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2021年7月26日 (月)

「空の青さを知る人よ」 -31歳の人にこそ観てほしい傑作アニメ-

私は、「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。(2011年)」という傑作TVアニメシリーズがあるらしいことは知っていた。

そのスタッフ、監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、作画監督:田中将賀による、2019年の長編劇場用アニメである。

ちょうど、新海誠監督の「天気の子」と同じ年だが、この「空の青さを知る人よ」は、優るとも劣らない、たいへんな傑作だと思う。

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ストーリーは、現実的なようでいて、不思議な話でもある。

舞台は秩父市。

高校2年生の相生あおいは、13年前に両親を事故で亡くして、31歳になる姉のあかねと共に暮らしている。

13年前、あかねはあおいと同じ高校のバンドのマネージャーのようなことをしていた。あおいは当然幼かった。

ベースをしていた「しんの」こと金室慎之介にあおいは憧れ、自分もベースを弾きたいと言い出した。

「しんの」は高校卒業と共に、音楽で身を立てるために上京しようとするが、その際にあかねも一緒に東京に行くように求めるが拒まれていた。

13年後、あおいはベースを弾き、上京することを夢見ていた。

そのための練習場として借りた、寺のお堂のような建物の中で、あおいはひとりの青年と遭遇する。

それは、13年前の、高校生の姿のままの「しんの」とうり二つだった。

お堂の中の「しんの」は、どういうわけか外に出ることができない。

まるでかつての「しんの」が、時間が止まったまま、生霊となっているかのようだった

・・・といっても、飯も食うし、身体も触れる存在。

姉のあかねは、市役所の職員をしており、町興しのイベントの担当となった。

それは演歌歌手、新渡戸団吉を招聘するというものだったが、そのバックバンドで、31歳になった「しんの」=金室慎之介はギターを弾いていた。

バックバンドのベースが食べ物にあたって活動不能になり、代わりにあおいが代役を務めることとなる。

果たして31歳になった慎之介と、同じく31歳になったあかねは、どういう関係を求めていくのか?

その一方で、生霊の「しんの」とあおいは、練習に打ち込む。

・・・・まあ、このあたりまでで、ネタバレは止めよう。

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まずは、あかねとあおい姉妹のキャラクターが非常に魅力的。

作画は極めて丁寧で、秩父の風景も繊細で美しい。

そして、音楽の演奏も、実に本格的である。

脚本は、どうしてこんなストーリーと展開が思いつくのかというくらいに独創的であり、しかも緻密な構成力を持っている。

クライマックスで、突如アニメにしか不可能な展開になるのも、ともかく凄い。

本編の物語の終わらせ方が、また潔いのです。

主題歌はあいみょん担当。

演歌歌手の声は、松平健が演じている。

恐らく、観客対象は、あおいと同じハイティーンから、あかねと同じ30代までを見込んでいると思われるが、幅広い層に楽しめる内容だと思う。

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調べてみたら、「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」にはじまり、「心が叫びたがってるんだ。」(アニメ版と実写版あり)を経てこの作品は、前述の3人を中心スタッフとする「秩父三部作」というべきものらしい。

できれば前の2作とも観てみたい気がする。

 

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2021年7月25日 (日)

泣きたい私は猫をかぶる

この劇場用アニメの共同監督をしている佐藤順一さんといえば、私にとっては「きんぎょ注意報!」「セーラームーン」のチーフディレクターである。

そして、「ユンカース・カム・ヒア」の監督さんでもある。

この「泣きたい私は猫をかぶる」という映画は、当初劇場公開の予定だったが、コロナのために上映できなくなり、Netflixが最初の配信となった。

原作のない、オリジナルアニメーションである。

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主人公の中学生、笹木美代(無限大謎人間、略してムゲというあだ名がある)は、クラスメートの日之出賢人のことが好きだった。

美代は、一方的に賢人に話かけていたが、賢人はつれない。

ムゲ(美代)は、ある晩、大きなキジ猫から、猫の面をもらう。その猫の面をかぶれば、猫に変身できるのだ。

美代はネコの姿で賢人の家に繰り返し行くようになり、「太郎」と呼ばれるようになる。

「太郎」には愛着を持つ賢人に、美代は、切ない思いを感じる。

賢人は、陶芸家の祖父のあとを継ぎたいという気持ちをはっきり言えないでいるし、美代は、一見円満だが、実は複雑な家庭環境の中で、腫れ物に触るように扱われるのに嫌気がさしている。

美代は思い切って賢人へのラブレターを書くが、その手紙はクラスメートに晒しものにされてしまう。

その時の賢人の反応に、美代は傷つく。

お面屋のキジトラは、美代にネコのお面を貸し、ネコになれることの代償として、美代の人間としての面を取り上げて、ネコからもう戻れないようにしようと企んでいる。

この結果、美代は「太郎」でしかいられなくなり、美代の面は、他のネコに与えられてしまうのだが・・・

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愛知県常滑市が舞台。

非常に丁寧に日常描写を積み上げたファンタジーであり、何も奇をてらうところがない。
子供でも楽しめると思う。

佐藤さんは私と同い年の監督さんであり、もはやベテランの域に入ると思うが、足が地についた、オープンな作家性を今も堅持していると思う。

良作である。

なお、この作品を制作した、スタジオコロリという会社は、「ペンギン・ハイウェイ」を作った会社でもある。

 

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「夜は短し歩けよ乙女」 -アングラ演劇的世界を、アニメーションでしか表現不可能な豊潤な表現でタイトに描ききった傑作-

「ペンギン・ハイウェイ」つながりで、森見登美彦原作のアニメで、秀作アニメがあると知り、観てみたのですが。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」にはまっている私にとっては、対極にある、極めて抽象的と言うか、極度に描線を切り詰めた画面。

「ペンギン・ハイウェイ」の、ジブリ的ジュヴナイル的日常描写に秀でた作品世界とも全く遠い世界で、とても同じ原作者の作品とも信じられないのですが、ともかくこのアニメ、観てみる価値、おおありですよ。

ストーリーを端的に説明するのは困難ですが、大学生の主人公、「先輩」は、同じ大学の「黒髪の乙女」に恋をしている。

でも、面と向かってコミュニケーションをすることはできず、遠くから眺めていた。

しかし、「ナカメ作戦」という、彼女の目にとまるように「外堀を埋めていく」やり方で徐々に迫っていく。

ただ、その遠回りは、実に多くの、怪人めいた人々との出会いと、騒動に巻き込まれる形でしか進んでいかない。

彼女の幼少期の愛読書で、彼女の手から離れていた、「ラ・タ・タ・タム」を取り戻し、彼女に進呈しようとしていくための作戦へと収束していくのだが、ともかく多難な障害にぶつかり続ける。

「黒髪の乙女」は彼女の方で、酒ばかり飲みながら、破天荒な形で、人との出会いを繰り返していく。

「先輩」は運命の糸をたぐり、果たして「黒髪の乙女」との出会いに導けるかどうか?

・・・・まあ、そんな話なのだが、個性あふれる群像劇が、ひたすらどんちゃん騒ぎの中に、凄まじいまでのアニメ的な豊潤な想像力の中でめくるめく展開していくのはたいへん刺激的であり、タイトな、退屈しない1時間半がまたたく間に過ぎる。

ここで描かれる大学生の世界は、昭和的なもので、何かひどく懐かしさを覚える。

非常にアングラ演劇的世界なのだが、アニメによってしか不可能な表現だろう。

劇中劇は、ミュージカル的表現をふんだんに用いている。

監督の湯浅政明という人は、非常にとんがった才能の持ち主と言わざるを得まい。

主役の「先輩」の声は、星野源が務めている。

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・・・今、「アングラ演劇的世界」と書いたが、実際、この原作、このアニメ版と同じ脚本家のもとで、演劇としても上演されたらしい。

乃木坂46の久保史緒里が、「黒髪の乙女」役で、ハマり役として出演し、たいへん評価が高かったそうである。

●舞台『夜は短し歩けよ乙女』6月6日 開幕!恋は突然やってくる、不思議な縁の物語

 

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2021年7月24日 (土)

「ペンギン・ハイウェイ」 って、単なるジュヴナイルではない。【ネタバレ注意】

すでに前のエントリーでも書いたが、この劇場版アニメ、「未来のミライ」のレンタルブルーレイの冒頭の、おまけのレンタル開始予告編にたまたま収録されていて、何かしらんがペンギンがうようよ湧いて出る映像にインパクトがあったので、このペンギンの謎を、クラスメートや年上のおねーさんと読み解く、ぐらいのストーリーの、子供向けエンターティメントかと思っていた。

一応、いつか観てみる候補として、タイトルを紙にひかえておいた・・・ぐらいの作品であったに過ぎない。

昨日は、毎日1作レビューというノルマを自分に課してきて、そろそろこの札を切ってみるか・・・というくらいの軽い気持ちだった。

それがここまでいい意味で「裏切られる」とは思ってもいなかった。

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確かに、この作品を、主人公と同じか少し年上ぐらいの小学校上学年層を観客として対象とした映画、としてとらえることも可能である。

良質のジュヴナイルアニメともとらえられる。

キャラクターデサインは、ジブリ的とも言えるし、緑の豊富な背景の作画の奥深さも、CG版トトロ的と言いたいいいたいところがある。

小学生の少年少女たちの描き方としてもすこぶるわかりやすく、奇をてらうところが全くない。

主人公と友人、クラスメートの少女、ガキ大将、見守る親たち、実に感情移入しやすい。

恐らく、この映画に抵抗を示すのは、18歳を超えてしまったあたりからではないのか。

「ペンギンの、おねーさんの正体は結局何だったんだ!! 納得いかない!!」

私は、この、どんどん不条理になって行く物語の謎をいちいち「解説」してくれないあたりにこそ、魅力を感じたのだが。

中途半端に頭で「理解」しようとはせず、説明できない部分は「何となく」流して受け入れれば、ラストのオチのしんみりした余韻にも浸れる・・・そういうタイプの作品なのではないか。

ある意味では、「計算づく」では作れない物語である。この点、先日レビューした「あした世界が終わるとしても」が、とことん計算されている物語構成のベースラインを守っているからもっと評価されていいというふうに思えるのとは対極である。

でも、勢いだけで生み出された、とっ散らかった、説明不足の作品だとは感じない。

むしろ、ありきたりなパターン化ができない、「創作の神様」が宿っている物語だと思う。

これは原作小説が相当クリエイティヴで、それを十分理解して消化し、映像化できるだけのアニメスタッフに恵まれているのであろうと直感した。

おかげで、原作の方も読んでみたくなって、Amazon Kindleであっさり検索できたので、ほんの3時間ぐらいで読破できた。

その後、原作の森見登美彦という作家についての情報を集める、という順序だったのだが、まさか、ただのジュヴナイル作家ではなく、直木賞候補に何回も選ばれる作家さんで、この原作自体が「日本SF大賞」受賞と知って唖然としました。

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もう少し物語について解説しましょう。

ある地方都市に、突如ペンギンが湧いて出るようになるという事件が起こる、という始まりなのは確かだ。

小学校4年製のアオヤマのいるクラスでもそのことが噂となる。探究心旺盛なアオヤマは、友人のウチダと共にこの謎の解明を始めるのだが、物語はそちらにストレートに進むわけではない。

このアオヤマは、まだ永久歯に生え変わる途中の段階にある。なのに歯磨きを怠っている。

おかげで、たびたび歯医者さんの厄介になるようだが、その歯科医院の歯科助手に、おねーさんがいるのだ(名前はこの作品の中で最後までわからない)。

アオヤマはそのおねーさんとチェスをする間柄なのだが、おねーさんのおっぱいのことが気になって仕方がない。つい目が行ってしまう。おねーさん(アオヤマのことを「おい、少年」としか呼ばない)もそのことに気づいてたしなめてくる。

アオヤマは、ガキ大将スズキからの「報復」を受け、自動販売機に縛り付けられていたのをきっかけに、なんとそのおねーさんが缶コーラを宙に投げると、ペンギンになってしまうのを目の当たりにする。

しかも、おねーさんは、そのことを、自分でもわけがわからんけど、自覚している。

こうして、ペンギンの謎はおねーさんの謎にもなる。

その一方、アオヤマのクラスでのチェス相手でもある同級生の女の子、ハヤモトもまた、不条理な謎の探求をしていた。

森の向こうに広がる草原に忽然と浮かぶ、巨大な水の玉の正体である。

ハヤモトは、アオヤマとウチダをこの水の玉の正体探求にも巻き込む。

結局、アオヤマは、おねーさんとペンギンの謎が、水の玉の謎とリンクしていることに気づいていく。

更にアオヤマは、おねーさんの弱さにも直面する。

これは、出没するようになった怪物、ジャバウォックの謎ともリンクしてくることにもなる。

ここからが物語の、怒涛のクライマックス展開ということになるのだが。

結局、ハヤモトが結論づけた、おねーさんの正体と運命は、おねーさん自身も思いもよらないものだった。

そして、おねーさんとの別れの時が来る。

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アオヤマのセリフの中で、SF的な謎解きの理屈は語られているだけではなく、そのシーンより前の、アオヤマの父がしてみせたことの中にも、実は原作にすらない表現様式の、ハードSF的な示唆がある。これはアニメの中で直接せりふとしてブラックホール理論とかについてくどくどしく言わせると難解になることを、直感的に示唆するためのものだろう。

でも、SF的理解だけではすべてを説明できない謎が残る。

でも、「それでも残る謎と不条理」ということそのものがこの作品のテーマであるとも理解できまいか?

思春期にすら入らない少年にとっては、おねーさんは性欲の対象としてはっきり意識されているわけではない。

恋愛感情的対象ですならない。

お母さんのおっぱいは気にならないのに、おねーさんのおっぱいは気になる。

それはひとつの不条理な謎である。

おねーさんがペンギンを出せるということも、少年からみたおねーさん世代の女性に漠然と感じる様々な謎の象徴的表現であろう。

このメタファーは極めて多義的で、人によって、いかようにも解釈の可能性がある、ある意味で正答というものはない。それでいいのではないか。

でも、その不条理は、決して解消されないまま、少年としての日々は終わる。

まあ、これは少年の成長ドラマ、ジュヴナイルの枠組みでの理解であるが。

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ただ、ネタバレかもしれないが、すでに触れたように、おねーさん自身が、自分が「そのような」運命が待っている存在であるとは全然思ってはなかった、つまり自分の正体に気づいていなかったという点が興味深い。

この点では、このおねーさんは、決して「銀河鉄道999」の、星野鉄郎に対する使命を自覚したメーテルではないのである。

少年の立場ではなく、「おねーさんの立場にたって」この物語を読み解けば、結局最後に、おねーさんのアイデンディディが根底から覆されることとなる。

ここからおねーさん自体が、実は、世界の創造主が遣わした傀儡的存在、あるいは2001年的な意味での異星人の遣わした存在、などという飛躍した解釈の余地も残すであろう。

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原作を読んでみたが、若干枝葉を整理し、細かいエピソードの順序を入れ替えるなどのことはしているが、アニメ化が、想像以上に原作リスペクトしているもので、ひょっとしたらアニメ化にあったっての暴走かと思われていたクライマックスも、実はほぼ原作通りの筋書きであったことにはちょっと驚いた。

もとより、それは単なる原作のトレースではなく、小説を映像作品化する上で必要な想像力に十分恵まれたものであると思う。

原作だけでは、アニメ版の生活感あふれる地方都市とか、森の神秘も感じさせる緻密な背景美術、生き生きとした小学生らしさというものは想像できない次元であるとは思う。

日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞というのも頷ける。

ただ、原作の、死についてのアオヤマのウチダへの執拗な問いかけは、アニメの物語の流れに乗らないこともあろうが、原作からアニメになるにあたって汲み取られなかった、結構重要な部分かと思う。

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このようにとらえたところで、はじめて原作の森見登美彦氏について調べ、ジュヴナイル作家ところか直木賞候補作家で、しかもこれまでは大学生を主人公とした作品が多く、そうした作品のアニメ化(「四畳半神話大系」TVシリーズとか非常に評価が高いとのこと)、「夜は短し愛せよ乙女」の際には、全く異質な、シュールで青年誌的演出で描かれいるらしいと知って(Youtubeで確認した)、かなり衝撃を受けた。

こりゃ、一筋縄ではいかない作家さんのようである。

まさに、たまたまジュヴナイル的にも「受け取れる」作品を書いた、ということに過ぎないようなのである。

もう少し、森見登美彦氏原作の、他の映像作品も、観てみようかと思う。

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いずれにしても、「ペンギン・ハイウエイ」、「ひと夏の冒険譚」みたいな作品でもあるので、季節柄、Amazon Prime Video かNetflixでご覧になるのは非常にオススメである。

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2021年7月23日 (金)

次回は、ジュヴナイルSFの秀作、「ペンギン・ハイウェイ」

たまたま「未来のミライ」のレンタルブルーレイに予告編が収録されていたのをきっかけに観た劇場アニメだったが、これはジュヴナイルSFとして滅多にない秀作だと思う。

映像的想像力が凄い。絵解きせずに進む物語の展開もすばらしいと思う。子供も大人も楽しめる。

このくらいの域に到達していれば、劇場でみてもいいくらいの作品のように思う。

アニメ版について言えば、陳腐な言い方をすれば、ひと夏の年上の女性との関係の中で生じた、少年の成長物語といったところ。

これを森見登美彦氏の原作がどのように文字で表現していたかたいへん興味を持った。

幸いAmazon Kindleもあったので、そちらも読んでからレビューしたい。

 

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【ウマ娘】:ミホノブルボン、URAファイナルズ挑戦

ミホノブルボンは、確か5回めぐらいのURAファイナルズ挑戦ですが、壁が分厚かったです。 同じ「逃げ」なのに、マルゼンスキーやセイウンスカイのようにすんなりとはいきませんでした。 どういうわけか、ライバルが手強いのでした。 楽天トラベル

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2021年7月22日 (木)

平行世界ものの良作 -「あした世界が終わるとしても」-

さて、一日1作の映像作品レビューは今日も消化されるのであった。

「氷菓」TVシリーズ全話、13時間かけての視聴で懲りたので、今度は劇場版作品1本にしようと思っていた。

dアニメストアの中で適当に漁っていて、タイトルと、日常描写がしっかりしていそうな繊細な一枚絵だけで観るのを決めた。

まあ、アタリでしたね。

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ストーリーは、主人公、高校生の狭間真が、幼馴染、泉琴莉その関係を半歩踏み出し、デートをすることになる物語からはじまる。

真は、子供の頃、母親を突然死でなくしており、父親はその母親の死の原因を究明する研究者として、琴莉の父の会社の研究室に籠もっている。

まず気づくのは、このアニメ映画、完全なCG制作であるということだ。セルアニメ時代の名残りとしてのあからさまな輪郭線はない。動きも実に滑らかというか、小刻みに動くのだが、全く均質。

ゲーム動画のような世界である。

冷たく、生身の登場人物が皆アンドロイドのようにも最初感じてしまうが、慣れてくると硬質の叙情と感じるようになるから不思議である。

この現代日本の丁寧な日常描写と並行して、異世界における女帝がある男を死刑にするシーンが描かれる。

すると、真の父親、突然死との連絡が、デート中の琴莉の携帯に入る。

・・・この段階で、この物語、パラレルワールド(平行世界)ものとわかるので、過剰な説明は不要なのだが、この物語は実に親切である。押井守なら、全然説明的セリフ(ましてや図解)は省くだろう。

それでも整理してしまうと、第二次世界大戦後、日本は2つの平行世界に分裂してしまう。一つは現在の日本社会、もうひとつの世界では「日本公国」という、独裁専制国家である。「日本公国」では民衆は完全に隷属させられ、貶められているか、文明はずっと高度である。

2つの並行世界においては、必ず1対1で対応する人物がいて、一方が死ねば他方も死ぬ。こうして突然死は起こる。

具体的には、狭間真に対応するのは、「日本公国」のレジスタンス、ハザマ・ジンであり、泉琴莉に対応するのが、女帝イズミ・コトコである。

ハザマ・ジンは、女帝コトコを亡き者にするために、現在日本の世界に侵入し、琴莉を殺そうとする。

一方、コトコは、現代日本世界の方に、フィクサーと呼ばれるアンドロイド、リコとミコを侵入させている。

結局、真とジンはかなりあっさりと和解し、琴莉の主導のもとにみんなオトモダチ状態になってしまい、これでジンが「日本公国」世界に戻って女帝コトコと和解すればめでたしめでたしのところだが・・・

ネタバレここまで。

*****

完全デジタルアニメの映像と対応するかのように、ストーリーも、さながらゲームシナリオのように精巧に組み立てられ、一切の破綻も、伏線の未回収もない。これはなかなかできないことだと思う。

自衛隊が全滅するシーンを描かないとか、ラストは・・・きちんと伏線は張っていて、期待通りの結末とはいえ、綺麗すぎるとか、いいたくはなるが、全部作劇上の計算づくなので、これでいいと思う。

それこそ、この素材をもとに、ゲームを作り、いろんなエンディングを作ればいいところであろう。

しかし、後で調べたら、別にゲーム企画とのタイアップとかではないようだ。

更に言えば、本作は、Huluオリジナルアニメ『ソウタイセカイ』をベースにしていて、登場人物も6人重なるそうだが、別にそちらの方を観ていなくても、独立した作品として十分に成立している。

いずれにしても、良作だと思うが、Amazonの評価は意外と伸びていないようである。

こういう作品が的確に評価されるようでないと、正統的な物語構成のベースラインをいうものが見失われる気がするのだが。

確かに、映画館に行ったり、ブルーレイを買うほどの作品ではない。しかし、ネット配信で1時間半気軽に楽しむつもりなら、男女問わず、幅広い層に見返りあると思いますが。

 

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【ウマ娘育成】:コツその 1 /まずは「逃げ」から育てよう:セイウンスカイ編

これまでの動画とは趣向を変え、私の育成過程を最初からお見せし、URAファイナルズで常勝できるウマ娘の育成の、私なりのコツを伝えられればと思います。

まだ文字の挿入能力はないので、言葉による説明のみとなりますが、繰り返して噛みくだいて言葉にしているつもりです。

私の声の音声、外部マイクを通していない、スマホだけの一発撮りですので、お聴き苦しいかと思いますが、どうかお許しください。

私はいわゆる「因子」には無頓着です。「おまかせ」選択で済ませています。「スキル」は早めに埋めて行く主義です。

育成でURAファイナルズ優勝をはじめて狙うのでしたら、主としてスピードをシンプルに上げて行けばいい、「逃げ」のウマ娘を選ぶのがいいかと思います。

この条件を備えていて、最初から☆3つの育成ウマ娘を獲得するまでは育成ウマ娘ガチャ(プリティーダービーガチャ)してください。

私がやった限りでは、セイウンスカイ(中・長距離)やマルゼンスキー(マイル)が一番無理がないと思います。

あと、サポートカードの方は、SSRは自前で5枚、フレンドから1枚、理想としてはすべて30Lv以上。「逃げ」育成である限りは、そのうち5枚がスピード、1枚がスタミナ/パワーのバランスでもいいと思います。これもサポートカードガチャを重ねるのが無難でしょう。

ちなみに、私の場合は無課金で通し、約4ヶ月、毎日ひとり(ひとウマ娘?)は育成しています。

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2021年7月21日 (水)

「きまぐれ☆オレンジロード」のこと

アニメ版、「きまぐれ☆オレンジロード」については、このブログでも何回か取り上げましたが、ここでもう一度詳しく整理して解説してみましょう。

幸いにして私が実際に交流できた、演出の望月智充さんという方は、リンクを張った、OP/EDを実際にご覧になればおわかりかと思いますが、当時としては非常に斬新な前衛的とも言える映像表現をする人でした。

ところが、この望月さんの強い意向もあったのでしょうか、アニメ版「きまオレ」は、少年マンガのラブコメではなくて、もっと上の層にふさわしい本格的恋愛もの路線となりました。

これに惹かれたアニメファンも多かったのですが、子供が「薄気味悪い」と感じるという親からの苦情の投書がTV局にたくさんあったそうです(これはアニメージュのインタビューにあります)。

この結果、TVシリーズは、小学生上学年位も見れる、ぬるい路線に転換しまして、私などは楽しめなくなりました。

しかし、今の、恐らく若い世代を含むアニメファンの間では、時代に古びない、新鮮なアニメ作品として評価され、つい先日、ブルーレイの新盤が発売予告されたようです。

このTVシリーズの「ぬるい路線」への転換が、いざ劇場版「完結編」、「あの日にかえりたい」が作られるとなった時に、いよいよ「監督」となった望月さんの中で物凄い反動を引き起こしました。

恭介とまどかとひかるの三角関係解消の物語が、徹底的なリアリズム、つまり男が2人の女性から、本命の一人を選ぶ際に生じるどろどろとした残酷な結末を描き出すかたちになってしまいました。まどかもひかるも恭介も全員悪者になってしまったのですね。

当時はまだ使われなかった言葉ですが、ひかるは恭介に対して完全に「ストーカー」化した。

演出も、先述のTVシリーズOP/EDとは全く異なり、一見地味な、実写映画的過ぎる画面づくりが徹底的になされることとなります。

これに対して原作者のまつもと泉氏は怒り狂ったそうです(この経過は、Wikipediaで読めます)。

私は、まつもと氏の激怒など知る前に、この望月劇場版の終わらせ方を断固支持する投稿を「アニメージュ」と「OUT」に、アングルを変えてそれぞれ送り、どちらも採用されました。

これは当時のこの「劇場版完結編」への感想としては、孤高のものした。

私は望月氏自身ならこの私の理解を受け入れてくれると確信し、当時は「アニメージュ」の別冊付録に公示されていたアニメ制作会社に直接手紙を書いたのです。

私はその際に、私の実写映画鑑賞のキャリアから推測して「画面のいくつかのシーンの構図と演出が、『危険な情事』と一致する」と指摘したのです。

すると、何と望月さんは、私に直接会いに来てくださったのです。

実際お会いできて確認したところ、前述の指摘は、あたっているらしかったです。

原作者の許可が降りなかったため、この「劇場版」は、確かVHSまでは出ましたが、DVD化はなされませんでした。

ところが、その後「幻の名作」扱いされるようになったのですね。Youtubeでは海外の人が、全編アップロードしていました(最近は削除されたかな?)。

往年のファンは年長者になり、下手な実写の安物恋愛ドラマより心に刺さると感じるようになったようです。

それが先ごろ解禁され、ブルーレイ全集に納められることとなったようです。

Twitterで「あの日にかえりたい」で検索をかければ、現在いくつもヒットしますよ。

結局、私にとっては、望月智充さんの最高傑作は、この劇場版「あの日にかえりたい」ですね。

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この後に、望月さんは、所属制作会社からの「出向」という形で、ジブリから「海がきこえる」の監督に抜擢されるのですが(ジブリの歴史上、唯一の例です)、氷室冴子さんの原作小説に先になじんだ人間からすると、まさに後半と結末においてぬるい・・・というか、逆に、ラブコメ的にわかりやすい形になっていた。

私は、原作の、関係が曖昧なままの機微が台無しと感じ、苦情を申し立てました。

女性作家の作品となると、さすがに望月さんの限界が出たと思いました。

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2021年7月20日 (火)

「竜とそばかすの姫」はこれまでの日本の劇場アニメの最高傑作である。

皆さん、オリンピック観てるぐらいなら、ぜひ映画館に行って、大画面とドルビーサラウンドで身を委ねましょう。

絶対に後悔はしません。

何か、とんでもないものを観せられた。

細田守監督の過去の作品との関連でこの作品を論じる人もあるようだが、そんなちゃちな次元でこの作品レビューするなど論外だ。

この、従来の細田作品を完全に「超えて」しまったスケール感。

これまでの「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみ子供の雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」がお気に召さなかった人にも、是非観てほしい。

安易な比較論は慎みたいが、宮崎駿さんはもはや完全に過去の人となったと思う。

作風は異なれども、劇場アニメでこの作品と拮抗する評価を得られる作品があるとすれば、唯一、「この世界の片隅に」だけでしょう。「この世界の片隅に」の方が好きと言う人がいても、私は認める。

*********

主人公すずは、高知の田舎に住む地味な女子校生。母親を水難救助の際に亡くしていて、父親との二人暮らし。

母の生前から、少しずつスマホを使った音楽作りになじんでいく。

そして、インターネット上の仮想世界”U"の歌姫、「エル」として、またたく間に、世界中のファンを勝ちうるようになる。

まあ、このエルが最初に歌うシーンを観るだけで、圧倒され、泣いてしまう人もあるかもしれない。

おいおい、まだこの映画がはじまって30分も経ってないのだよ。

ところが、この仮想世界の格闘技王である、竜が突如現れ、歌うエルと、それを聴く、恐らく何億ものアバターのいる仮想空間は混乱し、正義を名乗る自警団、「ジャスティス」の追撃を受ける。

この竜は、”U"の秩序を乱す存在として糾弾され、おたずね者扱いをされている一方で、一部にはダークヒーローととしての熱狂的ファンも持つ。

すず=エルは、この竜の孤独と癒えぬ傷にひかれて、関わりを持ち始める。

さて、この竜の現実世界での正体は? ということに当然なってくるのだが、この物語の後半は、ネタばれしたくないんだよね。

・・・と、あらずじだけ書いてしまうと、「サマーウォーズ」っぽくなってしまって、この作品の真の凄みが全然伝わらないんだけど。

圧巻は、むしろ○○が歌い出すシーンにあるのだが・・・おっとっと。

後半には、現代のかかえる、深刻なテーマも描かれることになりますが、そこをネタバレする奴なんて大っ嫌ぇだ!!

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そもそも、このエルのキャラクター、従来の細田作品的ではない・・・というより、日本的ではない。ディズニーの色あるよねと思っていたが、まさに「アナ雪」のキャラデザのジン・キムという人でした。

Belle

このキャラ、ネットの小さな映像やポスター観た人は、ちょっとバタ臭くで馴染めない人もあるかと思いますが、実際に大画面で動く絵として観て、あの歌声を聴くと、圧倒的なオーラを放つものと感じられるかと思います。

このエルの歌とすずの声の両方を演じているのが歌手の中村佳穂さん。

ともかくエルの歌う曲そのものが素晴らしすぎる。

中村さんは、マイナーレーヴェルですでに実績を積み上げたシンガーソングライターです。つまり曲の作詞・作曲が彼女自身のものと思われます。細田さんが彼女をどういう行きがかりで協力者になってもらったかについては以下を参照:

BGMを含めて、サントラは売れまくるでしょうし、エルの曲は「アナ雪」の"Let it Go"並みに流行り、紅白にも、「うまひょい伝説」と共に(瀑)、当選確実でしょうね。

細田作品には、これまでも狼やらバケモノやら、いろんな獣系の異型のキャラが出てきましたけど、どうも実際に動く絵になってしまうと、何かが急に貧困で物足りないものになってしまっていたと思います。それが今回はまるで感じられない。精悍・精細で、しかもよく動きます。

この作品、細田監督と交友を持つようになった、たくさんの国際的スタッフの協力によって、はじめてこの普遍的で完璧なスケール感になったのだと思います。細田監督の潜在的可能性を完全に実体化できたということ。

忘れてはならないのは、このきっかけとなったのは、日本では一般には少し不評だった「未来のミライ」が、国際的には評価されたことです。

全体として、細かいカット割りでテンポよく進むのもいいですね。

物語の構成は、これまでの細田作品を完全に突き抜けた、実に見事な完成度と周到さであり、これ以上を求めることは不可能である。勢いに任せた展開など微塵もない。

すずの住む高知の田舎の風景描写も極めてリキ入ってて素晴らしいのは、”U"の3Dデジタル的表現と絶妙のコントラストをなしています。・・・これ、「サマーウォーズ」の比じゃないですよ。

********

・・・ちょっと、さりげないことを最後に書いておきますね。

竜の住む城の壁に掲げられた女性の肖像画の顔の部分が中心として割れているのですが、これは、竜の「正体」が、母親を失っており、母親がいなくなったことを恨んですらいることの象徴的表現だと思います。

同じ母親を失った父子家庭であるとは言え、すずの家庭と、竜の「正体」の家庭は、全く対照的なものとして描かれており、そこに細田監督の家族観が強く反映しているのでしょう。

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トロントだより

  • 050601_0957
     The Focusing Instituteの第17回国際大会(2005/5/25-31)の開かれた、カナダ、トロントの北の郊外(といっても100キロはなれてます)、Simcoe湖畔のBarrieという街に隣接するKempenfelt Conference Centreと、帰りに立ち寄ったトロント市内の様子を撮影したものです。

神有月の出雲路2006

  • 20061122150014_1
     11月の勤労感謝の日の連休に、日本フォーカシング協会の「フォーカサーの集い」のために島根県の松江に旅した時の旅行記です。https://focusing.jp/  
    ご存じの方は多いでしょうが、出雲の国には日本全国の神様が11月に全員集合することになってまして、「神無月」と呼ばれるわけですが、島根でだけは、「神有月」ということになります。(後日記:「神無月」は10月でしたよね(^^;A ........旧暦なら11/23前後は10月でせう....ということでお許しを.....)  
    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

淡路島縦断の旅

  • 050708_2036
     「フォーカシング国際会議」が、2009年5月12日(火)から5月16日(土)にかけて、5日間、日本で開催されます。
     このフォトアルバムは、その開催候補地の淡路島を、公式に「お忍び視察」した時の旅行記(だったの)です(^^)。
     フォーカシングの関係者の紹介で、会場予定地の淡路島Westinという外資系の超豪華ホテルに格安で泊まる機会が与えられました。しかし根が鉄ちゃんの私は、徳島側から北淡に向かうという、事情をご存知の方なら自家用車なしには絶対やらない過酷なルートをわざわざ選択したのであります。
     大地震でできた野島断層(天然記念物になっています)の震災記念公園(係りの人に敢えてお尋ねしたら、ここは写真撮影自由です)にも謹んで訪問させていただきました。
     震災記念公園からタクシーでわずか10分のところにある「淡路夢舞台」に、県立国際会議場と一体になった施設として、とても日本とは思えない、超ゴージャスな淡路島Westinはあります。

水戸漫遊記

  • 050723_1544
     友人と会うために水戸市を訪問しましたが、例によって鉄ちゃんの私は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」に乗れることそのものを楽しみにしてしまいました(^^;)。
     仕事中の友人と落ち合うまでに時間があったので、水戸市民の憩いの場所、周囲3キロの千破湖(せんばこ)を半周し、黄門様の銅像を仰ぎ見て見て偕楽園、常盤神社に向かい、最後の徳川将軍となる慶喜に至る水戸徳川家の歴史、そして水戸天狗党の反乱に至る歴史を展示した博物館も拝見しました。
     最後は、水戸駅前の「助さん、格さん付」の黄門様です。
     実は御印籠も買ってしまいました。

北海道への旅2005

  • 051012_1214
     日本フォーカシング協会の年に一度の「集い」のために小樽に向かい、戻ってくる過程で、他の参加者が想像だに及ばないルートで旅した時の写真のみです。かなり私の鉄ちゃん根性むき出しです。  表紙写真は、私が気に入った、弘前での夕暮れの岩木山にしました。