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2009/04/25

足を使わんと!!

 これは、税理士事務所で、一世一代の経理の職員として生きてきた父が私に授けてくれた処世訓のひとつである。


 たとえば、あなたが大学生で、これから就職活動を控えているとする。

 色々な情報収集がを本気でやらないと、

「御社を志望させていただきましたのは.....」

という自己PRに説得力を与えられないのだが、うちの父親だったら、


「ネットがいくら進んどったとしても、まずは現地に出向いてみんと」


と言い出し、次のような行動をするだろう:


1.その会社に顧客のフリをして電話をかけてみて、受付の応対スキルを確認する。

2.その会社に実際に出かけていく。接客サービス的な面がある会社なら、お客のフリをとことんしてみることも大事だが、もし、社員証がなくてももぐりこめそうな場所があれば、どしどしもぐり込んでみる。

 ビルの中の様子、職場のフロアの空気、トイレや社員食堂の様子などをほんのひととき味わうだけでも色々な収穫がある可能性がある。

 もし、怪しまれたら、「道(フロア)に迷いました」「あ、ここ、社員さんしか入れなかったんですか?」などととぼけて逃げ出せばよい。


3.そうやって会社に出向く時、ある程度近郊までたどり着いたら、最後まで地図を頼りにするのではなく、途中からは道を現地の人に尋ねながらたどり着こうとすること。

 こうした際に役に立つのは、セブンである。

 (「何のこっちゃ?」と最初は思ったが、「セブン・イレブン」、すなわち、コンビニ一般のことであると了解。久留米地域ではセブン・イレブンの進出のみが早かったので、中卒の父親はそのように覚えたようだ。「イレブン」すら、とっさにはよく意味がわからない、サッカーとは無縁な父親である)

 なぜなら、セブンには、多くの場合、その会社に通勤途中や昼休み中の従業員が立ち寄るので、店員は、そうした社員が大勢立ち寄る時間帯を掌握して日々の勤務をしているからである。セブンの従業員が場所を掌握していない会社は、いかにウェブサイトや求人広告で大きなことを書いてあっても、それは見かけ倒しであることが少なくない。


4.社屋が貸しビルの場合、その貸しビルにどういうテナントが入っているかは慎重に観察すること。実は意外な関連会社が同じビルに置かれていることがあり、その会社の経営実態の掌握に意味を持つことがある。


5.法務局に出向き、会社登記簿の写しを入手してみると、他の公示されている情報と比較する中で、興味深い事実に気がつけることもある。


 父親は、こうやって、自分の足と肌で感じた感覚をたよりに、取引先になるかもしれない企業の信用度を独自に調べることを決して忘れなかったそうである。



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