エージング効果は抜群だけど、アンプやスピーカー、ヘッドフォン壊れても自己責任!!でお願いしたい方法
時々このサイトでエージングについて書くせいか、用語検索で時々「エージング」でおいでの方があるようです。
エージング(エイジング)というのは、わかりやすく言えば「音を機械にこなれさせる」ということで、長期間にわたってオーディオ機器を使って音楽を聴いていれば、ゆっくりと少しずつ進行していきます。
一般的に言えば、音の堅さがなくなり、高域も低域もまろやかに、しかし素直に伸びるようになります。音の広がりもすっきりクリーンになり、いくつもの楽器や声部が折り重なっていても不快な音になりにくくなる。そしてアコースティックソースだと、音の移ろいの繊細さがぐっと増し、生々しくなる方向に変化すると思います。
現行のCDのデジタル規格だと、20Khz以上の高域は元々入っていないし、逆に16Hz以下の低域も入っていない。そして16bitだから、同じ周波数の音量も、ある特定の瞬間には厳密には2^16段階、つまり55536段階の音のレヴェルしか存在しないともいえるので、(これでも結構な値ではありますが、)よりハイビッ/ハイサンプリングトの規格の録音の場合に比較すれば、木目が粗く、生の音への肉薄度がずっと低いとも言えます。
しかし、実際の音楽ソースというのは、すべての周波数帯域についてまんべんなくフルボリウムで鳴らし切るなどということはあり得ないので、アンプなどの電気回路にしても、スピーカーなどの振動板にしても、CD規格めいっぱいの音で鳴らし込まれることは永遠にないとも言えます。
多くの音楽ソースだと、ほとんど0dBになるまで、持続的な音を升(ます)一杯まで使い切って収録しているのは中音域だけとも言えます・どれだけドラムスの音をめいっぱい響かせていても、そんなものなんですね。

試しに、エアロスミスの"Shut Up And Dance"という曲の、リフレインでボーカルも盛り上がり、べースギターもリードギターも大音量で、ドラムスもめいっぱい叩いている瞬間をねらってキャプチャかけてきたみたのですが(CDからのロスレスコピーです)、iTuneの周波数特性グラフという素朴なもので恐縮ですが、振り切れたピークに至ってるのは、このように「中音域」だけなんですね。(両端が低音、真ん中に近づくほど高音域です)。
そこで、例えば16hzの超低音や、20Khzの超高音だけの「持続的な」音で、アンプやスピーカー、ヘッドフォンを無理矢理調教したらどうなるかと言うことになります。
厳密には、サインウェーブとして作れるのは、それ以外の周波数にもなだらかに裾野が広がった波形であるに過ぎないんですけど。たとえば、一般の人には、そこそこ「高い音」として認識されるだろう5Khzのサインウエーブだと、iTunes上ではこのように表示されます。

実は、こうした音を「持続的に」オーディオ装置に加えると、もの凄い負荷になります。まかり間違って大音量で鳴らし続けたりしたら、耳は耐えられても、オーディオ装置の回路やスピーカーのコイルや抵抗などが焼き切れてしまい、二度と音が鳴らなくなる危険があります。
こうした点では、一般に、市販されているメーカー品のヘッドフォンは結構タフにできていますけど、むしろいわゆる「シスコン」のアンプやスピーカーは意外ともろい可能性があります。
ピュアオーディオのアンプの場合、やたらと高級な一部の機種を除くと、過大な電流が流れると自動的にスイッチが降りるものも少なくないですが、オーディオマニアの間で「トゥイーターを飛ばす」という言葉があるように、人間の場合、15Hzぐらい以上の高域だけのサインウェーブは、聴感上の音の大きさは凄く小さくなるので、いつの間にかボリウムを上げすぎて、スピーカーのコイルを焼き切ることは結構あるのですね。
16Khzのような超低域のサインウェーブも、多くの製品では、そもそも聴こえないかボソボソと微かな音がするだけに感じるでしょう。でも実は機械にかかっている負荷は凄いものがあります。
そのあたりが一番如実になるのが、だいたい50Hzから400Hzぐらいまでの低域のサインウエーブでしょう。多くの装置って、「見かけ上(聴きかけ上?)の低音」をしっかり出すために、装置そのものの周波数特性が、この帯域、高めなことが多い。耳で聴く分にはそんなにうるさい音が出ていないと思って安心したら大間違い。
振動するスピーカーのコーンの表面を見て下さい。見たこともないくらいにブルブル振動している可能性があります。小さな卓上スピーカーですら、その振動で、数十センチ離れていても頬に風が感じられるくらいにです。こんなことを長時間大音量でやっていたら、スピーカーが壊れることは誰の目にも明らかです。
特に、本来ピュアーなはずのサインウエーブの音の中に、何かにごつごつぶつかるような不自然な音が入り出したら、スピーカーを明らかに傷つけているのですね。
ですから、周波数ごとのサインウェーブによるエージングは、たいへん効果的なんですが、オーディオに詳しくない人が下手にボリウムを上げてしまうと、装置を、一瞬にして、修理不可能な域まで破壊する可能性があります。
今申し上げた、400Hzあたり(スピーカーの(低域用)コーンが一番振幅が大きいことが多い)、そして4000Hzあたり(こちらは聴感上一番うるさい耳につく高い音)の2つの音の高さで、スピーカーのコーンの振幅とボリウムを最初にチェックした上で、はじめて、以下の「全帯域エージング」に進まれることを是非お勧めします。
*****
そうした、装置破壊の可能性を自己責任で背負うつもりがある皆様向けに(^^;)、私が普段エージングに使っている、ピンクノイズとホワイトノイズ、周波数を16Hzから20Khzまで多段階のサインウエーブの作り方を公開します!!
このようなファイルを自分で作りたい方は、テスト信号発生ソフト、"WaveGene"(by efuさん)が便利かと思います。私もこれで作りました。ASIO ドライバ対応のサウンドカードをお持ちの方は、そのドライバもインストールすることが推奨されています。
長さは10秒から20秒、装置を破壊する危険を防ぐには、最初から-10dBぐらいに設定して作る方がいいでしょう。帯域は、同じ作るなら、やはり16Hzから20kHzまで、できるだけ多段階にサインウェーブを取りそろえたいところ。そうすると、装置の音が、周波数特性に関係なく、まんべんなくほぐれるわけですね。私などは、何を血迷ったか、47段階作りました。
このファイルを鳴らす場合、特に16Hzから50Hzの超低域、15Khから20Khzの超高域のファイル、ほとんど音が聞こえない場合でも、決して、決して、ボリウムを上げないで下さい。実際にはすごい強音のエネルギーが装置にかかっているのです!!
waveファイルのままでも、ipodにもそのままコピーできます。
「マイ・ドキュメント」の「ミュージック」フォルダなどに解凍して、そのフォルダごと、iTunesの「フォルダをインポート」で取り込めばいいかと思います。
ファイルの命名の際、順序通りに再生されるように、16Khzは00016Hz、5Khzは05000Hzなどと、最初から5ケタの数字になるように名前をつけておくのがいいかと思います。
実は私の所有するiPodには、shuffleまで全機種、このtestwaveファイルが入れてあります(waveファイルですから、AAC128Kbpsにも変換していません)。iPodは、もともと人間の耳に負荷になりすぎない程度にしか、ボリウム上げてもにしてもむやみに音は大きくならないので、名の通ったメーカー品単品である限り、たとえ数千円の製品でも、ヘッドフォン・イヤフォンは壊れないでしょう。本体のおまけについてくる域のイヤフォンまで大丈夫かは???です(^^;)
更に、(保証はしませんが)iPod本体は、いよいよこのくらいのことでは壊れないと思います。iPod以外のポータブルプレーヤーについてはどうなるかわかりませんが、シスコンよりは、壊れる危険は少ないはずです。(日本の音響業界で、今、一番性能的対価格的に無理して作っているのはシスコンだと思う)
こうしたファイルを、時々通して鳴らしているだけで、いつの間にか、iPod本体のアンプ部も、ヘッドフォンも、エージングが急速に進みます(音が大きく鳴りすぎていないかの確認のため、放置はしないで下さいね)。高域端の硬さがほぐれて素直に伸びる感じになりますが、何より驚きは、低域に深々とした余裕と品格が生まれることでしょうか。
これは、アンプ内蔵のパソコン用スピーカですら実感できるかと思います。
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16段階じゃなくて2^16段階、つまり65536段階ですな。
投稿: mithria | 2011/04/13 00:31
ご指摘ありがとうございました。
本文も修正させていただきました。
投稿: こういちろう | 2011/04/20 11:16