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2016年7月30日 (土)

最重度障害者の現実

衆議院議長大島理森様

この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。

私は障害者総勢470名を抹殺することができます。

常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為と思い居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。

理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。

障害者は人間としてではなく、動物として生活を過しております。車イスに一生縛られている気の毒な利用者も多く存在し、保護者が絶縁状態にあることも珍しくありません。

私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。

重複障害者に対する命のあり方は未だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。

(後略)

*****

容疑者が

>重複障害者

と書いた部分、この言葉で対象とした人たちについて、マスコミは説明不足だと思います。

知的障害は、重度になればなるほど、何らかの身体障害も伴います。最重度の人になると、車いすどころか、寝たきりであったり、一人でトイレにも行けず下の世話もしなければならない。一度パニックになると感情のコントロールも効かない。

私には都立の「最」重度障害者施設での研修生経験があります。

今回の施設と同様に、山奥にある施設でした。

何も言葉を理解しないばかりか、行動面でも突然噛み付いて来たりもする。私は噛みつかれた現場でも職員は何も介入してくれませんでした。

その利用者の「個性」としてどういう場合にトリガーを引かれるのかを自分で判断できるようになれという方針だったのだと思います。

今回の舞台となった施設は「重度」半分、「最重度」半分という構成だった様子ですが、子供の頃から死ぬまで「訓練」しても状態は変わらない利用者さんをずっと支える職員たちの心身の無力感との戦いは並大抵のものではないはずです。

身分は「職員」(私が研修した施設は「地方公務員」)でしかなく、特に今この領域に特化した「資格」というものは日本にはありません。公務員なら「人事異動」で来るだけということになりますが、その勤勉さには頭が下がりました。

認知症であれば、「介護福祉士」という資格があるのとは対照的です。

多くの方々は、「養護施設」の利用者だったり、時々大勢の引率者のもとで集団で遠足にでかけたり、親に付き添われてるのに遭遇するというかたちでしか「知的障害」の人たちと遭遇する機会に乏しいかとも思うのですが、「最重度」障害者のそうした現実はマスコミは報道不足です。

更に偏見を深め、「安楽死させろ」という発言に変に共感する人たちを増やしたくないので、報道は控えめなのかなとも思いますが。

勤務しはじめて1年で利用者に暴力をふるっていたのに辞めさせなかった施設側も問題です(出入りの激しい職場だったにしても)。

別の報道によれば、全国の障害者施設のうち430数箇所で職員の暴力が報告されてるということです。

私は容疑者に何ら共感する点はありません。

でも、こうしたことがらがタブーとされない上で「差別」の問題が議論される必要があると思います。

:*****

なお、彼の病理性について、「躁鬱病」「麻薬精神病」「自己愛パーソナリティ障害」「反社会的パーソナリティ障害」「精神病質」などいう評論がありますが、最新のDSM-5(アメリカ精神医学診断基準)に照らし合わせる限り、彼は「パーソナリティ障害」ではなくて「行為障害」、しかも「素行障害(Conduct Disorder)」という診断名が登場していて、かなり近いかと思います。「最近12ヶ月以内」に問題行動が生じていれば条件を満たしますので。

確かに誇大妄想の側面もありますが。

●参考文献:DSM-5による反社会性パーソナリティ障害・素行障害とサイコパス(宮川 充司)

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    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

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