« 「フォーカシングを学ぶと、あなた自身の力で、あなたにふさわしいカウンセラーや精神科医を見分けることができるようになります」 | トップページ | 開業の跡継ぎが開業なのはごく普通のこと。 »

2008/07/11

「謝罪させ」ブームへの違和感

●フィレンツェ落書き学生らが平和大使に 現地で号泣謝罪(msn=産経)

 世界遺産に登録されているイタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の壁に落書きした岐阜市立女子短大生らが9日、フィレンツェ市役所に謝罪した。謝罪を受け止め、姉妹都市関係にある同市は、女子学生らを平和大使に任命した。


●【外信コラム】イタリア便り 大聖堂落書き事件(msn=産経)

先週初め、フィレンツェの民間放送局から電話インタビューを受けた。もちろん、話題は当日のイタリアの各新聞も大きく取り上げた「日本人観光客による大聖堂の壁面への落書き」である。各紙は岐阜の女子短大生と京都産業大生の落書き、高校野球部監督の新婚旅行中の落書きが日本で大反響を巻き起こし、彼らが厳重に処分されたことから、大聖堂側が謝罪で十分だとして修復費用の申し出を断ったことまで詳細に報じた。

 ただし、この事件に関するイタリア側の驚きは「日本人観光客の不届きな行為」への怒りからではない。自国民による落書きを恥じて証拠写真を学校側に送り付けた日本人観光客の潔癖さと、直ちに落書きの犯人に厳重処分を下し謝罪した学校側の対応に驚いたのである。

 実際、私もインタビューの冒頭で「普通の日本人観光客なら誰でもローマやナポリのバス、電車の側面、町の建物の壁に書かれている落書きの多さとひどさに驚いてしまう」と述べたが、これまでイタリア各都市当局の落書きへの対応はあまりにも寛大過ぎた。

 幸い新しく選出されたローマ市長は、落書きに対し厳しい罰則条例を用意することに意欲を示している。日本人落書き事件が一部イタリア人青少年の慢性的な悪癖を退治するきっかけとなるよう祈る。(坂本鉄男)


*****


 この事件、

1.ネットに短大生の落書きの写真が何者かによりアップされたことに始まり、
2.「壁にサインを残すと幸せになります」というマジックペン売りが当たり前のようにいる事実が明らかとなり、
3.英語やイタリア語の落書きがずっとたくさんあることが報道される

この時点で、倖田來未の「羊水腐る」発言の頃から顕著になった、日本の「謝罪させ」ブームはここまで来たかとiいう違和感があった。

 倖田來未の発言問題は、何よりラジオ局側の責任だろう。ラジオ局が「倖田來未に不適切な発言がありました」と、番組の中でなくてもよくて少し遅れた時間にでもいいから謝罪があれば、ここまで問題は大きくならなかったことは目に見えていた。

 私の行きつけの近所の「八百屋さん」でよく流れているので気づいているのだが、みのもんたさんのラジオ番組は、この「不適切な発言がありました」を、すぐに番組内で繰り出すからこそ許されているようなものであることから鑑(かんが)みても。

******

 今、「謝罪させブーム」と皮肉ったけれども、これは政府や公務員や企業の汚職や脱税や食材使い回しや不当表示についてまで一緒くたに皮肉るつもりはまるでない。

 「非常に表層的な事柄」についての責任追求と、日本の内部に巣食う深刻な問題をえぐり出すことが、今の日本で一緒くたにされていることへの危惧を私は言いたいのだ。


 表層的な事柄で「清く正しく」あることなんて簡単ではないか。
 
 そのぶん、深層の問題は目隠しされるのである。


*****


 戦後日本において、人々が自分たちの現在と未来に危機感を感じ、不安と「先すぼみ」を予感している時代はかつてなかったと思う。

 フィレンツェ市が、彼女たちを「平和大使」に認定してくれたことを、彼女たちを救い、かつ、彼女たち自身を超えた意味で、「未来に開かれた」、オトナの対応だと感じる私がいる。

ここで「イタリアの落書きが減るきっかけになれば」ということを、日本のマスコミの人間が口にすること自体が、恥知らずだと私は思う。

逃げ回っていた犯罪容疑者が、逮捕されたあとで、「これをきっかけに犯罪捜査能力が更に高まることを祈る」と発言するようなものであるということ。

そんな歪んだ愛国心なんていらないよ。


*参考記事*

●「思い込みが過ぎる」ことを、実社会を生きるしたたかなシミュレーション能力に「変換」させよう!!

« 「フォーカシングを学ぶと、あなた自身の力で、あなたにふさわしいカウンセラーや精神科医を見分けることができるようになります」 | トップページ | 開業の跡継ぎが開業なのはごく普通のこと。 »

キリスト教」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

中世」カテゴリの記事

人生観」カテゴリの記事

倫理」カテゴリの記事

大学」カテゴリの記事

思い込み」カテゴリの記事

政治」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

法律」カテゴリの記事

社会現象」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

芸能・アイドル」カテゴリの記事

若者心理」カテゴリの記事

誤解」カテゴリの記事

コメント

自己レスです。

フィレンツェ落書きについての日本側の対応について、イタリア国民や教会側が、「本音のところで」どう感じているのかということへの想像力を駆使しないで、「公式の」対応をただありがたく受け取るだけでは、底が浅いと思うのです。

結構「お人好しの」国民となめられていたりして(^^)

敢えて「極右的に」言えば(?)、

いかに「世界遺産」とはいえ、未だに「毛頭」相手となると低身低頭してしまう日本人の「卑屈さ」と「愛国心のなさ」を批判し、洞爺湖サミットの成果やや北朝鮮拉致被害者問題まで関係付けて、

「こんなことでは日本の外交は思いやられる」、

..........という論調もシミュレーション可能であろう(^^;)

私個人はそこまでは思わないけどね(^^)


*****


>証拠写真を学校側に送り付けた日本人観光客の「潔癖さ」

たまたま出身学校まで書いていたので、あまりにお馬鹿と感じて、「いじめて」やろうと通告したくなった可能性の方がリアルではないのか。そういうことをイタリア人はシミュレーションしないと思うのだろうか?

ネットでの中傷なんて国際的にどこでも同じだと思うし。

イタリア側がどういう面に「驚いた」のかへの多角的想像力を持てないと。
 

 更にいえば、安直な「正義感」に名を借りた無意識的な、あるいは意識的な「いじめ」が、日本国民の「ストレス発散」として横行しているのではないかという危惧がある。

要は、傷つく自分を被害を受けた人に感情移入して自分を重ねる(投影する)形で「擁護」する発言をすることでストレス発散している次元がありそうということ。

そんなことしていたら、いよいよ時の政権に国民の「気晴らし」的な鬱憤のはけ口を準備してあげて、政治がいよいよおかしくなるのを見逃させる口実にもなりかねない。

公務員や企業が倫理を犯した場合についても、そういう視点も見失わないようにすべきと思います。

この「謝罪させ」ブームの野放しこそが、政権側の思う壺だったりしてね。

本当の問題のほんとうにやっかいな根源の代わりに、そうした報道で日本人はストレス解消させられているのかも。マスコミもそうやって「利用」されていることに「無自覚」か、逆に「それと知りつつ」やってるというところまで考えるのはどうだろう。

もちろん、それだけではないと思うけど、そういう視点も必要ではないかということ。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70854/41803464

この記事へのトラックバック一覧です: 「謝罪させ」ブームへの違和感:

« 「フォーカシングを学ぶと、あなた自身の力で、あなたにふさわしいカウンセラーや精神科医を見分けることができるようになります」 | トップページ | 開業の跡継ぎが開業なのはごく普通のこと。 »

コメント・トラックバックについて

  • このブログのコメントやトラックは、スパム防止および個人情報保護の観点から認証制をとらせていただいております。これらの認証基準はかなり緩やかなものにしています。自分のブログの記事とどこかで関係あるとお感じでしたら、どうかお気軽にトラックバックください。ただし、単にアフリエイトリンク(成人向けサイトへのリンクがあると無条件で非承認)ばかりが目立つRSSリンク集のようなサイトの場合、そのポリシーにかなりの独自性が認められない場合にはお断りすることが多いことを、どうかご容赦ください。

最近のコメント

はてなブックマーク


最近のトラックバック

last.fm


フォーカシングの本1

フォーカシングの本2

フォト
2012年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

banner

  • 携帯アクセス解析
  • Google Sitemaps用XML自動生成ツール
  • Firefox3 Meter
  • ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログパーツたち

  • track feed カウンセラーこういちろうの雑記帳
  • アクセス状況
    アクセス解析

カテゴリー