藤嶽法

2009/11/11

佐賀県教育センター教育相談集中講座講師として務めを果させていただいた一日をふり返って

 あいにくの雨模様となりましたが、まずは佐賀駅とセンターの間を送迎いただいたことをはじめとした、教育センターのスタッフの皆様の、手厚く、細部まで行き届いたご配慮に、心から感謝申し上げます。

 お集まりいただいた十数名の先生方におかれましては、ただでさえ文化祭等、秋の学校行事が続きやすいこの時期に、多くの学校でインフルエンザが蔓延する事態に苦慮なさっている中、たいへんにお疲れ様でした。

 どれだけ皆様の学校教育現場での実践にお役に立てることをお伝えできたか心もとない思いもございますが、微力を尽くさせていただいたつもりです。

K3100142

センターより雨の中、紅葉の川上郷温泉の方を写す

*****

 小学校から高校、特殊教育に至るさまざまな学校で勤務させている先生方、中には突如教育相談担当を拝命して、戸惑っておられる先生方を前にして、集中講座の3回目のプログラムという、比較的早い段階のプログラムとして、敢えてフォーカシングを組み込まれていることに、当センターで、フォーカシングの学習を、カウンセリングのベーシックな研修の一貫として位置づけておられる姿勢を感じ、何をどうお伝えし、どのような場として一日ワークショップを構成したらいいのだろうかということに、私なりに心悩ませ、プレッシャーも感じていました。

 その結果選択したのは、(これは私が大人数の参加者を前にして、フォーカシングの未経験者が多いワークショップを開く際に心がけたいと常々思っていたことなのですが)、簡単な技法の解説と、短いマニュアルを配布して、ペアを組んでもらい、フォーカサー役とリスナー役を交代する形で、フォーカシングのミニ・セッションを実習してもらうことをプログラムに組み込まないということでした。

 少なくとも、補助スタッフとして、6名のうちひとりは、フォーカシングに馴染んだ人たちが、小グループに分かれた際にサポートできる態勢にない限りにおいては、この点は用心すべきであると思います。

 その結果、構成したのは、次のようなプログラム構成でした。

  1.  参加者全員:その会場に来て、自分はどんな感じでいるのか、この会場にたどり着くまでの気分と今の気分はどう異なってきているか、何が気になっているのか、今日の催しに何を期待しているのかなどをじっくりと感じてみるひとときを持っていただき、自己紹介も兼ねる形でひとりずつ2,3分それを言葉にしていただき、私がひとりずつそれを傾聴して伝え返しをした上で私なりの感想もお返しする(私がこの記事から連載したやり方で、延々と十数名の参加者ひとりひとりとやりとりしたのです。これだけで実に70分の時間を使っています)
  2.      (小休憩 5分)
  3.  フォーカシングとは、我々が日常感じつつも、なかなかうまく対処できない漠然としたモヤモヤとのつきあい方について学ぶ技法であることを、私が永年自分のサイトの「フォーカシング入門」の冒頭に掲載している、「私たちは、自分の感情と、日常の中で、どのようにつきあっているのか」をそのまま配布資料にして、読み上げながら肉付けしつつ解説。
  4.  ここではじめて、今回作成した、フォーカシング技法を概説するためのパワーポイントを起動。ジェンドリンがフォーカシングを技法として開発するまでの経過(カウンセリングの成功例に顕著な、クライエントさんの内面への「焦点付け」能力と、体験過程尺度stage 5におけるクライエントさんの語り方の実例を表示して説明、そしてそれを学習・訓練可能なスキルとして技法化したのがフォーカシングであること)を、できるだけカウンセリング固有の用語を排除して時間をかけずに概説。
  5.      (小休憩 5分)
  6.  参加者全員:再び自分の内側の感じに触れてもらい、1.の段階と現在とでは気になることや気分や身体の感じの状態がどう変化しているのかを再確認していただく(実質的に2回めの集団法clearing a space)
  7.  アン・ワイザー法に基づくオーソドックスな1対1のフォーカシング・セッションのデモンストレーションを、講師である私がガイドを、希望者一人を募ってフォーカサーになっていただく形で、きっちりと実施(35分)
  8.  フォーカサーに了解を得た上で、7.の実際のセッションと照らし合わせる形で、もっぱらアン・ワイザーの「フォーカシング入門マニュアル」で解説された技法に則り、阿世賀が要約したパワーポイント映像を駆使して、オーソドックスなフォーカシング技法と傾聴のあり方の概要を解説(20分)
  9.      (昼食休憩 60分)
  10.  午前中の内容に関する質問や感想を受けるための時間
  11.  土江正司氏が開発した、教育現場で生かせる、フォーカシングを応用した平易な絵画療法、「こころの天気」の概説。「写生俳句的」といわれる伝え返しの仕方まで伝授。
  12.  実際に「こころの天気」の描画を参加者全員にやっていただき、となりの参加者とペアになって伝え返しをするまでの実習。
     
    (この際、冒頭で「今のこころの天気はどんなかな?」と内側の実感に確認していただくことを参加者全体に求めているので、この日のセミナーで実に3回めとなる集団法clearing a spaceの場になることも兼ねている)(40分)
  13.      (小休憩 5分)
  14.  インタラクティブ・フォーカシング技法と、「体験的な傾聴・応答」「相手の身になった応答」のあり方についての簡単な概説。
  15.  インターラクティブ・フォーカシングのラウンドロビン・フォーマットと類似した構造を持つ、学校カウンセラー、藤嶽大安氏の開発した、小さなカードを用いて絵画や言葉を相互にやりとりする「藤嶽法第1法」を、過去に学会の共同発表時に用いたパワーポイントファイルをそのまま使いまわして概説。
  16.  大人数でいきなり藤嶽法の実習をするのは困難なので、講師である私が「語り手」となる形で、その場でフォーカシングして、2,3分で語れる自分の気がかりを提示、参加者全員に、私のフェルトセンスの「身になって」感じてみた手短な言葉や一枚のイメージをカードに書いてもらう。
  17.  そうして書いていただいたカードのうち数枚を、希望者を募って提出していただき、実物投影機(書画カメラ)を使って拡大表示、私は私の実感に照合して返事をお返しする。
  18. 質疑応答

(多くの皆さんはご存知でしょうが、「実物投影機(書画カメラ)」とは↓のような映像機器のことです)

AVerMedia コンパクト書画カメラAVerVision300AF [AV-300AF] (センターで使われていたのと同一機種と思えるのはこれです)

******

 以上、全体で、昼食休憩の60分を別にすると、ご指定いただいた6時間20分の枠をフル活用し、時間配分的には、「講師の私としては」余裕を持って納得できる形で終えることができましたが・・・・・

 私としては、講師は私ひとり、参加者20名ほどまで、フォーカシング体験者が参加者にほとんどいない前提で、カウンセラーを専業とするわけではない、動機付けも様々な参加者の皆様を前に、1回限りで、フォーカシングを、できるだけ参加者の皆さんの日常的実感に近い次元でお伝えするためのフォーマットをこれを機会に確立したかったのですが、個人的にはほぼひとつのスタイルを確立できたかと感じています。

こころの天気を感じてごらん―子どもと親と先生に贈るフォーカシングと「甘え」の本

(楽天ブックス)

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2009/11/08

【重要な業務連絡】久留米でフォーカシングを学ぶ会、次回は、通常より一週繰り上げ、12/6(日)に開催いたします。

 「久留米でフォーカシングを学ぶ会」、本日、グループとしては最小の、私を含めて3人で開催されましたが、実はフォーカシングのトレーニングの理想とされる最小単位は、トレーナー1人と学ぶ人2人なのです(2人のセッションをもうひとりがオブザーバーとして体験することや、学習者2人のセッションにトレーナーがコーチとして介入できる一番密接な形態だからです)。

 今回は、参加者2名様どちらもカウンセラー(ないしカウンセラーを目指して勉強中の方)ということもあり、

  1. フォーカシング体験初めてのひとりの参加者のための、私がガイドとなったオーソドックスなフォーカシングのセッション。
  2. 1.のセッションを基にしてのアン・ワイザー法の技法体系全体についての解説。
  3. フォーカシングの様々な臨床適用可能性についての紹介。
  4. インタラクティブ・フォーカシングを、身体を通した傾聴と伝え返しを重視する本来の形で(「藤嶽法」ではないということ)、ラウンドロビン・フォーマット(順送り式)で2巡り連続して施行。

という内容の流れになりました。  

 インタラクティブ・フォーカシングをラウンドロビン(語り手の身になって応答してくれるのが常に2人となるわけです)で2回りするというのは、大船での「学ぶ会」時代を含めて、今回が初めてじっくりと行なってみたのですが、2めぐり施行すると、どれだけ体験が深まり、参加メンバー相互間の絆が生まれるかを、私自身再確認させていただきました。

 【重要】次回については、これまで12/13(日)と告知してまいりましたが、12/13が福岡県臨床心理士会のスクールカウンセラー研修会(北九州市)の日程と重複することが判明いたしましたので、急遽、通常より一週繰り上げ、12/6(日)開催とさせていただきます(すでに個々の参加者の皆様の多くに直接お知らせさせていただきました)。どうかお許しください。

 フォーカシングについての学習経験が全くない方の新規参加も歓迎しております。
 参加エントリー、お持ち申し上げております。 

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

ジャネット・クライン/インタラクティヴ・フォーカシング・セラピー―カウンセラーの力量アップのために

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2009/09/13

久留米でフォーカシングを学ぶ会、次回は10/11に開催いたします。

 

「久留米でフォーカシングを学ぶ会」、本日、滞りなく開催されました。遠方からを含む参加いただきました皆様、お疲れ様でした。

 だんだんと、いい意味で、肩の力が抜けた、しかしそれゆえにこそ参加者の皆さんのニーズに細やかに対応できる会のあり方に変容してきた手応えを感じています。

 次回は10/11(日)に開催です。

 フォーカシングについての学習経験が全くない方の新規参加も歓迎しております。
 参加エントリー、お持ち申し上げております。 

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

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2009/09/03

「カウンセラーこういちろうの雑記帳」の主要過去記事を一番簡単に一覧するには

 このブログって、すでに創設4年9ヶ月、過去のエントリー記事総数が、「この」記事で1,914本め、なのに一日あたりの新エントリー、平均1.10本以上を現在も維持、しかも長文が多いという、へヴィー級ブログです。

 おかげで、もはや@ニフティココログが割り振ってくれているサーバー負荷が相当なものになっているせいか、

  • 私の方からトラックバックを送ることがもはや機能しない
  • pingも自動では飛ばせない(その割には随分多くの読者の皆様が、新記事アップ直後においでいただけることを幸いだと感じています)
  • カテゴリーにすべての記事が反映しない(カテゴリーによっては300から400エントリー分表示されようとするわけで)

・・・・・という、新しくおいでいただいた読者泣かせのブログになっていると思います m(_ _;)m

****

 もちろん、バックナンバー全体を表示してくれる、『アーカイヴ』ページ(自身がココログユーザー以外の読者の皆様、お気づきでしたか??? 右フレームの「バックナンバー」という文字そのものをクリックするとたどり着けます)というものも、あるにはあるわけです。

 しかし、このページにお行きになっていただいたとしても、過去の個々のエントリー記事のタイトル一覧があるわけですらない

 このページからの「〇年〇月」を全部めくっていただくだけでも(全く休眠した数ヶ月を除いても、現在50か月分ほどあるわけですね(^^;)。その50ヶ月分、それぞれ月ごとに、毎月30から40エントリーずつはあるわけですから・・・・・

 つまり、私がこのサイトでこれまで書いてきた主要記事がどんなものか、新しい読者の皆さんにおおよその見当をつけていただくには、もうデタラメにご不便をおかけしていることと思います   il||li _| ̄|○ il||li

*****

 この問題を一気に解決し、

  • 新記事の方が上に来る形で、
  • 過去の記事に関しては私がある程度絞り込んでセレクトしたものを、
  • 数百記事ばかり、1ページをスクロールできる形で
  • ブログのような表示の重さがない形で一覧したいただける

そういうページが、実はずっと以前から存在します!!

●阿世賀浩一郎のホームページ/index

 開設1995年12月(つまりWindows95発売直後)開設、日本において、インターネットで個人サイトを作ることが本格的に普及し始めた黎明期から、何と基本的なデザインを変えないまま運営し続けているサイトです。

 かつては、ネットを代表するエヴァ・サイトのひとつ、「エヴァンゲリオン論考」で著名だった時代もありますけど、幸いにして著作化させてもいただきましたので、そのコーナーは全面削除いたしておりますが(「ちーちゃんの部屋」というアニメコーナーがかつて存在したことを覚えておられる方もあると嬉しかったりして ^^;)・・・・

そのトップページから、このブログでの新エントリー記事を書く度ごとに、固定リンクへのリンクを、たいてい速攻の連続作業でお貼りしてもいるのです。

 恐らく、皆様のRSSリーダーに反映するスピードの比ではない「即時性」で「新着情報」が掲載され続けています。

 同一エントリー記事の更新(改版)情報すら、可能な限り早くお伝えしています。

 

そこに並んでいる、当ブログ個別記事へのリンク数は、常時数百あるはずです(古いものから時々、精選のための「ダイエット」をかけますので、一定数以上には増えません)。

 しかし、敢えて今でも、基本的には「素朴なhtml言語の手打ち」に依存し、javaスクリプトすらないに等しいということで、このトップページそのもののバイト数の多さの割には、表示が圧倒的に軽い筈です(このブログのトップページを表示するよりは軽いと思いますよ)

 
当方のアクセス解析によって、「こっちのページで新着情報見つけるほうが手っ取り早い」ことにお気づきの、毎日数名以上の固定ユーザーの方がおられることは掌握しています(感謝!!)。

 しかし、そうした方の占める比率が以前よりもかなり減っているようにも思いましたので、改めてご紹介させていただきました。

 

今後とも、「カウンセラーこういちろうの雑記帳」をよろしくお願い申し上げます。

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2009/04/05

佐賀県教育センター、教育相談集中講座の講師を拝命いたしました。

 こんな私を選んでいただきました。

 参加される先生方のご期待にこたえるべく、これから半年間、一層の精進を重ね、当日はいくつかの興味深いお持ち帰り品(お持ち帰りスキル ^^)を差し上げられるよう、センターのスタッフの方と、すでに少しずつ打ち合わせを始めています。


 ●佐賀県教育センター

2008/09/24

昨日からにほんブログ村に参加しています。どうかよろしく!!(第2版)

 すでにお気づきの方もあるかもしれませんが、やっと昨日午後から参加しています。

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 私のプロフィールはこちらです。


 《2008/9/25 19:08更新》

・メンタルヘルスランキング 573位 -5167サイト中
 └心理カウンセリングランキング 14位 -130サイト中
・音楽ランキング 1022位 -9033サイト中
 └女性ミュージシャン応援ランキング 8位 -60サイト中
・ニュースランキング 392位 -2540サイト中
 └ニュース批評ランキング 60位 -226サイト中
・総合ランキング 29793位 -218968サイト

です(^^)

今後は、以下のクリック、どうかよろしく!


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2008/08/29

「久留米でフォーカシングを学ぶ会」、第1回は9月14日、日曜日に開催!!

 ついに「大船でフォーカシングを学ぶ会」スタイルをそのまま久留米に移植した、「久留米でフォーカシングを学ぶ会」の月例開催を9月から開始することにしました。

 久留米フォーカシング・カウンセリングルームは、私の旧宅の1階部分の2部屋を充てることにしました。

 面接室が6畳のフローリングの改装した洋室
 

 そのとなりに、12畳スペースの、これまたフローリングに改装したダイニング・キッチンがあります。そちらを「クループ・ミーティングルーム」として活用するということが可能になりましたので、「湘南フォーカシング・カウンセリングルーム」時代のように、6人を超えたら窮屈ということはもはやありません( ^ ^ )

 そこで、定員を8人に増やし(10人でも実はゆとりがあるのですが)、原則毎月第2日曜日開催からスタートすることにしました。

 開催時間帯も10:30-17:00とし、昼食休憩(原則参加者持参)を挟んで、午前1パート、午後2パートの3部構成にするというスタイルに転じます。

 繁華街とか駅前ではない代わりに、こうした点ではゆとりがある場所を獲得できた大メリットがあるのですね。


 九州/山口地区における、フォーカシングの全くの初心者から臨床専門家まで参加自由の、新しいフォーカシング・コミュニティを目指します。


 内容/今後の日程/予約状況/料金など、詳しくはこちらをご覧下さい。

2008/06/02

大船でフォーカシングを学ぶ会、次回は6/15(日)開催です。

 昨日、6/1は、「大船でフォーカシングを学ぶ会」の23回め、3名の皆様にお集まりいただけました。

 5/31は大船や鎌倉でもびっくりするほど寒い雨模様でした。
 しかし昨日は、予想された暑くて蒸し暑い初夏の天気と異なり、むしろ秋の好天の日を思わせる涼やかな空気で、ほっとさせられました。その空気がどこかで反映した「学ぶ会」の場になったようにも思います。

 今回は、それぞれ、まったく異なる背景からフォーカシングに関心をお持ちの、全員当「学ぶ会」初参加の皆様でした。


今回は、

1.身体感覚中心のクリアリングスペース(ホールボディフォーカシング統合バージョン)と振り返り

2.1名の方をフォーカサー、私がガイドを務める、生粋アン・ワイザー風のinner relationshipを大事にするフォーカシング・セッションを2名の方にはオブサーバーしていただいてシェアする。

3.藤嶽法第1法でフォーカサー1名、リスナー3名の持ち回り(私はリスナーとコーディネータのみ)

.....当会おなじみのパターンのようですが、それぞれの参加者の背景を尊重できたじっくりとした丁寧な時間の使い方を新鮮な形でできたと思います。


 自分の中に何をフォーカシングする対象として選んでいくかへの戸惑いが生じたときにどうしよう?...とか、 イメージを言葉にすることと体の感じを言葉にすることの間での戸惑い、リスナー(ガイド)としてどう進めるかへのまごつきなど、参加者同士が共有して自由に自然に言葉を交わしていただくける場作りができたかなと感じています。

 そして、フォーカシングを実習する体験をお持ちでも、フォーカシングの中で生じてきた、身体からのメッセージという確信がないものまで含めて、いろんな思いやイメージひとつひとつをそれぞれ自分の中で「認めてあげて」いくと、自然と先の展開が深まっていくというあたりを、まだまだじっくりと体験できた方が少ないのかなという印象を持ちました。

 藤嶽法の実習では、藤嶽法と共通性のあるインタラクティヴ・フォーカシングを実習として体験された方が2名おられたれたこともあり、「フォーカサーの身になって、フォーカサーのフェルトセンスを感じようとする」際に、本当に端的な一語か2,3の語句、あるいはひとつのイメージとして提示してみた上でお互いに照合するからこそ生じる面白さを体験していただく上で、お役に立てたかなというささやかな思いもあります。


*******


●今後の予定:



【B日程】6/15(日)14:45-19:00
【A日程】7/06(日)13:00-18:00

の予定です。

なお、第4土曜日の2つめのB日程のコースは、2回連続エントリーがありませんでしたので、当面行わないつもりです。ですから、毎月原則第1・第3日曜の月二回、ただし時間帯が違うという体制に戻させていただきます。

*****


 継続的な参加を必要とする内容にはいたしません。

 第1・第3日曜のいずれかのみ参加、
 敢えて月2回回の参加、
 更に、ランダムに参加されること等、ご自由に選んでいただければと思います。

 ただし、開催日前日夕刻までに、どの日にご参加希望かのエントリーを、継続者の方も、メール・ファクス・電話等で必ずお願いいたします。

******


 付言しますと、第1日曜の「学ぶ会」開催日(5/4も含む!!)については、夜19:00以降の個人カウンセリング・フォーカシング個別指導・ケーススーパービジョンの申し込み、第3日曜については、14:30までに終了する申し込み、19:30以降の枠のお申し込み、まだ予約がない場合には受け付けています。

2008/04/08

大船でフォーカシングを学ぶ会、次回は4/20(日)開催です。

 ご報告が遅れましたが、恒例、「大船でフォーカシングを学ぶ会」開催報告です。

*****


 さて、4/6(日)は、結果的には定員6名様満員御礼、私を含めて参加者7名で開催できました(^^)

 思いもよらない分野のたいへんスペシャリティの高い専門家の方、逆に、専門家でもないのにご職業の現場でほとんど援助職のようなお立場になってしまった方、一般の方で、言葉の問題に関心が深い方、フォーカシング関係者にご紹介いただいた、児童臨床、発達臨床の現場で働く若手臨床心理士の方など、多様な参加者の皆様が集って下さいました。

 今回は、それぞれの参加者の方が、最初の自己紹介でじっくりとそれぞれの今日に至るまでをお語り頂く形になり、そのことで参加者の方同士のやりとりがたいへん盛り上がりました。

 終わったばかりの、NHK連続ドラマ、「ちりとてちん」の話題で盛り上がったり(^^)

 そのため、一方でプログラムの時間が若干「押して」しまったことについては、全体のバランスを取るグループリーダーとして、皆様に申し訳なくも感じています。

 
******

 今回のプログラムは、


●第1部:身体感覚中心のclearing a space スペシャルバージョン(ホールボディ・フォーカシングつき)

 前回と同様に、1時間をゆうに超える時間を要した、集団法clearing a speceとしてはかなりの丁寧さを持った進め方!!

 具体的な内容は、毎回のように詳しくお書きしていますので、今回は省略いたします。

 ただ、「途中で眠り込んでも、それも自然な身体の求め」という話題が出たことは特記しておきましょうか(^^)


●第2部:藤嶽法第1法 ラウンドロビン型グループバージョン

 これもすでに過去の記録で繰り返し紹介していますが、今回は、リスナー側からの、フォーカサーの身になった短い応答の際の絵画のカードに添えて、即席で一曲お歌いになった方がいたんです!!(一番だけですが)

 こうした工夫は自由にできるのですが、これはまさかの柔軟さで、参加者全員盛り上がりました。


*******


●今後の予定:


【B日程】4/20(日 )14:45-19:00
【B日程】4/26(土 )14:45-19:00
【A日程】5/04(日・祝 )13:00-18:00

の予定です。

つまり、1カ月後のA日程は、ゴールデンウィーク最中の「国民の休日」ですが、「第一日曜日」の原則をそのまま堅持して開催します!!

*****


 継続的な参加を必要とする内容にはいたしません。

 第1・第3日曜、第4土曜のいずれかのみ参加、
 敢えて月2回、3回の参加、
 更に、ランダムに参加されること等、ご自由に選んでいただければと思います。

 ただし、開催日前日夕刻までに、どの日にご参加希望かのエントリーを、継続者の方も、メール・ファクス・電話等で必ずお願いいたします。

******


 付言しますと、第1日曜の「学ぶ会」開催日(5/4も含む!!)については、夜19:00以降の個人カウンセリングの新規申し込み、第3日曜、第4土曜については、14:30までに終了するカウンセリング・フォーカシング個別指導・ケーススーパービジョンの新規申し込みも受け付けています。

2008/03/27

治療関係のベースライン(第2版)

 =治療者自身が、自分が体験している暗々裏(implicit)に感じられた過程に注意を向け、味わい、「そこ」から応答する存在として、クライエントさんの-前に-いること。

 昨日、月に一度の、恒例、四日市での藤嶽さんたちとの「東海フォーカシング研究会」で、ジェンドリンの「人格変化の一理論」("a theory of personality change")の読書会をしている中で気づいたことなんですが。

 この研究会、すでに10年近く続けてきて、やっと、この、わずか40ページあまりの、ジェンドリンの体験過程理論の最重要基本文献の読書会、大詰めに差し掛かりました。

 原文旧村瀬訳、「セラピープロセスの小さな一歩」所収の池見先生をはじめとする先生方の新訳を徹底的に引き比べ、安易に先に進めることをしない、一回2時間前後、でも、いつまでに終わらせるかなど一向に気にしないという、超ロングランの読書会。

 4名の参加者が、自分の臨床経験に引きつけて、納得できる水準で、この論文を読み解いていかないと気が済まない形で進めてきたので、一日にわずか10行しか進捗しないこともごく普通という、恐怖の牛歩の歩みで進めてきたのですが 、私の解説にどんどんつっこみを入れて下さる藤嶽さんたちのおかげで、私がひとりではとても気がつくことが不可能な次元まで、ジェンドリンがこの論文に込めた含蓄の深さを読み解くことができてきたことについて、参加者の皆様に深く感謝しています。


*****


 以下に引用するのは、この論文の終わりから2つめの節、原書および村瀬旧訳でいう第25節、「体験過程の様式が極端に構造に拘束された場合」の中の、更に注26(原書の場合。.
池見他新訳でも「原注26」(pp.225-6).。村瀬旧訳でいう注55)の後半である。

 基本的には旧村瀬訳に依りますが、細部については阿世賀が更に改訳しています。

 なお、最後の方の茶色の部分は、池見先生たちの新訳からは欠落している(^^;) 


 クライエントが一言も語らないにしても,そこにはある感じられた相互作用過程が生じつつあり,まさしくこの過程において,彼の諸感情は分節化され象徴化されるのである。ある一人の人間の行動が他者の相互作用と体験の過程を再構成しうるのである。(定義23を見よ)

 クライエントが黙している間,治療者はそこに不快気に座っているところの問題を抱いた一人の人間の内に進行しているかもしれないと思えることを表明することができる。さもなくば,彼は次のような場合に治療者である自分の心の内面で進み行くものを表明することもできるのだ。

 それは彼が援助をしたいと願い,聞きたいと望み,圧力をかけたくないと思い,無用の存在ではありたくないと強く感じ,あるいはクライエントが黙っている時間が有益であるとわかれば嬉しいのだがと思うとき,或はまたクライエントの心中に去来していても,まだ話すだけの気持ちの準備ができていない多くの感情,多分諸々の苦痛な気持ちを心に描いているときである。

 これらを治療者の自己表現と呼びうるためには四つの条件が必要とされる。

1. それらが治療者自身の自己表現であることが,はっきりと表明されること。もしそれらの表現に何かクライエントについてのことを示唆するようなところがある場合に、治療者は,自分のいったことが事実かどうか確信はないのだ,ただそう想像するのだ,こういう印象を受けたのだ等と言う必要があるのだ。それについてクライエントの側から,確かにそうだとか,間違っているとか示してもらう必要は少しもないのである。治療者がまさに自分自身のために語るという点が重要なのである。

2. 治療者が、自分が表明しようかと感じている気持ちに、二,三分の間(a few moments),焦点を合わせる時をもつ〔ことは有益である〕。彼は〔その二,三分の沈黙の間に〕感じていることのすべての中から、安心して単純にいえるような、ある一部,ある局面を探し求めるのだ。人間にとって,ある瞬間(a moment)に暗黙のうちに感ずる何百,何千もの意味をすべて言うなどというのは不可能である。一つあるいは二つの,とくにその瞬間には,あまりに個人的にわたり過ぎたり,具合悪過ぎたり,困惑が大きすぎるように思われることどもが,ごく短時間の(a moments)焦点づけ(focusing)の後には,現在の相互作用のパーソナルな表現と変わるのである。

 具体的に述べよう。〔治療者である〕私にとって共に黙っていることが耐え難いところであり,かつ私はどうも彼にとって何の役にも立っていないらしい。〔……と私が感ずる場合〕、〔治療者である私の、〕まさに「この」感じこそ〔まさに我々が関心を払い,活用すべきところなのである〕!! 「そこ」にこそ私が彼に語りうる何ものかがあるのだ。

 あるいはまたこうして共に黙っていて一体彼の中に何かが動いているのだろうかと私の方で疑問に感ずることがある。私はもし彼にとって黙っていることが,考えたり感じたりする時間と心の平和とを与えるものならば,私も喜んで黙っていたいと感じていることがわかる。私はそのことを表明することができる。

〔阿世賀注:「私は今、あなたの前でこうして黙ったままでいるのが苦しく感じ始めています。私があなたにとって何の役に立っていないのではないかという不安も感じています。でも、それはあくまでも私の側だけの感じ方かも知れませんね。......この沈黙を、あなたと共にしていることが、あなたにとっても安らかで有意義なものであればいいのだが、と念じながらここに座っているのです。」といった自己表明になると想定できる〕

 かかる表明は二人の個人的なものの暖かい交わり,一つの相互作用なのである。

 だが、このような自己表明のためには、〔治療者は、〕二,三分の間,自己に注意をふり向けることが必要とされる。この間に私は,この相互作用において現在〔治療者である〕私が体験している過程に焦点を合わせ,そこにひらけを生じさせるのだ。

3. 我々のうちに湧いてくる言葉使いや意味は,我々が話しかける相手に対してこちらが抱いている感情全体から非常に強い影響を受けるものである。一人の人間としてのクライエントに対する治療的な態度とは,彼に対して全体的に存在する(being totally for him)という態度であり,ロジャーズ(1957)のいう「無条件の尊重」(unconditional regard)ということである。ホワイトホーン(Whitehom)(1959)はそのことを患者の「弁護士」のような在り方と名づけている。それは我々両者が共にこの問題をどんなに嫌だと思っていようと,一人の人間としての個人が自らのうちにおいて,そのことに「あえて直面する」("up against")ような態度を指している。私は常に真実の気持ちをもってそう考えることができるのだ。

 (この感度というのはあれこれの行動,特性,態度,あるいは特異性についての承認や同意や好意とは何の関係もない。)
 しばしば私は,こうしたすべてのことに「直面して」いる或る内面の個人というものを想像しなければならない。こうしたことをして後,何カ月も経ってから始めて私はその人を愛し,知るようになるのだ。
 このことがいかに具体的で規定可能な態度であるかには,驚くべきものがある。我々はそれを頼りにして良い。個人の中にある,どんなに好きになれないことにでも「あえて直面する」一人の人間というものは常に存在するのである。

4. クライエントが自己を表明するときには,そのことへのある反応が必要である。かかる場合,治療者の自己表明はかえって妨げになる。

 クライエントの感情や彼に感じられた特定の意味に反応する機会と,何かを知覚し解釈する正しい確実な方法とがある場合には,そのことに対して正確に反応〔応答〕することが最上のそしてもっとも強力な反応なのである。

 〔以上述べてきたような、治療者が〕自己表明していく反応様式(モード)は、あくまでも、こちらが反応しようにも反応できるようなものが殆ど見つからないクライエントに適しているのである。

 一つの反応様式としての治療者の自己表明は,ただ外的な状況について述べるか,全く沈黙を保って座っているような人で,殆ど感情を表明せず,精神病的だと分類された人々にとっては重要なことである。

 しかしながら、具合よく行っている人々の中にも,深い相互作用をつくることがむつかしい人も多くいる。それは彼らが自己を表明しないからである。カートナー(Kirtner)(1958)が見出したところによると,面接の第一回目のときに殆ど自己の内面に注意をむけないような人々は,治療で失敗することが多いことを我々は予測できる。近来我々は,治療者の自己表明がそのような人々の相互作用及び体験しつつある過程を再構成する助けとなりうることを学びつつある。


*******


 以上の箇所、「治療者の自己表明」という題目であるので誤解されやすいのだが、ここでは、いわゆる「治療者の自己開示」について取り扱っているのだと誤解されるととんでもない事柄について、ジェンドリンは厳密に、条件規定しながら述べていることについて、まずは注意を喚起しておきたい。


 次に、この部分が画期的なのは、私が知る限り、ジェンドリンが、文献で見られる形で、「意図的にフォーカシングすること」について述べた、最初の箇所であるという点である。


 しかし、セルフヘルプ的な「技法としてのフォーカシング」は1970年代になって急速に成長したものであり、ジェンドリンの視野にまだなかったものであるから、池見他による新訳におけるように、「フォーカスする」とか「フォーカシング」という言葉を、1964年のこの論文の時点で、訳として使ってしまうのは誤解を与えかねないと思う。あくまでも「焦点づけ」という訳にとどめるのが慎ましいことのように思えます。

 
 しかも、そうやって、意図的に行うものとしての「フォーカシング」についてジェンドリンが最初に言及したこの箇所で、ジェンドリンは、それを、あくまでも、クライエントさんとの面接場面のただ中で、セラピスト自身が、面接場面のただ中で感じている漠然とした曖昧で複雑な感じ全体に改めて注意を向け、味わい直し、その場に無理なくふさわしい反応を見いだすための、沈黙しながらのひとときとして述べていることも重要だと思えます。


 フォーカシングは、クライエントさんの、自分の内面への焦点づけ能力を高めるために、クライエントさんが学ぶ技法ではなかったのですね。

 
 「フォーカシングの臨床適用とは、面接場面のただ中で、治療者自身が、治療場面で感じるフェルトセンスにフォーカシングしていくことがベースラインであり、クライエントさんにフォーカシングの教示をすることではない


 なんだ.....私が長年、フォーカシングの「臨床適用」の基本として繰り返して主張してきたことと、全く同じところに、ジェンドリンの出発点はあるじゃないか。


*****


 興味深いのは、その際に、クライエントさんがどのような感じでいるのか、クライエントさんの身になって感じてみて、その結果をクライエントさんに応答(表明)することに関して、ジェンドリンがむしろ抑制的・警戒的ですらあること。

 むしろ、クライエントさんを前にして治療者自身がどんな居心地になっているかに、治療者自身が、虚心に、じっくりと注意を向けて感じてみることの意義を強調している。

 そして、そうした沈黙の中から、クライエントさんに言葉にしても無理のない言葉が浮かび上がること、そしてそれを表明することの効能について述べているのである!!

 
 クライエントさんの「身になって」感じてみた結果を、断りもなく治療者の側から安易に表明することは、クライエントさんにとって「侵入的」になる危険を冒すものであると、ジェンドリンも考えているのではないかと思う。

 精神病的なクライエントさん相手の場合だと、それこそ「思考伝播」「思考奪取」(自分の考えが読まれている、抜き取られている)の不安すら触発し、自我境界を更に危うくする侵蝕的アプローチであり、仮に用いるとしても、慎重に場の空気を読みながらなされるべきだろう。

 「あなたは、こんな感じでいるんでしょうね」ではなくて、関係についてじっくり吟味した上で選り抜いた、「私は,あなたを前にして、こんな感じでいるんです」という表明の方が、クライエントさんを脅かさない。

 治療的面接場面において、セラピストは「クライエントさんがどんな気持ちなのか」に共感し、それを受容しようというモードにはまりがちである。その結果、自分がその面接の場で、どんな居心地でそこにいるのかについては注意を向けなくなる。

 しかし、クライエントさんは、そうした、面接室のただ中での、カウンセラーのたたずまい全体....すべてを感じながら、カウンセラ-が、クライエントである自分と向き合い、その場にどっしりと居てくれるているかどうかの方を、まるごと敏感に感受しているものだと思う。

 これが、セラピストの「プレゼンス(現前性)」と呼ばれるものの中核なのではないか。

 そして、そうした、共に悩みを見つめる関係性の「場」そのものに安心感と安全感を見いだしていられるかどうかの方が、クライエントさんにとっては、ベースラインとして、重要なことなのではないかと思う。


 現代のエスプリ410「治療者にとってのフォーカシング」(伊藤研一/阿世賀浩一郎 編)の中の一論考、

阿世賀浩一郎 :面接場面でクライエントの「容れもの(container)」として機能する技法の試み
〜治療者自身の体験過程を生かし続けるためのベースライン〜

で、治療者自身が面接場面で常時維持すべき「フォーカシング」のモードとして、(クライエントさんへの)「感情移入的焦点づけモード」と、(面接場面で、クライエントさんを前にして、どんな感じでいるかという)「自己指向焦点づけモード」の2つがあり、この2つを二重に抱えながら、時々スイッチを切り替えるように行き来して感じてみることを論じたのは、方向性として間違いでなかったと改めて感じた私だった。

 関連するこのブログの記事としては、こちらを参照していただければ幸いである。

●自分が相手に共感できて「いない」ことを「自己『共感』」すればいいのだ!!
●クライエントさんに「共感できない」気持ちを糸口に、クライエントさんへの深い「共感」への道を開くこと
●カウンセラーが「前に-いる」ということ

なお、続編こちらにあります。

より以前の記事一覧

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