番組より3倍は密度アップ!!「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」書籍版 (第2版)
私が延々と連載記事を組み、私のサイトが一気にうつサイト化するきっかけとなった、画期的な番組、「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」の書籍化についてはすでに速報しましたが、読了しました!!(よって、タイトルから「中間報告」の文字を削除しました。実は・・・以下の本文は全く変更していません)
↑帯にリキ入ってるのでご紹介。看板に偽りなし!!
>恐らく番組では描き切れていなかったことまで書かれているしょうから、もう、期待大というしかなく、
と、この前の記事で書きましたが、実際、番組で描き切れなかった部分の大幅増補となり、密度が3倍に上がったといいたくなるくらいで、私の想像をかなり超えた仕上がりだと、もう断言していいです(番組の感想を「ここまで」書いちゃった人間が言うことです)。
この本と同クラスに私が評価するのは、私が読んだ範囲(このブログで一言も言及していない類書にもかなり目を通していますよ)では、以前も連載で(未完のままですみません!!)ご紹介した、内海健氏の「うつ病新時代―双極2型障害という病 (精神科医からのメッセージ)」ただひとつかもしれません。
しかも、このNHK番組の著作化(というより、ここまでくると、番組をきっかけにした拡大取材満載のはず)は、マスコミによる取材・ルポとして、たいへんな密度と多角性を持ち、つっこみが凄いところと、一般の方向けの読みやすさが両立しているので、現代日本のうつ治療の現実(「光」と「影」の両方)については、もう、この一冊さえお勧めすればいい域でしょう。
番組をご覧になった方でも、改めてお読みになる価値が余りあると思いますよ。
更には、もはや単にうつの問題を越え、精神医療とカウンセリング界の間の国家資格化をめぐってのぎくしゃくした現実にも、率直に切り込んでいる。
日本心理臨床学会の現理事長、鶴久代先生へのインタビューも掲載されていますよ(pp.169-70)。
ともかく、膨大で多方面な取材と、現状までの道のりをここまで生々しく掲載することに同意された(元)患者の皆様に感謝するしかございません。
*****
本書の内容については、すでに番組で描かれていた中身に関しては、先述の、
●特別連載:NHKスペシャル 「うつ病治療 常識が変わる」への感想
(当サイト版より練り上げられ、巻物のように読むことも可能にした、開業サイト版にリンクします)と重複する部分は敢えて繰り返さないことといたします。
この連載で、私がこの番組に敢えてつけた注文や疑問は、少なくとも95%はかなえられてしまっているようです。
*****
それでも、いくつか、番組でははっきり描かれなかった内容を、私がすでに読んだ部分からご紹介しますね:
欝に対するカウンセリングのありがちな現状への医療サイドからの懸念は、重篤な症状に対する、医療との連携の必要性について的確な判断(アセスメント)ができないカウンセラーが、病院に繋がるのを遅らせ、症状を悪化させる場合がまだまだ多いといとみなされていることにあるようである(pp.167-71)。
その一方、取材されたお医者様自身が、ほんとうは患者さんの話をじっくり聴かないとならないことを身に染みて感じておられることも述べられている。
そして、それを不可能にしている原因にほとつは、5分面談しても、30分以上面談しても、保険適用の上ではわずか100円分しか差がでない制度上の問題とのこと。
これで、多くの患者さんが押し寄せ、医師不足の現実もあるとなれば、お医者さんの面接時間は必然的に短くなるしかないわけですね。
******
イギリスにおける認知行動療法の「国家資格化」に至るまでの政治的な道筋や(いい意味での)経済効果もかなり詳しく紹介されています(p.149以降)。
ただ、しつこいけど(^^;)繰り返します。
私はこの記事やこの記事でお書きしてきたように、認知行動療法的アプローチを自分の道具箱に積極的に取り入れようという立場です。
それは単なる「折衷」ではなくて、「多面的な統合」指向であり、それは本来のフォーカシング「指向心理療法」の目指すところのもであるばかりか、広い意味でのパーソン・センタード・アプローチそのものの中に、そうした多面的なアプローチを統合的に用いる流れが形成させつつあることは、今年の人間性心理学会第28回大会における、イギリスのミック・クーパー博士の講演に関連してご紹介しました。
流派や技法の優劣を一般論として論じるのは、結局のところ無意味であり、個々のカウンセラーの技量、そしてそれを支える教育・継続研修システムのあり方の実質的クオリティがすべてだと思いますし。
そして、医療とカウンセリング業界は「相互連携」すべきなのであり、それについての制度改革も重要な課題ですが・・・・はっきりいいます。草の根レヴェルからなら、いくらでも糸口があるのです。
そして、お医者様と、お互いの敬意を払いあえる関係を築けるところまで、臨床心理士自身も「実力をつけて」行くべく、研鑽を積み続けるしかありません。
私は、臨床心理士も、薬物療法についてかなり高度な最新の知識が必要だと確信します。もちろん診断と「処方権」はお医者様のものですが、お医者様方にも、臨床心理士に対して、薬物療法についての的確な認識を持てる教育研修に、狭い意味での「病院心理臨床」以外の領域で勤務する臨床心理士に対しても、更に積極的に関与していただければと思っています。
中途半端でないところまで、仕込んでくださればいいのですよ。
****
しかし、どうも何かというと「日本心理臨床学会」を「仮想敵」にして息を巻いておられる、認知行動療法系のサイト(この件での、ご自身の「自動思考」に気づいてくださいませ・・・・)が複数あるようですので、敢えてお書きします。
私はむしろそうリサーチがすでになされていなければおかしいと思っているし、実際にあれば、英文であろうと何であろうと、目を通して検証したいと思っています(^^) ・・・・ホント、誰か情報源、ありませんか?
*****
また、お医者様やカウンセラー等、専門職の皆様が、単なる受容と傾聴だけでは行き詰る・・・・とお感じでしたら、この前ご紹介した、インタラクティブ・フォーカシングを、密度が濃い形で、ご自身で体験され、スキルとして身につけられることをお勧めする次第です(滅多に自分の流派の「積極的宣伝」は書かない私ですが)。
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