ついにあの、「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」書籍化!!
実は裕さんの方が先に気づいてくれてサイトで紹介してくれたので私も気がついたばかりなのですが、私が延々と連載記事を組み、私のサイトが一気にうつサイト化するきっかけとなった、画期的な番組、「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」が書籍化されたようです
恐らく番組では描き切れていなかったことまで書かれている
しょうから、もう、期待大というしかなく、楽天ポイントも生かせる(結局書店で買うよりコンビニ受け取りで安くなってしまう)ので、早速注文しました。
******
ほんとうに、あの番組を境に、このサイトの「鬱サイト化」が急激に進行したわけです。
気分障害全般にわたる薬物療法について、このわずか半年あまりの間に、臨床心理士の分際で、むやみやたらと勉強させていただきましたし。
実は、うつ病と気分障害の誤診と、薬物投与の問題点のおかげで、いつまでも苦しんでいる人たちがいる可能性に気づかされたのは、この番組の放送直前の時期のことでした。
あるクライエントさんとお会いしている時に、調子がよくなると通院しなくなり、調子が悪くなると別の病院で通院再開されるパターンを数年にもわたって繰り返しておられることに気がつき、投薬歴をすべて訊き出して、カウンセリングルームに常備していた「今日の治療薬 ―解説と便覧」首っ引きで点検していったのですね。
すると、処方されてきたのは、三環系にしてもSSRIにしても、ともかく抗うつ薬ばかりが中心。
私には、そのクライエントさんには、まさに双極2型に相当する周期的な気分変動があるために、鬱が治ったと感じた時点で治療中断を繰り返す現象が生じているかに思えもしたので、リーマス、デパケン等の気分スタビライザの処方がなされたことがあるかどうかを確認したかったのですが、一番最近の病院でやっとごく少量のリーマスの処方がなされたばかりでした。しかも、リーマスの処方の際に並行して不可欠なはずの「血中濃度検査」を受けた形跡がないのです。
私はしっかりとこうした点を紹介状にしたため、その地域の信頼できそうな精神科病院に行くことを勧めることになりました。
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そうしたできごとからさほどたたないうちにこの番組に接したものですから、インパクトはたいへんに強烈でした。
この本だけは、読まないうちから安心してお勧めできそうです(^^)
Amazonの書評も好発進しているようですし。
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【追記】:
この本を実際に読み始めてからの感想は、こちらからお書きしています。
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コメント
先生、いつもお世話になっております。
私の神奈川時代の通院歴を覚えていらっしゃいますか?
3件転院して、順番に良い病院へ通院されている、最初から3件目に通院できていたらよかったですね、と大船のカウンセリングルームで言われたことを鮮明に覚えています(笑)
現在の私の処方は、アモキサンを主体(朝昼晩、20㍉を3回)にして、パキシルを減薬という方向にいっています。
パキシルはテンションは上がるのですが、体を動かしてくれるような底力を感じません。
アモキサンの方が合っているようです。
でも、躁転しないように今の静岡のクリニックでリーマスを処方されました。
リーマスは躁うつ病の人が飲むもの、と決め込んでいた私は、当初とても抵抗がありました。
しかし、アモキサンの増量で身の回りができるようになってきている反面、疲労を感じているのに行動を止めることができなかったり、苛苛が激しかったり、思考が止まらなかったりで、リーマスの増量を自ら希望しました。
今はリーマスを朝昼晩1錠づつ飲んでいます。それでぼちぼち平均をとれているように感じます。
ソラナックスなどの単なる精神安定剤ではなくて、先生が気分スタビライザー(←スタビライザーの意味が分からず辞書で調べました^^;)と呼ばれるリーマスの処方の意味がようやく分かってきました。
また、今のクリニックでは主に統合失調症に使われるというルーランやジプレキサを処方されたこともあります(例の・・・、自分で自分の頭の毛を切ってしまった時のことです)
うつ病には、坑鬱剤と精神安定剤だけでいい、と私の思い込みもだいぶ変わりました。
また、自分が双極性スペクトラムであるであろうということも、段々分かってきたように思います。
脳内がそう単純にできていないことはわかるんですが、傷口にバンドエイドを一枚貼るように、ぽっこり空いた穴を埋めるような一個の薬があったらいいのになぁ・・・、それだけ治療が単純だったらいいのになぁ、と思う今日この頃です(笑)
もちろん、減薬を急がず、必要であれば薬の種類も増やして、まずは日常の身の回りのことができることを目標に置こうと思っていますが^^
記事とあまり関係なかったかもしれませんが、思うところを徒然なるままに書かせていただきました。
投稿: 輝々 | 2009/11/12 15:03
>輝々様
いつもコメントありがとうございます。
> パキシルはテンションは上がるのですが、体を動かしてくれるような底力を感じません。
これはかなりの人が感じる実感かもしれません。独特の「エネルギー空回り」状態になりやすい。過食傾向も触発しやすいようですね。ひとつにはセロトニンが増えるだけでは無気力を触発する場合もあるということとも関係するかと思います。
もちろん、この薬があう人がいるのも確かです(このサイトでパキシルの製薬会社の悪口を随分書きましたけど、あくまでも「誇大宣伝」し過ぎ、この薬の副作用の問題やデリケートな側面を隠蔽しようとした側面への批判であるに過ぎません。今やSSRIの中でも日本ではジェイゾロフトに需要がかなりシフトしたようですね。最近は「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬」(NaSSA)という新分類(中には四環系の焼き直しという人もいますが)の新薬、リフレックス(=レメロン)にも医師の関心が集まっているようです。
いずれにしても何かというとパキシルが処方された時代はすでに終わり、腕のいいお医者様は、必要な時に慎重に用いるケースが増えているように思います。古典的な3環系(アモキサンもそうですね)、4環系の方があっている患者さんも少なくないことは、実は以前からお医者様の間で主張されていることなのですが。
>でも、躁転しないように今の静岡のクリニックでリーマスを処方されました。
パキシルは気分変調傾向がある人の場合、躁転のリスクが確かにあるようです。リーマスは、気分安定薬の中でも、抗躁だけではなくて抗鬱効果も期待できる度合いが高い唯一の薬だと、加藤忠史氏は「双極性障害―躁うつ病への対処と治療」 (ちくま新書)でお書きになっています。使用法に難しい側面がある薬のようですが。
いずれにしても、「気分安定薬をベースにして、適切な抗うつ薬を補助的に乗せる」という形で、気力の気分の安定がバランスが取れる人が少なくないと、あるお医者様から直接うかがいました。
>また、今のクリニックでは主に統合失調症に使われるというルーランやジプレキサを処方されたこともあります
いわゆる「非定型薬」も更に追加する場合が少なくないことは、先述の加藤先生のご著書でもはっきり書かれていましたよ。私もそうした処方をされたクライエントさんに少なからずお会いしてきました。
いずれにしても、デパスなどの「抗不安薬」は、睡眠の補助といった側面を別にすると、次第に気分障害の薬物治療で、表舞台から、非常に控えな脇役に退きつつあるようですね。
投稿: こういちろう | 2009/11/12 21:26