心に効く薬と「眼鏡」のように付き合うサイボーグ(第3版)
さて、薬物療法に対する不安というのにはいくつかの次元がある気がします
1.自分の感情や意識を、薬の力で別次元のものに「変えられて」しまうという不安
2.身体的・精神的副作用への不安
3.仮に薬で心身のいいバランスが得られたとしても、薬を飲まなかったらそうは行かないのだから、薬をやめられるまでの自分はほんとうには健康だといえないのだという思い。
私自身、以前、「適応障害」という診断を受け、欝を体験していますし、投薬治療も受けています。
実は今もデパケンを飲み続けていたりするのですが。あと、デジレルも毎日2錠ほど。
私は幸い、副作用に苦しんだということは、ある特定の時期を除き、ほとんどありません。
薬というものを、自分の無理が利かなくしてくれるもの、休息をじっくりとらせてくれるための大事な「サポーター」、「相棒」だと思っています。
飲んでから30分後には自分の心身に徐々に生じはじめる、心身の微妙な変化そのものと対話しながら日々を送ってきたつもりです。
*****
副作用に苦しんでいる皆様に、そういう、薬と「仲良しになれた」人間のいい気な言い草と非難されるてしまうのを覚悟で、敢えて次のことを書いてみたくなりました。
例えば、慢性の生活習慣病や心臓病で薬をもらっている人は、薬を自分が全く飲まないで済む状態が来ることをあまり期待しないだろうと思います。
私は、薬があって、以前ほどの無理はできないかもしれないけど、薬の力を借りれば自分のおおかれた状況の中でまずまず力を発揮できるとしたら、それはそれで「サイボーグ」として、多少の不自由さを感じながらも生きていくのでいいのではないかと思っています。
ある意味では、「眼鏡をかけて」生きることや、緑内障の治療のために人工水晶体入れてしまうことは、すでに自分の身体を「サイボーグ」化する第一歩とも言えるかと思います。
なお、ここでいう「サイボーグ」とは、通常の人間には不可能な超人になること、という意味では使っていません。生身の身体機能の一部を人工的なものによって置き換えたり、補完したりしている存在、というぐらいの意味です(wikipedia参照)。
すでにかなりの昔から、人類におけるサイボーグ化の普及は、義足や眼鏡という形ですでにかなりの水準で進行しているという見方もできるかと思います。それなら、向精神薬ですらそのような「人工的な補助ツール」にたとえてもいいのではないかという、拡張した発想に立ってみたのです。
そのような意味で「サイボーグ」化してしか生活を送れないことを、完璧に健康ではないとは誰も思わないでしょう?
+++++
私は、薬を飲まなくなれた時にはじめて健康に戻れたのだとは思わないように生きていこうと思っています。
ひょっとしたら、数年後には、もともとコレステロールの多い、脳梗塞と心疾患で亡くなる親類ばかりの家系ですから、血管のための薬を何か飲み始めているかもしれないですしね(^^)
このことを、私は、こと「心に効く」とされる薬となると、とたんに偏見の塊となることが少なくない、一般の皆様に向けて書いているつもりです。
果たして、「昔のように戻れる」ことが健康なのか?
私は、欝になるなる前のほうが、よほど不健康な、今の私から見たら未熟そのものの生き方をしていた気がしてなりませんが。
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今月1日に欝と診断されたナースです。仕事柄、自己診断的に間違いないだろうと思って精神科受診したわけですが
間違いなく欝でした。このしんどい地獄のような状態から今すぐにでもなんとかして欲しいという気持ちで受診し内服治療
を開始して3週間。みごとに副作用もなく、薬が効果的な欝であったようで今では当初のような究極的なしんどい状態から
は脱する事が出来ました。しかし、仕事は本当にきつく、薬のおかげで思考能力もアップしてきましたがいつも緊張状態
が続いていて、仕事をしなければもっと早く薬と縁を切れるんだろうな、と思っていました。でも、このブログをみてちょっと
見方が変わってきました。確かにこの病気と診断されてから自分なりに休日は用事足しや遊ぶ為の休みではなくなりなりましたが、それは苦痛ではなく、ゆっくりと家事が出来るようになったと心が安らぐ事が今の私には一番の喜びであり、じっくりとそのゆとりある休日を取らせてくれる事が出来たという事に感謝すら覚える治療です。今までの生活を振り返りいかに今までが異常な生活を送っていたかという事が理解出来、これからは、自分の生活を見直し、無理をしない生活をしていこうと思っているところです。
投稿: きよもも | 2008/08/15 01:56
きよももさん、はじめまして。
きよももさんが医療関係者ということもあり、たいへん冷静に自分自身を観察なさって精神科受診されたのだろうとご推察いたします。
薬の効き目としても、副作用もないとのことで、おそらく、薬の効き目としてもごくごく順当な水準の効き方だろうと想像いたします。
実は、薬が効いたとしても、ましてや仕事の最中などは、しんどい時にはしんどいものですよね。ただ、以前ほど焦りに巻き込まれたりはしにくくなる。
むしろ、休息をとろうと思えば、以前よりもゆったりと休息できるようになることそのものが、薬の効果なのだろうと思います。それにつれて欝の症状全体が、ゆっくりと緩んでくるということが多いのですね。
しかし、こうした、薬の効き心地の「実感」、薬物療法についてあまりご存じない一般の皆様にはまずもって理解されにくいことです。
カウンセラーにですら、幅広くリアルに認識されているとは言い難いことのようにも思えます。
実はこの後、欝の人にありがちな傾向についての新たな記事をアップいたしますが、そこで私が書いたことは、「薬と友達」にはなれず(これは医者が薬の効き目に付いて適切なアドバイスができていないためという場合も少なくないかと思います。患者さんの薬に対する体質もあるかもしれませんが、「医者という名の薬」が適切に機能して、薬が本来の効果を発揮していない可能性があるのですね)、焦りにただひたすら巻き込まれ続けた場合にありがちな状態について述べたものです。
いずれにいたしましても、欝で薬を服用された方の実体験に基づくコメントに心から感謝申し上げます。
投稿: こういちろう | 2008/08/15 03:55