来年4月からNHK衛星放送はハイビジョンの2波に再編成される。
地上波デジタルテレビを導入してやっと気がついたのは、NHK衛星第1と第2(もちろん「衛星アナログ」ではなくて「衛星デジタル」である!!)が、地上波デジタルの画面に比べても何か「冴えない」画質でしかないということだった。
私は地上波デジタルを導入するまでハイビジョンを自宅で観た経歴がなかった。ほんの何年か前の頃は、ハイビジョンのテレビが32型で実売5万を切ることもあるという相場には全然なっていなかったわけである。
ハイビジョンですら、例えば水のキラキラした流れを撮影すれば、情報量目一杯になるのだろう、小さな四角の市松模様がチラチラする場合もある。地上波デジタルの同様の市松模様よりは箱がずっと小ぶりだが(地デジの解像度は最高1440×1080、BSのハイビジョンは最高1920×1080のフルハイビジョン)。
地上波デジタルは、必ずしもそんなに高品質ではないという意見もあるが、BS1とBS2の方がすでに何となく「見劣り」していたということに同意してくださる方も少なくないだろう。
(方式が違うので単純なスペック比較はできないかもしれないが、何か、地上波デジタルの方が現行BS1とBS2より輪郭がすっきりくっきりした「抜けの良さ」がある気がする)
そうこう思っていたら、数日前に、来年(2011年4月)から、現在の「衛星第1」「衛星第2」「衛星ハイビジョン」の3波態勢が再編され、「NHK BS1」「NHK BSプレミアム」の2チャンネルに再編されることを知った。
すでに以前から流されていた情報らしいが、公式に、チャンネル名を含めて総務省から正式に認定が出て、公表されたたのが9日である。
どちらもハイビジョン規格である。
12/4以降、BShiでは「BSベスト・オブ・ベスト」と題して、放送時間の殆どといっていい時間帯で、これまで10年の(主として)ハイビジョンの名作の再放送を続けているのだが、この「大盤振る舞い」は、こうして2波に統合される直前だからこそ、意識的になされているのだろう。
多くの番組が、1時間50分前後の映画並みの大作ドキュメンタリーである。
一週めの歴史・紀行系のドキュメンタリーも興味深かったが、2週目に入ってからの一人の人物に密着取材したドキュメンタリーに、これまでのBShiの真髄があったのではないかとも感じた。
一昨日の立川談志、昨日の小澤征爾(まだこの後もあるらしい)やバレリーナの吉田都、バイオリニストの神尾真由子など、別に映画や自然風景」だからハイビジョンの価値があるというわけではなく、「人間のリアリティ」を長尺で伝えても飽きさせないあたりに、固有の面白みや奥の深さに気づかせてもらえた。
メッセージが押し付けがましくならない、特定の視点からのみ切り取った感じがしないのである。人間が淡々と丸出しになっていく。
2波化されたあとの新「BS1」は、従来のBS1に通じる、スポーツと報道中心の路線で行き、「BSプレミアム」は、これまでの「BS2」と「BS-hi」の流れを汲む教養と娯楽のチャンネルと位置づけられるようだが、実質的には枠がひとつ減ることになる。
個人的には、BS2の番組を映画とクラシックのライブ以外で観ることはほとんどなく、BS2固有の存在意義が何か魅力不足になってきていると感じていたし、一部の番組に、BShiの地上波よりも先行放送することまでは理解できても、それに輪をかけてBS2でも放送という3重の放送まで必要かと思うこともあった。
だが、今後も、従来のBS-hiの持っていた重厚な深みある「独自制作番組」がこれまでと同じような余裕あるクオリティで製作され続けることを祈りたいと思う。
すでに18時から20時までのNHK総合を除くと(時として総合のNHK特集は見るが)、民放のBS含めて(あの、昼間のショップチャンネルだらけの埋草的時間帯には閉口しながらですが・・・)、結局、地上波デジタルテレビではなくてBSデジタルの方を見ている時間帯が遥かに長い私なのであった。
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