浜崎あゆみの"Duty"とMadonnaの"American Life"(再掲)
2001年、9.11の後、アメリカがブッシュ政権下の戦意高揚とナショナリズム一色に染まり行く中、madonnaは、非難ごうごうの嵐のをものともせず、この衝撃的なPVとアルバムを発表した。
アルバムはmadonnaのアルバム史上最低のセールスを記録した。しかし、そうなるであろうことなどお構いなしの確信犯としての圧倒的気迫は、このPVと、あまりにも皮肉っぽい歌詞にはあふれ出している。
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浜崎あゆみに絶大な影響を与えているのがmadonnaであることは、気づいている人は少なくないだろう。特にライブとプロモーションビデオの演出においてそれは顕著であり、上のmadonnaのPVを観るだけで、ayuファンは圧倒的な「既視感」に襲われるはずだ。
そして、ayuもまた、2000-1のカウントダウンライブ・・・・アルバム"duty"の曲中心だが・・・・において、徹底的に「戦争」をモチーフにする舞台演出をしていたのである。しかも9.11が起こる年を迎えるカウントダウンで、まるで未来を予言するかのように!!
ayuの初期のカウントダウン・ライブは、まだ声量がなかった上に、レコード大賞→紅白→カウントダウンというとんでもないハードスケジュールの中で実施されていたため、好不調の落差が凄まじいのだが、この時のカウントライブに関しては、ayuの初期のコンサート映像記録としては、何かしら異様なまでの窮迫感が、声の荒れた質を凌駕した、隠れた傑作である。
この時のコンサートの冒頭曲は、まるでモーツァルトのレクイエムを思わせる、不気味な前奏と、鎖で足を繋がれた囚人が足を引き摺るようにして歌う重苦しさで有名な、この、アルバムタイトル同名曲である。背後には十字架の群れ(エヴァの旧劇場版も思い出されてしまうが)。
この曲の背景には、当時avexの行く末をすべて一身に背負わされたayuの苦悩の深さがあると解釈するのが、今日では定説化しているし、ayu自身が2004年のTVドキュメンタリーでそれを間接的に示唆する証言をしている。
ちなみに、歌詞の、
「ひとつの時代が終わるのをこの目で見たよ/だけど次は自分の番なんてこと/知りたくなかったんだ」
・・・・とは、小室哲哉の時代が去り、自分の時代が来てしまったことを指すという解釈が妥当であろう。
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