「魔女の宅急便」記事へのあと書き
昨晩アップした「魔女の宅急便」エントリー、意外にも、私がこのブログで、宮崎駿さんの作品についてはじめて「メインテーマとして」書いた記事(のはず)です。
今回の記事、当ブログ恒例の「越境領域ワープ」の連発型の記事ですが、2日前にアイデアが浮かんで、念のためにDVDを昨日見直す前に完璧にアウトラインは頭の中でできていて、それをそのまま「書き出した」に等しい記事。内容が途中で脇道に外れるようでいて、結論に向かって徐々に導いていく構成にできていると自負しています。
読者の中にはお気づきの方もあるでしょうが、誤字修正以外ほとんど何の修正もしないまま、いきなり「決定稿」にできた珍しいケースです。
*****
この作品が封切られたのは1989年、つまり今からもう20年前になってしまったのですね。
今のシネコンプレックス型の映画館ではできなくなった、同じ映画を同じ日に繰り返し観るという形で、一日で3回観て以来(当時28歳)、ビデオやDVD、テレビ放映でも観直したことがなかった作品だったのですが。
思春期からはいよいよ遠ざかったにもかかわらず、キキの心情に遥かに高解像度で感情移入できてしまう自分に驚きました。
それはひとつには、私自身が、湘南時代に、キキと同じように、「異郷の地」で「個人開業」、しかも基本的には「待機労働」の性格を持ち、突如の依頼で忙しい時と、全然「電話が鳴らない」時のギャップをもろに体験したことも大きいのではないかと思います。
*****
それにしても、キキの、思春期の少女ならではの、一見唐突なまでの感情の激変ぶり(すでに前の記事で描いたとおり、それらにはすべて具体的な引き金となる小さな事件があってのことなのだが)を、画面の力だけでここまで表現し切れる宮崎さんの力量には、今更ながらほんとうに驚かされる。
キキが落ち込んだ時の、突然の身体の弱り具合まで、手に取るようにわかる。歩き方ひとつとっても、別の登場人物には歴然と別の身振りで歩かせる(一緒に歩く時のキキとウルスラの違いがわかりやすいですね)。
こういう「職人芸」に関しては、やはりまだまだ後継世代は「盗みまくる」努力を惜しむべきではないだろう。
壮大なテーマで描かれてもいないために、この作品は現在、宮崎作品の中では意外と地味な評価に甘んじているようだが、この、心情表現の「画面だけでの、理屈抜きの表現のマジック」という点では、他の宮崎作品と比較しても、格段にその良さがわかる作品かと思う。
ほんとうに、CG導入以前のアニメーションの、最も高度な表現世界が集積された、いい意味での「古典」になりはじめた作品かと思います。
子供の頃観た皆さん、どうかもう一度観てみて下さい。遥かに感情移入できることに驚かれるかもしれません。
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