カウンセリングの中で、自分の内面に気づけるようになってからが実は大変なのに・・・・
以下は、裕’s Object Relational Worldの裕さんのエントリー、
へのコメントとして私が書かせていただいた内容の転載です。
*****
田嶌誠一先生の言葉をお借りすれば、「カウンセラー」がただ自分の縄張りの中に待機していて、話を聴くだけの「密室カウンセリング」の打破は、これからの臨床心理士が否応なしに突きつけられるテーマだと思います。
田嶌誠一/現実に介入しつつ心に関わる―多面的援助アプローチと臨床の知恵
早い話、「カウンセラーだけが」、クライエントさんのかかえた課題に応えていく「すべてを握っている」かのような思い込みは有害でしかない。
カウンセラー(いや、援助的専門家全般)は、クライエントさんの置かれた「状況・環境全体との」相互作用を良循環に持ち込むためのアシストをする「ひとつの触媒」であるに過ぎない。しかし「たかがひとつの触媒、されどひとつの触媒」として尽力すべきなのである。
仮に直接お会いしたり連絡を取らなくても、クライエントさんの家族だとか、主治医、担当教師、同僚、上司、治療クループの他のメンバー、いきつけのお店の人、近郊の住民(!)との相互作用の「良循環化」が生じる端緒がどこにあり、それが現実にどれくらい生じつつあるのかという「巨視的な」視点から状況全体を見守り、ここぞというタイミングで、クライエントさんにとって最小の努力と決断できる可能性がある「ささやかなこと」をアドバイス・提案できる「超プチ・危機介入」(クライエントさんがこちらの提案したとおりのことをする必要などない。ささやかな刺激剤になれば、あとは、無理のない範囲で、適切なタイミングで、こちらが思いもよらない切り口と方略で、クライエントさん自身が「勝手に動き出す」のを見守れればいいのだ)のセンスが臨床家には必要だと思う。
さもないと、洞察的なセラピーを受け、下手に自分の内面に気づき、漠然とした違和感に敏感になり、「自分に嘘がつけなく」なる方向に「目覚めてしまった」クライエントさんは、場合によっては、以前よりも、苦しくて傷つきやすい形での現実との直面を強いられ、なのにカウンセラー側はそれに気づかず、勝手に舞い上がっているなどという事態は生じ得る。実は「気づける」ようになってからがクライエントさんは大変なのだ(・・・以上、自戒と過去の反省を込めて)。
・・・・書いているうちに思い出しましたが、こうした「患者さんを支えている隠れた対人ネットワークを細やかに観察する」発想法のひとつの古典として、中井久夫先生の「世に棲む患者」(1980年に書かれ、著作集第5巻「病者と社会」所収)は、やはり凄い論文だったと思う次第です。
*****
「ポニョ」についての記事はこの次です(^^)
| 固定リンク
|
「おすすめ商品」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- パソコン内部のファンを1つ取り替えるだけでここまで静音になるとは!!(2010.02.01)
- 暑い季節を前に、パソコンの熱暴走対策をどう考えるか(第2版)(2009.05.28)
「カウンセラーへのメッセージ」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
「カウンセリング」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
「キャリア形成」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
- パソコン内部のファンを1つ取り替えるだけでここまで静音になるとは!!(2010.02.01)
- 日本人間性心理学会理事に当選させていただきました。(2010.02.03)
「フォーカシング」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
「中井久夫」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 国家資格化問題に関して、日本臨床心理士資格認定協会と、日本臨床心理士会は、深刻な路線対立に陥った (第4版)(2009.12.30)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- 「未熟型うつ病」とは何なのか? -福岡県精神保健福祉冬期講座に参加して(2)-(2009.12.14)
「九州大学」カテゴリの記事
- カウンセラーは勉強すればするほどダメになる? -田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」への感想 追補1-(2009.12.18)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- 認知行動療法について -NHKスペシャル 「うつ病治療 常識が変わる」への感想(6 一応の最終回)- [第6版](2009.03.13)
- 精神神経科・心療内科の薬の効き心地の「実感」についての本。(2009.05.03)
- SART(主導型リラクセイション・セラピー)のセミナー参加報告 [第4版](2009.04.02)
「人生」カテゴリの記事
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 長期的展望(2010.01.16)
- 今年の年賀状の文面です。(2010.01.13)
- 国家資格化問題に関して、日本臨床心理士資格認定協会と、日本臨床心理士会は、深刻な路線対立に陥った (第4版)(2009.12.30)
- フォーカシングとスピリチュアリティ -12年前のワークショップでの体験-(2009.12.27)
「人生観」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
- 久留米でうつと働き方を語る会、次回は2/28(日)開催です。(2010.01.31)
「健康」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 久留米でうつと働き方を語る会、次回は2/28(日)開催です。(2010.01.31)
- 長期的展望(2010.01.16)
「危機介入」カテゴリの記事
- 長期的展望(2010.01.16)
- 国家資格化問題に関して、日本臨床心理士資格認定協会と、日本臨床心理士会は、深刻な路線対立に陥った (第4版)(2009.12.30)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- 帆船のように航海するか? スクリュー船のように航海できるのか?(2009.12.07)
- そして、カウンセラーこういちろう自身のYouTube動画。(2010.01.25)
「学問・資格」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
「心と体」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
「心理学」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
「心理療法/精神療法」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
「心理臨床」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
- パソコン内部のファンを1つ取り替えるだけでここまで静音になるとは!!(2010.02.01)
- カウンセリングルーム開室日程について(第2報)(2010.02.02)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- フォーカシングとスピリチュアリティ -12年前のワークショップでの体験-(2009.12.27)
- 「肉食系」的なやさしさ (第2版)(2009.12.23)
「田嶌誠一」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 明日は4ヶ月ぶりの東京です。(2009.12.21)
- カウンセラーは勉強すればするほどダメになる? -田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」への感想 追補1-(2009.12.18)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- 「カウンセラーこういちろうの雑記帳」の主要過去記事を一番簡単に一覧するには(2009.09.03)
「社会学」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 「肉食系」的なやさしさ (第2版)(2009.12.23)
- 「リア充の科学」 (第2版)(2009.12.19)
- 「協調性」についての誤解(2009.12.19)
「社会現象」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 国家資格化問題に関して、日本臨床心理士資格認定協会と、日本臨床心理士会は、深刻な路線対立に陥った (第4版)(2009.12.30)
「臨床心理」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
「臨床心理士」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
「自分史」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 安易に共感されると人は自分自身でいられなくなる 〜中島みゆき「エレーン」「異国」「空と君のあいだに」に寄せて〜(2005.04.13)
- パソコン内部のファンを1つ取り替えるだけでここまで静音になるとは!!(2010.02.01)
- 長期的展望(2010.01.16)
「認知行動療法」カテゴリの記事
- 長期的展望(2010.01.16)
- 「減価償却」できればよし!!(2009.12.19)
- 「現実」と「理想」という二項対立そのものが無意味である。(2009.12.04)
- NHK クローズアップ現代、「 “助けて”と言えない ~共鳴する30代~」(2010.01.21)
- 私のスーパーバイズ ~実践編~(2005.09.19)
「誤解」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
- パソコン内部のファンを1つ取り替えるだけでここまで静音になるとは!!(2010.02.01)
- フォーカシングとスピリチュアリティ -12年前のワークショップでの体験-(2009.12.27)
「関係性」カテゴリの記事
- 「臨在」="presence"(第3.5版)(2010.02.06)
- 浜崎あゆみの詞における「僕」と「君」、「わたし」と「あなた」 -サリヴァン的次元で解説してみよう-(2010.02.08)
- 私がフォーカシングのワークショップで使っているパワーポイントファイルを公開します。(2009.12.01)
- NHK 追跡A to Z 「問われる日本人の"言語力"」(2010.02.05)
- 久留米でうつと働き方を語る会、次回は2/28(日)開催です。(2010.01.31)



















コメント