今回の番組を「ネットでは常識水準」と言ってしまうことの副作用 -NHKスペシャル 「うつ病治療 常識が変わる」への感想(ボーナス・トラック2)- [第2版]
番外編、 その1に続いてその2です。
今回の番組における双極性II型と気分調整剤の取り上げ方そのものがまだ一面的であるとお感じの方が、ネット内外、専門家・非専門家を問わずたくさんおられることは承知しております。
でも、
●問題点1: 「ネットでは常識水準」という発言を読んでいると、そういう皆様はすでに「事情通」の部類に属するように私には思われてしまえて(^^;)
「この番組で描かれた水準の内容をこれまで知らなかった、今更この番組に感心している人たちは、無知過ぎる」と、「事情通」のプライドがある人が、実は「多数派」であるのはまちがいないネットユーザーを愚弄しているかのように感じる人が少なからず(決して少数派ではなく)いるはずです(^^)
●問題点2: 「ネットではこのくらい常識だ」という論調を読んでしまうと、この番組を観ないで済ませ、詳しい内容を知りたい、自分なりに判断してみたいと感じる人たちの「意欲を削ぐ」だけとも思います。
●問題点3: ネット上での、専門家と思われる皆さんが「ここで描かれているほど単純ではない」という一般論を述べることは、読者にとって今更何か役に立つと言えるのでしょうか???
私が思い当たる、専門家のこうした発言の効用は、すでに自分への医療に納得している患者さんに、この番組を観たことをきっかけとして生じた不安を軽減するということです。
しかし、その一方で、専門家のこうした水準に留まる発言の副作用(!)は、一般のネットユーザーの少なからぬ部分に、
「結局こうやって、専門家たちは責任回避しているんだ」
と感じさせたり、
「医者は結局自分の処方は実際に繰り返し診察し、薬の効果を確認しながら進めているので大丈夫だと言い訳したいのだ。カウンセラーは結局、自分は医者ではないのでといういつもの責任回避、あるいは保身に走るのだ」
と、ため息を伴う無力感の堂々巡りを感じさせるj可能性は決して低くはないということです。
敢えて我田引水すれば、私は私のネット上でのスタンスが、現実世界での私のカウンセラーとしての評価に影響する可能性を、私なりに引き受け続けてているつもりです。
そして、私は、ものごとへの姿勢として、
「初心に帰って、一度頭を真っ白にして、番組や著作を正確に読み解こうとする」
というスタンスを自分から買って出る「専門家」がいなければならないことを確信しています。
*****
そして、そういう意味で、専門家に逃げ場を与えず、患者さんを起点に、現実の社会行動を促すといった「そこそこ絶妙な」効果を、ひょっとしたら製作サイドか予想もしなかった形で(^^;)発揮する効能がある点で、
この番組そのものが、社会全体への「薬」として計算外の効能がすでにあった
と感じています。
*****
評論家的にはいびつで不完全な作品との評価を当初受けていた映画や音楽が、長期的には名作と認められるのもありふれたことです。
ドグマチールが最初胃腸薬の一種として開発され、気分調整剤のデパケンが最初抗てんかん薬だったわけです。
歴史は繰り返す。
........え? 少し次元が違っている? ^^;)
(以上、ボーナストラック2 終わり。ボーナストラック3はこちら。
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