体験過程

2012/01/04

フォーカシング指向認知行動療法の可能性

フォーカシング指向心理療法は、技法としてのワン・セットのフォーカシング技法を現場面接に持ち込むことではありません。そうしたやり方を杓子定規にとることは、いろいろな意味で効果を上げにくいと私は感じています。

フォーカシング技法を学ぶ場と、現場でのカウンセリング場面は別に設定するのが望ましいかと思います(このあたり、「子どものためのフォーカシング」では見事にその壁を乗り越えていますが)。

むしろ、他の技法と柔軟に融合させた「エンジンオイル」としての活用が、現場では有意義だということは、ジェンドリン自身、「フォーカシング指向心理療法」で述べています。

この2冊のうちの下巻では、ラザルスのアプローチを引き合いに出して、認知療法との統合について示唆した章があるのですが、私なりに、「フォーカシング指向認知行動療法」を体系的に定式化する試みをすでにし始めています。

(ABAや解決指向アプローチとの融合についても含まれています)

以下、以前に書いた私なりのとりあえずのフォーマットを紹介したいところですが、すでに以前にまとめた記事があり、たいへんな長文ですので、リンクだけ掲載します。

●フォーカシング指向心理療法の認知行動療法的活用についてのとりあえずの覚え書き

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2012/01/01

初夢

読者の皆様、明けましておめでとうごさいます。

初詣は近所の、由緒ある、櫛原天満宮(福岡県久留米市)に行って参りました。久留米城(篠山城)の東の守りの方角にあります。

K3400041

 ↑ 本殿右側の赤いのぼりが立っているところに富くじ(300円)があったのですが、一等、豪華野菜盛り合わせセット(5kgぐらいはある)を引き当ててしまいました。

これで今年の運を使い果たしては困るのですが「オーソドック版」おみくじの方は「中吉」。

「なに急ぎ 花咲きはなの 散るならむ 心しずけく 見むと思ふに」

「金運出世に兆しあり。諸事叶う。信心しなさい」

*****

さて、今朝みた「初夢」の話。

すでにこのブログでも何回か取り上げましたが、「夢フォーカシング」というのがあります。 http://bit.ly/kZo3kg 

これに従い、今朝覚えていた3つの夢のうち、ひとつのフォーカシングの内容を公開します。

「相撲部屋」に在籍している夢。去年はメタボが少し前進する不幸な年であったが(運動そこそこしているのにまだ効かない)、それは置いといて。

夢フォーカシング、【質問4】「場所」の方略。

「夢に出てきたような(居心地がする)「場所」について何か連想するか?

・・・そこは、江戸時代の牢屋のような、太い木材で柵(格子)も作られた、養鶏場のケージを巨大化したような迷路のような空間。

迷路の途中に、管理人のおばさんのような人がフロントみたいなのに立ってていて、もう忘れてしまっていた戻り先を尋ねると、

「あなた数ヶ月部屋代(?)滞納していたでしょ?」

とまくし立てられた。

「部屋代=(会費)の滞納」・・・すでに耳をそろって支払ったが。先日までそうだったものな。

さて、辿りついた自分個人用スペース。二畳ほどの寝起きをする柵部屋の格子が太い柱で組まれている。隣の部屋の間も柵を隔てて素通し。

そこに一枚の印刷した紙が床に落ちている。

「部屋」(相撲部屋)内部での番付表と言うか、「勤務評定」のような内容。

身体が思うように動かないで来たので、「最下位集団」と思っていたが、そんなにいい数字評定ではないものの、「全体のちょうど真ん中の」順位であり、それは夢の中でも少し意外でほっとしていた。

更に、その部屋は、目の前に、壁も窓も格子もなく、解放されていて、外の空間につながっている。

なかなかその自分の「居場所」にすら身を置けるところにすら「迷路」の中でたどりつけなかったのだが、その牢獄のような居場所から、今や、目の前の空間に「飛び立とう」とすれば飛び立てる・・・というのは意外と悪くないひとつの理解。

(以上、【質問5夢のあらすじは?の方略)

「自分には『お相撲さん』のような所があるか?【質問7】

・・・・いろいろな意味であると思う。自分で言うのも何ですが、いろんな意味で、地元の「琴奨菊」を重ねたくなる気もする。昨日の紅白の審査委員もしていたわけですが(【質問3】きのうのことは?)

*****

今までの自分の状況と、これからへの「展望」を示唆するという意味で、最初苦しいかに感じたいたが、実は結構いい夢ではないか・・・という方向にシフトしたように思います(^^)。

※夢フォーカシングの更に具体的なマニュアルについてはこちらをどうぞ。

*****

今年も、「カウンセラーこういちろうの雑記帳」、どうかご愛読の程を。

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2011/12/31

フォーカシング関連書籍、全員集合!!

大晦日でもありますので(?)、Amazonで購入できる、日本のフォーカシング関係の「全」書籍をご紹介いいしたします。

これらのうち、私(阿世賀浩一郎)が編者になっているのが1冊、共著になっているのが三冊です。

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2011/06/29

アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything") 書評

アメリカのフォーカシングの名教師、アン・ワイザー、コーネル女史による本書の原題は"Radical Acceptance of Everything"である。この"Radical"という言葉の含蓄と、邦題の「すべてあるがままに」という語感には著しいギャップがある。原題をう まく噛み砕いてキャッチーなものにするためのアイデアは他に容易になかったかもしれないが、本を開いてみた方が、内容に面食らうであろうことは相違に想像がつく。

"Radical Acceptance of Everything"とは何か。自分の中に生じてくる様々な思念や情動などをひとつひとつ対象化し、その存在をひとつずつ認めてあげて (acknowleging)、それらすべてのかたわらにに佇(たたず)んでいてあげることで、自分内部にスペースを見出すという、意図的な過程を経て見出された状態のことを指す。それが実現できれば、その人の変化は、自ずから着実に進行し始める。

アンはこれを本書の多くの部分で「プレゼンス状態」と呼ぶが、今度はこの"Presence"という言葉そのものが日本語として馴染みにくい。私は"Presence"を「臨在性」と訳すことを提案したい。(内的に対象化し得るすべての)「傍(かたわ)らに、たたずんでいてあげられること」を指すからである。そこには関係性が含意されている。

訳が分かりづらいというレビューをされている方があるが、私が精読した限り、上記のポイントを除けば、本書は原著を非常に精妙に翻訳したものである。実は、そのように精妙に訳さない限り、言語学者としての経歴を持つアン女史による本書の真意は伝えようがない。ほんとうに「繊細な」内的作業の仕方について書かれている本なのだから。

つまり、本書は読者を選ぶのである。フォーカシング技法について多少なりとも「体験的に」身につけている人であることが条件。

一定の目安を述べれば、少なくとも、アン・ワイザー女史の「フォーカシング入門マニュアル」を十分に読みこなせ、その技法を自分の為に、あるいは聴き手として実践できる人であれば、アンさんの他の著作を読まないまま本書に進まれても、熟読すればその真価ががわかるであろう。

そういう意味では、フォーカシングに対するある一定の熟練度がある人が「がっぷり4つに組んで」熟読するのための本である。

本書に収録された論考やエッセーそのものが、一部の書き下ろしを除き、実は国際フォーカシング機構(The Focusing Institute)の機関誌に寄せられたものである。ゆえに、「フォーカシング・ピープル」のための新たな刺激剤(しかも衝撃力がある起爆剤!)として 位置づけられる運命を背負っていると思う。

だが、本書で示唆されたレヴェル(実は、身につけてしまえばそんなに複雑とは感じないものになるのだが)を実践できる一団が日本に現れるならば、日本の心理臨床界におけるフォーカシングについての認識を、根本的に変革させるだけのパワーを秘めていると確信する。

******

本書については、当ブログでもこれまで多少言及したことがありました(こちら参照)。しかし今回、Amazonレビューとして新たに書き起こしたものを転載しました。

本書は、「入門マニュアル」「ガイド・マニュアル」に続く、「ニュー・マニュアル」の更に次の、アンの技法書として位置づけられます。

******

 アンさんの著作、あるいはワークショップへの参加から、私は大きな影響を受けてきました。本書は自分がそうした中で私が身につけてきたものを明確に再確認するのに役立ったと同時し、いくつか新しいアイデアももらえたと感じています。

 私のフォーカシング個別指導でも、本書で書かれた内容に準じたことをお伝え出来ていると感じて、ほっとしたところがあります。

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2011/06/24

格差社会の中での自分探しとフォーカシング(togetter)

このtogetterは、坂井 素思・岩永 雅也 (編著) 「格差社会と新自由主義」を読んで、経済学・社会学的見地から今の日本の生きづらさと解決の方向性について考えさせられ、引き続き、池上正樹(著)「ドキュ メント ひきこもり -<長期化>と<高年齢化>の実態-」を読んで感じた、世代や社会人経験を問わず、自分のあり方について熱心に内的に追求する層 こそ引きこもり=永遠の失業者に陥る現状に刺激を受けて、今度はそうした現代の「自分探し」の堂々巡りの解決のための具体的方法論としてのフォーカシングの可能性という、カウンセラーとしての私の専門領域での実践活動に到るまでを紹介するという、かなり越境領域的なツイートの連鎖です。

フォーカシングの名教師・アン・ワイザー・コーネルさんの"Radical Acceptance of Everything"(邦題:「すべてあるがままに」)で述べられた諸見解について、私なりに噛み砕いた紹介にもなっています。

途中、唐突にテーマが 変わるかに見える部分があるかと思いますが、繰り返して読み返していただければ、私の思考と連想の過程が浮かび上がるかと思います。

こちらからどうぞ。

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2011/05/11

フォーカシング技法の成立過程から現在の動向まで (togetter)

 短いtogetter(Twitterの記事をまとめて配列し、コメント機能を持たせもの)ですが、フォーカシングの由来と、未解決の今後の課題について論じてみました。

 興味のある方はご覧下さい。

 入り口はこちらです。

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2010/11/16

池見 陽 著「僕のフォーカシング=カウンセリング」評

 以前にも、知人に「見せていただいた」段階での「ご紹介」記事を書きましたが、自分で実際「手に入れて」感想をお書きするまで、随分時間が空きました(^^;)

 池見先生が徹底的に「自分の言葉で」お書きなのに非常に好意を持ちました。そうでないと「人に伝わらない」のです。

池見 陽/僕のフォーカシング=カウンセリング

 鹿児島でのワークショップへの旅立ちから大阪への飛行機での帰着までの、池見先生の内面を含む「実況中継」をメイン・ストーリーにした、池見先生の、早過ぎる「自叙伝」みないな雰囲気で一貫してますね。

 驚いたのは、参加者8名全員に公開フル・セッションを行なうために鹿児島に行かれたという、そのやり方です。「ライブ・セッション」をして見せてはじめて関心を持ってもらえるわけというのは私も同意見、早々に「ペアになってやってもらう」ばかりでは上達しません。

 更に言えば、カウンセリングにおける受容とか共感についての「大学での講義」や模擬面接、事例検討会、あるいは単なるグループ・集団型のワークショップだけでは伝わらない次元のものが「迫って」くる印象です。

 本書でお書きになっておられますが、楽器の演奏でもスポーツでも基本の「型」があるし、それに馴染んで「身につけて」いること基本前提です。しかしそれを現実のパフォーマンスとして「プレイ」する時には無意識のうちに縦横無尽に使いこなせないと本物にならない。

 そういう「アドリブの仕掛け」まで解き明かしてくれているあたりが、これまでのフォーカシング関連の著作を超えた、たいへんな功績だと思います。

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2010/11/12

人を見て、「これだけはしないでおこう」と思ったことは何?

ブログネタ: 人を見て、「これだけはしないでおこう」と思ったことは何?参加数拍手

  1.  単なる二次情報の受け売り。
  2.  周囲の様子ばかりをうかがって、「大人しく」ふるまう「だけ」になること。

  「独創性」というのは、コンテンツ(内容)」の次元では幻想なのかみしれません。

 でも自分の内側の曖昧な実感(フェルトセンス)から生き生きと紡ぎ出される、過程進行中(In Prosess)で自己駆進的(self propelling)な体験過程様式の中で生まれてきた言葉なら他人様に対して説得力のある表現になるはずです。

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2010/06/15

「フォーカシングのプロセスはジグザクである」(ジェンドリン)

 ジェンドリンのこの言葉は、体験過程の小刻みなステップ一つ一つが、より「正しい」方向に向かうものでは「ない」ことを示唆している重要な発言であると私は考えています。

 ちょうど、V字状に繰り返しUターンしながら山頂をめざす登山道のことをイメージするといいかもしれません。

 山頂の方位が仮に真北であっても、登山道は、ほとんど真西に向かったり、真東に向かったり、「オーバーラン」を繰り返す。

 時によっては、高度が上昇するとは限らず、下り坂すらあるかもしれません。

 ですから、ある特定のシフト(洞察)体験のみをいつまでもありがたがって大事にしていると、どんどん「あさっての方向」に向かう可能性もあるのですね。

 そういうわけですので、私個人としては、フォーカシングで非常に印象深い体験をした人が、「生乾き」のうちに、それをニュースレターとか、不特定多数の読者が読む場所で公表してしまうことには、慎重である方がいいという立場です。

 フェルトセンス("it"=「その」感じ)に直接注意を向けることによって拓(ひら)かれ行く体験過程は、幾つもの、幾つもの、曲がりくねったステップを重ねた時にはじめて、その人が現実の中でやっていくのにふさわしい、生(life)の「導きの星」へと徐々になっていくのです。

The Beatles - The Long and Winding Road(YouTube)

 ひょっとしたら、フォーカシングの体験は、信頼できるリスナーとの間の「秘め事」的性格を持たせる方がいいのかもしれない。

(念のために言います。これは具体的な誰それの体験記の公表について危惧を表明しているわけではありません。以前から書いてみたかった「一般論」であるに過ぎません

***** 

 もっとも、途中で体験過程の軌道を「見失った」と自分で感じた時に、自分が覚えている、最後のステップのところまで立ち戻り、その時の実感とキー・ワードやイメージを思い出し、味わい直してみることから「やり直す」ことは、非常にお勧めの「復旧策」です。

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2010/02/14

池見陽著 : 「僕のフォーカシング=カウンセリング」のご紹介を兼ねて

 「書店で目にすることができる多くのフォーカシングの著作は、『誰々が演奏するフォーカシング』になってはいない」(p.2)

 ジャズを勧めるとしたら、最初にジャズの技法や奏法の本を勧める人がどこにいるだろう? ライブかCDを勧めるはずだ。「○○の演奏による」が存在しないジャズの名曲など存在しないというわけですね。

 趣味でジャズ・トランペットを奏することでも知られた池見先生による、「革新的な」著作です。

 全編が、鹿児島で催したワークショップへの出発から大阪への帰着までの「ドキュメンタリー」というより、「私小説」に近いタッチで書かれています。

 こういうかっこよくてクールな文の書き方は、池見先生でないとお似合いになりません(^^)

 先日私もご紹介した、ジェンドリンの「セラピープロセスの小さな一歩」のはじめの方の、

フォーカシングであれ、リフレクションであれ、他のものであれ、
二人の間に挟み込んではならないのです。

(中略)
武装しているという感じになってくる。


を引用して、「武装解除」宣言からはじまるわけですね(^^)


池見陽/僕のフォーカシング=カウンセリング

(楽天ブックス)

*****

 「久留米でフォーカシングを学ぶ会」、本日、滞りなく開催されました。

 その参加者の方から上記の本をご紹介いただきました。

 この本、その方はたまたま偶然Amazonでの発売予告を目にして予約購入なさったそうですが、2月10日に発売されたばかり。私も、何の情報も持ち合わせていませんでした。

【追記 10/11/16】:実際に自分で入手して、お読みしてからの感想はこちら

 そのご紹介からの影響からか、今回は、スコット・ラファロ在籍時のビル・エヴァンズ・トリオのような、「各奏者が対等な」、しかし完全に「脱技法化された」対話だけで数時間がじっくりと柔軟に進行しました(^^)

 次回は3/14(日)に開催です。

 フォーカシングについての学習経験が全くない方の新規参加も歓迎しております。

 参加エントリー、お持ち申し上げております。 

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

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