カウンセラーの仕事って、具体的にどんなことを指すのか?
カウンセラーの仕事として、単に「カウンセリング」や「心理療法」をすることの専門家としてとらえるのは、私は間違いだと思っています(^^)
特に開業カウンセラーの場合にはそうなんですが、実はそうとばかりもいえなくて、およそ臨床心理士であれば認識すべきユニバーサル・スキルとしては、実に広汎な専門性が含まれている気がします。
これを敢えて、私なりに整理して、教科書的に、でも、私の言葉で書いてみたいと思います(^^)
なお、ここでモデルとしているのは、私が17年間主な相談領域とした大学学生相談の現場です。用語は、明治学院大学学生相談センターの年次報告書で実際に使われていた分類をベースにアレンジしました。
●ガイダンス・情報提供
例えば、医者、消費者センター、弁護士、女性センター、就職センター、ハローワーク、職業技能学習センターなどをはじめとする内部・外部機関の機能について解説し、紹介することです。
●アセスメント(見立て)
単なる心理テストの評定のことではなくて、クライエントさんの置かれた状況や行き詰まり、病理水準、対人関係の悪循環パターン等について具体的に分析し、これからカウンセラーとしてどのようにお役に立てる可能性があるのかを具体的にクライエントさんに示唆し、提案する過程のことです。
●コンサルテーション
クライエントさん(正確には、あたかも問題の中心にあるかに見える「見なしクライエントさん」)ご本人ではなくて、職場の上司やご家族、友人、担任教師、大学のゼミ担当教員などからの相談に応じることです。
当然この場合、個人情報保護の問題が非常にデリケートになります。
また、そうやってコンサルテーションをお受けになりに来られた方が、次のステップで今度はカウンセリング的相互作用の「主体」=クライエントへと変容する可能性への対処スキルもカウンセラーに必要です。
●広報・啓蒙活動
例えば、こうやって私がピュアリーさんのサイトで書き込むことですら、カウンセラーの社会的役割としての、非公式な広報活動(単に私の開業機関や私の拠って立つ流派の宣伝なんていうちまちました次元でのことにとどまらず、もっと広汎な意味)をしている主体であるという認識が必要でしょう。
●カウンセリング・心理療法
ここでも、現場臨床における、受容と傾聴中心の、比較的ユニバーサルでベーシックな、「まずはじっくりお話をうかがうこと」中心のスタンスと、ある特定の(複数の場合もあり)心理的療法的アプローチをインテンシブに活用することをクライエントさんと同意した上でのスタンスとの区分は可能だし、当然その「中間型」的スタンスもあることになります。
●スーパービジョン・教育カウンセリング・臨床家のための研修(学ぶ側/教える側)
これは一般のクライエントさんの目に直接目に触れにくい領域でしょうけど、敢えて重要な「業務」であるという言い方をしてみたいのが私の認識です。
●現実適応のための直接サポート
ここには、狭義の「ケースワーク」のみならず、家庭教師をしたり、極端な場合には、「クライエントさんの働き口を世話する」活動も含めたいと思います
(村瀬嘉代子先生が、ある事例で、クライエントさんがお店を開くまでのお手伝いを具体的になさったことがある、という事実は、カウンセラーの間ではいわば「伝説的」かと思います)
一人のカウンセラーに、こうした様々な機能が「あリ得る」こと、そしてそれらのすべてを柔軟に使いこなせる必要はもちろんないけれども、恐らくそうした「機能の使い分けを自分なりにスイッチングしている」専門家としての自分を対象化し、俯瞰する能力だけは必要かと思います。
*****
なぜこうしたことをお書きしたのか?
「私はカウンセラーをどのような次元で『利用』したいのか」
を再点検するチャート(見取り図・海図)を提供したつもりなんです。
いかがでしょうか?
何かお役に立ちますか?
(このノリは、すでにカウンセラーというより「コンサルタント」のノリですね ^^;)
上記の部分で、敢えてカウンセラーの『利用』という言葉に含みを持たせてみました ^^;
・・・・そこまで行かなくても、
皆様が、「依頼人=クライアント」として、カウンセラーを「雇う((employ)」
という視点はお持ちいただいてもいいのではないかと、常々思っています。
※この記事は、「発展途上臨床さいころじすとの航跡blog版」(by ピュアリーさん)のエントリー、
への私のコメントをほぼそのまま転載したものです。
« 性懲りもなく、すぐに立ち直ることを繰り返す、「アメリカ人」というものの、光と影を象徴 -『風と共に去りぬ』についての「自我同一性地位」の観点からの考察- | トップページ | こういちろう、酔った挙句に、友人の絵の印刷屋さんと化す!! [第2版] »
「カウンセラーへのメッセージ」カテゴリの記事
- 初夢(2012.01.01)
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
「カウンセリング」カテゴリの記事
- 「ふくおかフォーカシング・セミナー」開催中止のお知らせ(2012.01.23)
- 初夢(2012.01.01)
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
「キャリア形成」カテゴリの記事
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 体験過程尺度入門 -カウンセリングが「深まっている」とは、どういうことか?-(すでに第3版)(2006.12.30)
- 佐賀県教育センター教育相談集中講座講師として務めを果させていただいた一日をふり返って(2009.11.11)
- フォーカシングのグループ活動において、身体の感じを通して傾聴し、言葉にしていく関係性の場を、さりげなく生み出すということ(2)(2009.07.16)
- 書評:ジャネット・クライン著「インタラクティヴ・フォーカシング・セラピー -カウンセラーの力量アップのために-」(2009.11.17)
「ビジネス」カテゴリの記事
- 格差社会の中での自分探しとフォーカシング(togetter)(2011.06.24)
- にほんじんは、せんそうのしかたをしらない? (第7版)(2009.04.13)
- 私のスーパーバイズ ~実践編~(2005.09.19)
- 「ケーススーパーバイズ」とは何だろう ~入門編~(2005.09.19)
- 胸がすく思いの名著!! ・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第1回) [第2版](2009.09.14)
「倫理」カテゴリの記事
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練(第4版)(2006.06.21)
- 成熟の過程で人は何を失う危機に立たされるのか -「魔法少女まどか☆マギカ」についての臨床心理学的小考察- (第4版)(2011.10.18)
- 田嶌誠一 著:「児童福祉施設における暴力問題の理解と対応」(2011.11.15)
- 児童福祉施設内での暴力に対する「安全委員会」方式についてのとりあえずのまとめ(togetter)(2011.11.19)
「健康」カテゴリの記事
- 初夢(2012.01.01)
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 佐賀県教育センター教育相談集中講座講師として務めを果させていただいた一日をふり返って(2009.11.11)
- 書評:ジャネット・クライン著「インタラクティヴ・フォーカシング・セラピー -カウンセラーの力量アップのために-」(2009.11.17)
- 私の今年の年賀状の文面です(2012年版)(2011.12.30)
「医療」カテゴリの記事
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 周囲の人は双極性障害2型の人の「気遣い」にどれだけ助けられているかに気がつかない・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第2回)(2009.09.17)
- 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練(第4版)(2006.06.21)
- ユーミンのデニーズ伝説(2005.12.23)
- 壺イメージ療法 -「容れもの」「置き場所」を想像してもらう技法- (1)(2007.06.01)
「危機介入」カテゴリの記事
- 壺イメージ療法 -「容れもの」「置き場所」を想像してもらう技法- (1)(2007.06.01)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- 「格差社会と新自由主義」結語(2011.06.18)
- にほんじんは、せんそうのしかたをしらない? (第7版)(2009.04.13)
- カウンセラーに何ができるか(togetter)(2011.05.11)
「大学」カテゴリの記事
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
- 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練(第4版)(2006.06.21)
- 壺イメージ療法とフォーカシング(第3版)(2009.06.11)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- なぜ日本は自殺大国なのか(togetter)(2011.06.07)
「学問・資格」カテゴリの記事
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 周囲の人は双極性障害2型の人の「気遣い」にどれだけ助けられているかに気がつかない・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第2回)(2009.09.17)
- 体験過程尺度入門 -カウンセリングが「深まっている」とは、どういうことか?-(すでに第3版)(2006.12.30)
「学生相談」カテゴリの記事
- 壺イメージ療法 -「容れもの」「置き場所」を想像してもらう技法- (1)(2007.06.01)
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- フォーカシングとは何か(2011.05.20)
- にほんじんは、せんそうのしかたをしらない? (第7版)(2009.04.13)
- スーパーバイザーとカウンセラーの関係は、カウンセラーとクライエントさんの関係の「写像」となる?(2006.08.26)
「心と体」カテゴリの記事
- 「ふくおかフォーカシング・セミナー」開催中止のお知らせ(2012.01.23)
- 初夢(2012.01.01)
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
「心理学」カテゴリの記事
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
「心理療法/精神療法」カテゴリの記事
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
「心理臨床」カテゴリの記事
- 初夢(2012.01.01)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 初夢(2012.01.01)
- デジタル機器・オーディオのための電源極性管理とノイズフィルター(2012.01.09)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
- 佐賀県教育センター教育相談集中講座講師として務めを果させていただいた一日をふり返って(2009.11.11)
「村瀬嘉代子」カテゴリの記事
- 田嶌誠一 著 「現実に介入しつつ心に関わる」(2009.12.16)
- 「臨在」="presence"(第4版)(2010.02.06)
- 振り返ってみれば(2010.03.07)
- 村瀬嘉代子先生語録(2007.07.09)
- 「クライエント中心療法」=「お客様は神様です」カウンセリング!!(第3版)(2005.12.22)
「独立開業」カテゴリの記事
- 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練(第4版)(2006.06.21)
- アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything") 書評(2011.06.29)
- 格差社会とカウンセリング(2011.06.20)
- にほんじんは、せんそうのしかたをしらない? (第7版)(2009.04.13)
- 私のスーパーバイズ ~実践編~(2005.09.19)
「社会現象」カテゴリの記事
- 周囲の人は双極性障害2型の人の「気遣い」にどれだけ助けられているかに気がつかない・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第2回)(2009.09.17)
- 書評:ジャネット・クライン著「インタラクティヴ・フォーカシング・セラピー -カウンセラーの力量アップのために-」(2009.11.17)
- 私の今年の年賀状の文面です(2012年版)(2011.12.30)
- 成熟の過程で人は何を失う危機に立たされるのか -「魔法少女まどか☆マギカ」についての臨床心理学的小考察- (第4版)(2011.10.18)
- 「ゴースト」と「ファントム」 -押井守と神田橋條治の共通項-(2009.06.19)
「臨床心理」カテゴリの記事
- 「ふくおかフォーカシング・セミナー」開催中止のお知らせ(2012.01.23)
- 初夢(2012.01.01)
- インタラクティブ・フォーカシング 技法の実際(2012.01.02)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
「臨床心理士」カテゴリの記事
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- 佐賀県教育センター教育相談集中講座講師として務めを果させていただいた一日をふり返って(2009.11.11)
- フォーカシングのグループ活動において、身体の感じを通して傾聴し、言葉にしていく関係性の場を、さりげなく生み出すということ(2)(2009.07.16)
- フォーカシングのグループ活動において、身体の感じを通して傾聴し、言葉にしていく関係性の場を、さりげなく生み出すということ(1) 【第2版】(2009.07.15)
「自分史」カテゴリの記事
- 初夢(2012.01.01)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 劇場版「とある飛空士への追憶」を全く白紙の状態から観ての感想 (第2版 原作読了後の感想つき) (2011.12.12)
「誤解」カテゴリの記事
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 周囲の人は双極性障害2型の人の「気遣い」にどれだけ助けられているかに気がつかない・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第2回)(2009.09.17)
- 書評:ジャネット・クライン著「インタラクティヴ・フォーカシング・セラピー -カウンセラーの力量アップのために-」(2009.11.17)
- 単なる「ロールプレイ」より効果的なカウンセラー訓練(第4版)(2006.06.21)
「間主観性」カテゴリの記事
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- 「こころの天気」のご紹介(2012.01.04)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
- 周囲の人は双極性障害2型の人の「気遣い」にどれだけ助けられているかに気がつかない・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第2回)(2009.09.17)
「関係性」カテゴリの記事
- 「藤嶽法」のご紹介(2012.01.05)
- フォーカシングへの誤解を解く(?) その2(2006.11.14)
- ドナ・ウィリアムズ著「自閉症だったわたしへ」を読み始めて。(2010.06.20)
- 抗うつ薬で眠くなるのは「副作用」? -そもそも「副作用」という概念をどうとらえるか-(2009.06.29)
- 周囲の人は双極性障害2型の人の「気遣い」にどれだけ助けられているかに気がつかない・・・・内海健 著「うつ病新時代 -双極性II型障害という病-」 書評 (第2回)(2009.09.17)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70854/44764112
この記事へのトラックバック一覧です: カウンセラーの仕事って、具体的にどんなことを指すのか?:
« 性懲りもなく、すぐに立ち直ることを繰り返す、「アメリカ人」というものの、光と影を象徴 -『風と共に去りぬ』についての「自我同一性地位」の観点からの考察- | トップページ | こういちろう、酔った挙句に、友人の絵の印刷屋さんと化す!! [第2版] »





コメント