「巌」となりて (再掲)
私の、ある一人フォーカシング体験の中で、お腹で改めて出てきた最後の言葉だけをここで書きます。
「巌(いわお)」。
いうまでもなく、「君が代」の「巌となりて」の「いわお」です。
あの歌の意味、皆さんも一度くらいは誰かから説明してもらったと思いますが、
「小さな小石(細(さざ)れ石)が大きくなって、苔のむす大きな岩になるまで」
という、「自然界の法則の正反対」を歌っているわけですが(^^;)
もとより、川を流れ下った細かくなった堆積物が地層になって、褶曲して地面に出て、さらに侵食されて大きな岩の形になるまで、と言う意味に解すれば、
「人類史なんかはるかに超えたすごい悠久の時」
を歌った歌として「再認識」出来ますが(^ ^)
もともとは、どうも筑紫の国(つまり我が故郷であり、ayuの故郷でもある、福岡!!)の伝説に基づき歌い継がれた古謡にさかのぼり(実は雅楽の「越天楽」も同じメロディに起源を持ち、更には、まさに福岡の「黒田節」も同源というのはかなり知られたことかと思います)、古今和歌集で撰者の紀貫之が、「賀歌」の項の筆頭歌として、「君が代は」ではなくて、「わがきみは」で始まる歌として採録したあたりから、「公的な」色彩を帯びるわけですが。
(追記:恐らく、中国の隣の「小国」日本が、世界に名だたる「大帝国」になるまで……という意味で「公的には」受け取るべきなのでしょう。でも、ひょっとすると、「わがきみは」で始まってた当初の由来は、ひとりの娘さんから男性への「あなたにずっといて欲しい。あなたに栄達して欲しい」という「恋歌」だったのかもしれない。このへんはまだ資料にあたってません)
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いずれにしても、私の中では、「いわお」という言葉は、山奥の大渓谷の数十メートルはある大きな岩魂(がんこん)、苔どころか、上に何本も松の木が生い茂るくらいの岩のイメージとなり、それが私のおなかのあたりに「どっしりと」ある、という実感で見事に身体と響きあい(resonateして)、味わえていました。
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私としては、その地域の教育委員会と教職員組合が、つまらないところでの論争に明け暮れるくらいなら、そして、その程度のことで教師の処分とかがなされるくらいなら、目の前にいるひとりひとりの子供たちのことについてもっと「具体的に」考えることに共にエネルギーを注ぐのが当たり前の時代が早く来ることを祈るのみです。
もとより、近隣の国でも、お札の「国家最高指導者」の肖像の部分に折り目を入れただけで罰されたり、映画館で映画が始まる前に国王の姿と国歌が流れる中で全員起立しているかどうかを憲兵が見張る国もある。
都知事になる以前の青島幸雄が訳した、ジェームス・クラベルの「23分間の奇跡」という本にも描かれているごとく、「国旗への忠誠」問題は他ならぬアメリカの公教育上の問題としてブッシュ政権よりはるか以前から問題視されていたことは知っています(それを引き合いに出して、「アメリカだってそうなんだから日本でも」という論理しかいえない奴は、「自分」というものがないただの○○(^^;))なんですが)。
私自身は、君が代は、東洋の国歌のなかでも民族的な旋律の響きをもっとも大事にして作られた「名曲」のひとつであり、親しみを覚えます。
早く「起立したかしないか」を「卒業」しないと、むしろこの歌がかわいそうです(^^;)
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そして、もうひとつ、この時の私の連想と結びついた、歌をご紹介して、終わりとします。
> 山をくだる流れにのせて
> まだ見ぬ景色あこがれ焦がれ
> 転がりだす石は16
……と始まる歌なんですが。
……この歌を「君が代」との対応で考えたことある人、います?
> お前 お前 海まで百里
> 座り込むにはまた早い
> 砂は海に 海は大空に
> そしていつかあの山へ
「小石のように」
詞・曲・歌:中島みゆき
アルバム「親愛なるものへ」に収録。
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