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2013年1月 6日 (日)

フォーカシングで修論を書く、臨床心理系大学院生の皆様のための、比較用語辞典 1 (再掲)

Focusing_hyoushi_1 主として、ジェンドリンの 『フォーカシング』(1981)」(以下、《フ》と略)と、 『人格変化の一理論(1964)』(《人》と略) における用語の関係、そして、 体験過程尺度(experiencing scale)などとの関係について、簡単にまとめておきます。

 これだけを一般の皆様がお読みになると、何が何だかわからないでしょうが、フォーカシング関連で修論を書こうとする心理臨床系の大学院生の皆様には、これだけでも重宝していただけるはずと思います。

*****

●[技法としてではなく、自然に人の中に生じる現象としての] フォーカシング(focusing) 《フ》 =直接のレファラン(direct reference) 《人》 =体験過程尺度 stage 5

●フェルトセンス(felt sense)  《フ》 = 直接のレファラン(direct referent) 《人》 =[体験されている]暗黙の意味(implicit meaning)

●フェルトシフト(felt shift)[あるいは、略して、「シフト」(shift) 《フ》 =ひらけ(unfolding) 《人》 =体験過程尺度 stage 6

●連鎖的、拡大的な連続シフトが生じること 《フ》 =全面的な適用(grand application ) 《人》 =自己駆進的(self-propelling)体験過程 《人》 =体験過程尺度 stage 7 ]

●フェルトセンスとしてですら、感じようとしても感られない 《フ》 =「暗黙の意味」が感じられてない《人》 =構造拘束的(structure-bound)[な体験過程様式のもとにある]【注1】 《人》 =凍結した全体(frozen whole) 《人》

●フェルトセンスとしてすら感じようとしても感じられなかった「何か」が、注意を向ければ、フェルトセンスとして体験可能になる過程 《フ》 =再構成化(reconstituting)【注2】

●情動(emotion)に巻き込まれた 《フ》 =距離が取れて(make a space)いない 《フ》 =脱同一化(disidentification)されていない【注3】

*******
【注1】  「構造拘束的(structure-bound)」体験過程様式の対義語は「過程進行中(in prosess)」である。1990年頃までの日本の研究論文には、"structure- unbound"という言葉が散見されるが、ジェンドリン自身の論文にはそんな用語はない....というより、体験過程理論がほんとうに理解されていない時代の遺物と思って欲しい(ゴメンね、使った先生方m(_ _)m )。

 このことを学術論文上で公式に指摘して、その後"structure- unbound"なる言葉を、新たな学会誌から放逐するきっかけとなったのは、大石英史氏の論文による指摘である

【注2】  この「再構成化(reconstituting)」という用語をに関しては、現在でも日本の研究者の論文では、正確で厳密な使用がなされていると確信できるものを私は読んだことがない(^^;)。ジェンドリンがちゃんと「人格変化の一理論」で、厳密に説明しているのに......  「再構成化」によってフェルトセンスとして体験可能になった場合にしか、フェルトセンスと「象徴化」の相互作用における、体験過程の「推進(carry forward)」は生じない。

 逆もまた真であり、フェルトセンスと「象徴化」の相互作用における、体験過程の「推進(carry forward)」によって、「再構成化」は徐々に進展するのである。

【注3】  「脱同一化(disidentification)」は、フォーカシングを学んだ人にはおなじみの、アン・ワイザーさんがフォーカシング技法論に導入した概念である。

 精神分析用語的に言うと、「意図的(意識的)な『解離(dissociation)』」という、論理的には矛盾のカタマリに思える状態を指すことになる(これについては、松木邦裕先生と田嶌誠一先生からの直接のご示唆に感謝いたします)。

 しかし、実は誰にとってもごくありふれて生じている現象である。

 アイデンティティの概念を広めることになった、精神分析のエリクソンの「同一化(indentification)」概念とは何も関係ない

 むしろ、トランスパーソナル学のケン・ウィルバーが「ケンタウロス段階」における現象として用いた「脱同一化(disidentification)」に起源があると推測できる(そういえば、Ann自身にこのこと確認しないままだ)。ケン・ウィルバーはこの点ではフォーカシングを正しく理解しているし、Annの用法とも矛盾しない。

 しかも、それを「更に」遡(さかのぼ)ると、サイコシンセシスの創案者アサジオーリに起源があるようだ。

(確か、ウィルバーのこの著作での吉福氏の訳注にこの解説がある。もとよりアンへの言及はない)

 だが、アサジオリまで逆にたどると、吉福氏にの記述に拠る限り、アンのそれとは、かなり意味が異なりはじめるかなと思う。

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    ちょうど紅葉の時期と見事に重なり、車窓も徒歩もひたすら紅葉の山づくしでした。このページの写真は、島根の足立美術館の紅葉の最盛期です。

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