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2012年12月22日 (土)

ユーミンのデニーズ伝説 III (再掲)

これは、鳥インフルエンザ、というものが話題となった最初の年のことと記憶します。

「だめよ!! きちんとつけてないと風邪悪くなっちゃいますよ!!」

  内科病院の待合室。

「いや、いや!!」

と泣きわめく小さな男の子。

 男の子が身体をバタバタさせるのを必死に抱え込み、
口にマスクをつけさせようとする若い母親。

 まるで、その男の子の様子を周りの待合室の患者に必死に「隠す」かのように。

 「風邪の方は念のためマスクの装着をお願いします」

と、病院側が、待合室の風邪の患者さんひとりひとりに紙製のマスクを配布するということをしていたのです。

 この様子を知ってか知らぬか、周囲の人は気にもとめていないようなふるまい。病院スタッフも。

******

 私は決心しました。

 その男の子の方に回り込み、腰をかがめて、目と目をあわせて、言いました。

「それ(マスク)つけてると、むずむずして、キモチワルイんだよね」

その子は途端に泣きやみ、じっと私の目をみました。

わたしは、

   「♪じゃーねー♪」

みたいにちょっとその子に手を振って、自分のもといた席にさっさともどります。

 「どうもすみません」

私に振り向いて母親。

 しかし、その後、その子はずーーーーっと泣くのをやめたきりで、おとなしくしていたのです。

*****

 私は病院からの帰り道で、いろんな連想をしました。

あんな子供ですら、ほんの一言、その子の「身になって」、共感的な言葉かけをするだけで、あそこまで一変することがある

むしろ、そういう子供の変化に、私の方が「学ばせていただいた」とすら感じました。

*****

 それにしても、なぜ、それまであの子は泣きやまなかったのか???

  お母様は、泣き出し、じたばたする我が子の姿に狼狽していたばかりではなく、

そうやって我が息子が大声を上げて泣いていることが、「周囲の方のご迷惑になる」ことに気持ちをとらわれていた。

 そして、そうやって子供を黙らせることができない母親であることを、周囲の目にどう見られるかという焦りにばかりとらわれていて、子供の気持ちそのものに、子供の身になって共感して一言かければそれだけで子供は落ち着くという、「コロンブスの卵」のあやし方を、狼狽の中で、たまたま思いつけなかったのでしょう。

 お母さんも、男の子自身も、この待合室の場の中で「孤立無援」(helplessness)だったんだなと、ふと思ったんです。

 どうして、むしろ普段はそんなことをするのが苦手な筈の私が、この時に限って、この母子に助け舟を出さずにいられなくなったのか?

********

>  私ほんとうは目撃してしまったんです きのう電車の駅、階段で
>  転がり落ちた子供と 突き飛ばした女の薄笑い
>  私驚いてしまって 助けもせず 叫びもしなかった
>  ただ怖くて逃げました 私の敵は私です

>  ファイト! 戦う君の唄を 戦わない奴らが笑うだろう
>  ファイト! 冷たい水の中を 震えながら上って行け

 

何より、私は、
私自身を、 そして、
「私の中の」その母と子の、
「味方」をし、救いたかったんでしょう
    

「ファイト!」中島みゆき アルバム「予感」収録

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トロントだより

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