夢フォーカシング 技法の実際
今度は、ジェンドリン自身が開発した、「夢フォーカシング」の技法の詳しいマニュアル。
この技法の特徴については、本部サイトのこの記事。あるいは当ブログのこの記事やこの記事、やこの記事、そして昨日のこの記事ですでに概説していますが、それを具体的マニュアルとして概説することにします。
本書を手に取り読み始めると、16の「質問」が羅列的に並んでいる印象になり、具体的にどういう段取りで進めるのかのフォーマットがややわかりにくいので、それを私なりに整理しなおして書いてみましょう。
夢フォーカシングは、一度身につけてしまえば、通常のフォーカシングより容易にひとりでも実施できますので、以下の部分では、敢えて「一人称」で書いてみたいと思います。
なお、私は以下の内容は日本人間性心理学会の「人間性心理学研究」で原著論文として書いています。(夢フォーカシング技法の面接場面への適用に際しての幾つかの実用的示唆」 人間性心理学研究 第11巻 第2号)
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1.夢の内容について選び、(聴き手がいれば)語る。夢は断片的なものでも構わない。(朝起きてすぐに書き留められるように枕辺にノートを準備しておくが吉)。一般には、古い夢ではなく、最新の夢を選ぶ方が効果的である。
※聴き手がいれば、聴き手その内容を丁寧に伝え返し、誤りがあれば語り手に修正してもらう。内容的に不明瞭な部分、よく覚えていない部分は、「曖昧な部分は曖昧なままに」聴取すべきである。
2.夢について、自分なりに思い浮かぶ感想や理解、実感を探り、言葉にしてみる(【質問1】、【質問2】。
・・・・リスナーがいる場合、夢を観たご本人なりの感想や理解等をまずは語り尽くしていただくことを十分にすすめて、次に進むことがたいへん重要です。
3.夢の中で、一番興味を引く部分はどの部分かを確認する。
4.ここから先、大別すると3つの方略がある。
すなわち、「場所の方略」「登場人物の方略」「物語の方略」である。
これらは夢を観た人が興味をひくのであれば、自由に選択していい。
(聴き手の側は、自分のフェルトセンスに照合しながら、夢をみた人のプロセスの流れにふさわそうな「質問」を提案していくほうが円滑に進むことが少なくないであろう)
●場所の方略【質問4】
* 夢の中に出てくる場所と似た場所に行ったことがあるか?
* 形状や様子は似ていなくても、夢の中で「そういうふうな居心地になった」場面というのを、生活の中で味わったことがあるとすれば、どんな場面か?(心象風景)
●登場人物の方略
* 夢の中で関心を持てる登場人物を選ぶ。
(それまで出会ったこともない見知らぬ人、ちょい役ぐらいの人、場合によっては無生物[建物、調度、花、植物など]を選んでみるのも一興である)【質問6】
* そのような人物の特性が、もし「自分の中に」少しはあるとすれば、どんな部分? ひょっとしたら、自分の中にそうした側面があと少しあってもいいというサインかもしれない【質問7】
・・・・このへんは、ユング的に言えば「アニマ」「影」などの元型を投影された相手というふうにもとらえらるかもしれない。「自我」というものは「自己」の全体性の一部でしかない。
* 試しに、その人に「なってみると」どのような感じだろう?【質問8】
・・・・これは、ゲシュタルト療法とは異なり、心の中だけの演技のつもりでいい。子どものための学芸会で、大げさに身振りを交えつつ演技するつもりで。
(「端役」ばかりか「花」「山」「岩」の役など、幼稚園児の学芸会ならあると思える)
●その他のオプションとして私がおすすめの質問
*もし、その夢に「続き」があるとすればどのような方向に向かうだろう?【質問9】
*事実に反するものは?【質問12】
・・・夢の中と日常では違うこと、部屋の構造、登場人物の性格や役割などでもいい。
・・・たとえば、階段を降りていたはずなのに、出た先は山頂だった・・・みたいな矛盾なども。
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他にも幾つかの【質問】をジェンドリンは準備していますが、私なりに思うに、それらをあまり安直に使うと、ありがちな「頭での」「象徴解釈」になりがちと思えるので、ここでは解説を省略します。
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ジェンドリンが、夢との関わりで重視しているのは、
「人は、自分の夢についての理解において、普段の日常生活において自分を理解するのと同じような形で理解しようとする傾向(バイアス)がある。そのために夢は新鮮な気づきとして活用できないパターンにはまる」
ということです。
夢フォーカシングは、とことん「楽しむ」ものです。
私がセッションを持った経験からすると、仮に怖い夢や苦しい夢であっても、爆笑ないし苦笑する思いもよらない展開になり、ご本人も楽しい体験になることがほとんどです。





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