理解の核心は、「論理的な」理解ではない。
最近の私の読書や映画の感想の生産力(?)にいささかかあきれておられる読者の皆様もあろうかと思います。
アニメ評論は、20年前はアニメ雑誌の投稿常連でしたから、昔取った杵柄という面も大きいでしょう。昔の「阿世賀浩一郎」を知る人にとっては(実名で投稿していましたしね)、ああ、まだやるのか?・・・・というくらいでしょう。
押井守さんに続いて、宮崎駿さんの、私がアニメから離れていた時期の大作(「ハウル」と「ポニョ」)、そして「サマーウォーズ」を封切り時に観れたことは、何か途切れていた自分の人生を繋ぎなおしというか、自己のアイデンディディの再統合みたいな感じで、むしろ余裕を取り戻させてくれる思いです。
かといって、今のアニメを追いかけることにそんなに今後こだわるわけではないとは思います(それなら、浜崎あゆみの福岡ライブに無理なく行けるくらいまで経済力が回復することの方が優先事項だ)。
でも、かなり新作されて、評判もいいらしい、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は、DVDが出たら何か書くかもしれない(^^)
*****
さて、少し僭越かもしれませんが、文章や映画を体験して、それを自分の身の肥やしにして、今度は自分の側からの表現として再生産するのには何が肝心なのかを、ちょっとテーマにしたいと思います。
まず、大事なのは、すでに持っている「知識」や、新たに検索して入手する「情報」の、量の問題では全然ないのです。
あるいは、よく言われがちな「情報整理術」の問題かというと、そうでもないと思います。
******
このことに関して、我が意を得たり!! と絶賛したくなることをお書きのサイトを発見しました。
実は「はてな」では有名サイトみたいですが、確かにこの人の文章力と説得力は半端ではない。ご本人もお書きだけど、いわば「極論」めいた逆説の山を築く中で、何か普通のサイトでは感じられないsomethingを醸し出す達人の域の方ですね(^^)
●意外と知られてない、自分を飛躍的に成長させる読書テクニック(分裂勘違い君劇場)
========以下引用========
(前略)
よく「文章の論理構造の理解が一番大切だ」と言う人がいるが、文章の種類によっては、この固定観念が癌になる。
論理構造の理解は確かに必要なのだが、それを優先して文章を読解しようとすると空回りして不毛な誤読をして、結局、一番肝心な部分が分からないままになってしまうことが多い。
最優先でやるべきは、作者や登場人物の情動回路を自分の脳内で動かすことだと思う。
(中略)
作者や登場人物になりきって作者や登場人物の目から見える世界を思い浮かべ、作者や登場人物が感じた息苦しさ、悔しさ、理不尽さ、憤りを自分も味わってみることだ。
それも、作者や登場人物の背の高さ、体の重さ、姿勢の歪みからくるにぶい苦痛、自分の筋肉や骨や間接や胃や腸やさまざまな内臓が蠢いたり痛んだりする生々しい感覚、汗で服が皮膚に貼り付く不快感、まさぐられ、押さえつけられる苦痛、抵抗できない悔しさ、視界から見えたり触っているさまざまなものの ディテールを、リアルに生々しく、自分がいままさに体験しているかのように、作者や登場人物の中に「入り込み」そこでわき起こる様々な感情を自分の感情として味わうことだ。
このような情動シミュレーションさえしっかりできれば、文章の論理構造など、さして努力しなくても自然に浮かび上がってくる。
それも、単に論理骨格を追いかけるより、はるかに精密に論理構造が見えるようになる。
(中略)
そもそも、他人の異質な情動を自分の情動の中に食い込ませるから異種混交が起きて自分の精神が豊饒になって成長していくのであって、過去の自分の情動の自動再生ばかりやっていては、自分の精神は単線化し、貧しいままになってしまう。遺伝子プールの多様性が重要なように、自分の脳内のミームプールの多様性が重要だが、情動シミュレーションをおろそかにしたまま大量の本を読むと、情動という肉を伴わないミームの骨格部分(≒単なる知識や情報)だけが頭の中でガチャガチャ骸骨ダンスを踊っているような状態になる。
また、情動シミュレーションをしながら本を読むということは、決して作者の情動に押し流されて洗脳されてしまうことを意味しない。むしろ、情動シミュレーションによってより精密に作者の情動を捕まえるからこそ、その情動に逆らって思考することができる。
(中略)
相手の身体を押し返すには、相手の重心をしっかり捕まえなければならない。
相手の情動が分からないと、自分が相手と同じ思考をしているのか、相手と関係ない思考をしているのか、相手と反対の思考をしているのか、そもそもそれが分からないから、無意識のうちに同じような思考を リピートして堂々巡りをしてしまい、「新しい脳神経パターンを開墾する」ことができなくなってしまう。
情動シミュレーションによって、相手の情動までしっかりと把握するからこそ、相手の情動に逆らって思考する、すなわち、「ちゃんと思考する」ことができるようになるのだ。
そして、お察しの通り、情動シミュレーションは単に読書だけでなく、仕事、生活、遊びのさまざまな局面で決定的に重要になる。
情動シミュレーションをしながら作り上げた企画と、そうでない企画には、そのクオリティに雲泥の差が出てくることが多い。
(後略)
========引用終わり========
私の畑のフォーカシングの言葉で言えば、
「相手の身になって、相手のフェルトセンスを感じながら(同時に自分のフェルトセンスも大事にしつつ)、場に関わっていく」
にあたることを、ここまで「ご自身の言葉」でお書きになれる人がいることに、心から敬服するしかないです。
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