられかねない単純化した論調も、個々の臨床ケースに即していうと全く大雑把な話で、特にうつ状態にどう対応するかとなると、いわゆる抗てんかん薬系の気分安定剤(デパケン等)だけでは確かに不十分なことが多く、場合によっては、少なくともご本人にとっては、SSRIで躁転してバリバリ意欲的に活動できていた時(それでも年単位で見ると、次第に鬱的な方向が強まり、体調面全般が不安定化することが多いかと思いますが)の方が、まだしもよかったと感じる人すら稀ではないでしょう。

 気分スタビライザーによって「一気に馬力を上げてエンジンをかける」ことがやりにくくなったことを、不快で苦しい、上から抑圧されるような、人生の醍醐味を失ったと体験する人も稀ではないように思います。

この、「客観的に観れば軽躁」「患者さんの主観からすれば本来の自分」でいられなくなることか生じる、2次的な「落ち込み」現象というのも、十分に留意しないと、余計に混乱した事態が生じることが少なくないようですね。

 本人がそれを受容できて、もはや変速ギアをトップには入れられない人生を、少なくとも当面受容するスタンスに切り替えられればいいのですが。

 薬物療法の名医の先生方が、こうした点でいかに個々の患者さんごとに繊細な配慮をして、いくつもの多様な薬の絶妙のカクテルを作り、折り合い点を見つけようとしているのかというあたりになると、とてもとても一般の人が目にする著作では明快に解説し切れない領域のように思え、敬意を表しています。

 ただその一方、自分の飲んでいる薬の自分にとっての効能を自分の身体感覚を通してモニタリングし、薬と自分との間の折り合い点を見つけることの援助という、単なる薬それ自体の物質的効能を超えた、治療者と患者さんの「薬を媒介としたコミュニケーション」の領域・・・・・いわば「医者という名の薬」の領域、これは、現在の5分間診療の現実ではだんだん形骸化しつつある気もしてなりません。

セブンアンドワイ

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トロントだより

  • 050601_0957
     The Focusing Instituteの第17回国際大会(2005/5/25-31)の開かれた、カナダ、トロントの北の郊外(といっても100キロはなれてます)、Simcoe湖畔のBarrieという街に隣接するKempenfelt Conference Centreと、帰りに立ち寄ったトロント市内の様子を撮影したものです。

神有月の出雲路2006

  • 20061122150014_1
     11月の勤労感謝の日の連休に、日本フォーカシング協会の「フォーカサーの集い」のために島根県の松江に旅した時の旅行記です。https://focusing.jp/  
    ご存じの方は多いでしょうが、出雲の国には日本全国の神様が11月に全員集合することになってまして、「神無月」と呼ばれるわけですが、島根でだけは、「神有月」ということになります。(後日記:「神無月」は10月でしたよね(^^;A ........旧暦なら11/23前後は10月でせう....ということでお許しを.....)  
    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

淡路島縦断の旅

  • 050708_2036
     「フォーカシング国際会議」が、2009年5月12日(火)から5月16日(土)にかけて、5日間、日本で開催されます。
     このフォトアルバムは、その開催候補地の淡路島を、公式に「お忍び視察」した時の旅行記(だったの)です(^^)。
     フォーカシングの関係者の紹介で、会場予定地の淡路島Westinという外資系の超豪華ホテルに格安で泊まる機会が与えられました。しかし根が鉄ちゃんの私は、徳島側から北淡に向かうという、事情をご存知の方なら自家用車なしには絶対やらない過酷なルートをわざわざ選択したのであります。
     大地震でできた野島断層(天然記念物になっています)の震災記念公園(係りの人に敢えてお尋ねしたら、ここは写真撮影自由です)にも謹んで訪問させていただきました。
     震災記念公園からタクシーでわずか10分のところにある「淡路夢舞台」に、県立国際会議場と一体になった施設として、とても日本とは思えない、超ゴージャスな淡路島Westinはあります。

水戸漫遊記

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     友人と会うために水戸市を訪問しましたが、例によって鉄ちゃんの私は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」に乗れることそのものを楽しみにしてしまいました(^^;)。
     仕事中の友人と落ち合うまでに時間があったので、水戸市民の憩いの場所、周囲3キロの千破湖(せんばこ)を半周し、黄門様の銅像を仰ぎ見て見て偕楽園、常盤神社に向かい、最後の徳川将軍となる慶喜に至る水戸徳川家の歴史、そして水戸天狗党の反乱に至る歴史を展示した博物館も拝見しました。
     最後は、水戸駅前の「助さん、格さん付」の黄門様です。
     実は御印籠も買ってしまいました。

北海道への旅2005

  • 051012_1214
     日本フォーカシング協会の年に一度の「集い」のために小樽に向かい、戻ってくる過程で、他の参加者が想像だに及ばないルートで旅した時の写真のみです。かなり私の鉄ちゃん根性むき出しです。  表紙写真は、私が気に入った、弘前での夕暮れの岩木山にしました。