今の日本の不幸なところは
日本が1945年に降伏した際に、つい先日までは、大東亜共栄圏やら鬼畜米英、一億玉砕を叫んでいた「同じ」人たちが、くるりと手の平を返したように、親米・民主主義の宣伝者に豹変するという現実を、政治家ではなく、町の教師水準の豹変ですら身近に体験し、鼻白む思いをした、一般庶民の思い出について、もはや生き証人が日々いなくなりつつあることだと思う。
そこまで立ち返ってみれば、学生運動の闘士が,今や保守系の大物政治家になっていることなんて、些細な「転向」に過ぎなく見えてくる筈である。
兄たちを兵隊にとられ(ひとりは行方不明.やっと最近、上海の阿片窟での死が資料から判明)、終戦時、思春期真っただ中に、旧満州からソ連の戦車と中国人からの強盗や虐殺の危険に追われて母(私の亡き祖母)と二人でに命からがら日本に帰った、まさに日本=関東軍の国策の犠牲者だった私の父は、まさにその「白々しさ」を相対化できた世代だし(日本の戦中を知らなかったぶん、余計に馬鹿馬鹿しかったのではないかと)、ほぼ同世代の、同じように幸い徴兵年齢にギリギリ引っかからなかった年齢だった中井久夫先生の原点に、そうした昭和一ケタ生まれ独特の思いがあることは、著作に繰り返し語られている。
そういうことを振り返らないで語られる歴史教育うんぬんのお話なんて、それこそ時代の転向者の、鼻で笑うべき水準の戯言に過ぎないと日々思っている。
****
中井先生の、終戦時における心境については、例えば、
の長いあとがき。
(最近自叙伝的な本が出たそうですけど、未読です^^)
*****
ある観点からすれば、戦前も戦後も、それぞれ思いの他「いい時代」だったし、どちらもそれぞれの「悲惨と悲劇と理不尽さ」を抱え続けている。
そこまで俯瞰する視点が持てて、はじめて真の歴史認識と言えよう。
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