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2008/02/04

「プレゼンテーター中心主義」 -こころの天気大船グループバージョン-

 さて、すでに「大船でフォーカシングを学ぶ会」で2回、四日市の「東海フォーカシング研究会」で1回実施した、「こころの天気」小グループバージョン大船版が、どういう基本原則で実施されているのかを具体的に解説してみましょう。

 私が理解している範囲では、島根の土江正司さん開発の「こころの天気」の技法は、非常にシンプルな原則のみで実施可能です。


 1.「こころの天気」とはどういうものなのかについては、絵を描く本人の解釈と発想の自由に基本的に委ねる。

 「天気」であるからには、晴れとか雨とか、そういう「天候を含んだ風景」でなければならないと言うことはないのです。中には、かなり抽象度の高い描画で、「今の気分」を表現する人も出てくるでしょうし、かなり接写に近い静物画のようなものを書く人もいる。 絵にタイトルを付け、文字で書く人もいるでしょうし、絵の中にいろんな解説の文章を書き込む人も出てくるかもしれない。

 中には、絵は描かないまま、紙いっぱいに大きく「気持ち」についての文字を書きなぐる人も出てくるかも。

こういうふうに!(^^)

 これらのバリエーションが自然と各人の解釈の元に生じてくることについては、介入しないという基本原則があるように私には思えます。


 2.「写生」ふうの伝え返ししかしない。

 描かれた絵に、カウンセラーは「伝え返し」をするのですが、この際、絵に現れたままを、俳句で言う「写生ふう」の形で、簡潔に伝え返しをするに留めることを、開発者の土江さんはたいへん重視しています。

 前の記事の私の絵を例にすれば、

「夜なのかな。
家が一軒あるね。
窓に明かりが灯っているね。
赤い服を着た女の人が、その窓のそばに立っているね」

くらいです。


 (更に、中井久夫先生の「風景構成法」からの転用として、絵を実際に描く前に、画用紙の縁のあたりに自分で「枠線」を描いてもらうことが一般的なようです)


******


 こうした、オリジナルの「心の天気」技法を尊重しつつ、同時に、小グループの場の中でお互いに共有するための、場の安全の原則として、私、阿世賀が考案した工夫について以下に述べます。

 (以下の内容の著作権は阿世賀浩一郎が有します。無断転載、引用は固くお断りいたします。リンクを張るなどの形で紹介下さる前には、ご一報下さるようにお願いいたします)


1.絵を描く際に、グループの他のメンバーの「面前で」絵を描かない自由の保障(位置を変え、皆に背を向けて「こそっと」描いてもいい)

2.描いた絵を他のメンバーに公開しないままにする権利の保障。

3.他のメンバーへのプレゼンテーションの際に、何も解説しないまま絵を提示する権利の保障。

4.提示された絵に対して、その場のファシリテータのみが、前述の「写生ふうの伝え返し」を必ず行う

5.絵を皆に見せるメンバー(以下「プレゼンテーター」と呼ぶ)は、他のメンバーに具体的な感想を返さないように求める権利を有する。

6.プレゼンテーターの絵を見守る他のメンバーは、プレゼンテーターに具体的な感想を返さない権利を有する。

7.6.に抵触しない限り、プレゼンテーターは、他のメンバー全員から具体的な感想が欲しい旨、前もって「注文を付ける」権利を有する。

8.プレゼンテーターは、絵についての他の参加者とのやりとりをいつどこで終結させるかの判断の権利を有する。


 場のファシリテータは、これらのことをプレゼンテーターに保証するための介入しかせず、それ以外の点では他の参加者と平等な立場にあるように努めることになります。

 その結果、自然と生じるのは、プレゼンテーターが持ち回りで2人目、3人目となるうちに、ファシリテーターがもはや逐一介入しなくても、全く自然かつ自発的に、「その時のプレゼンテーターが場の主人公として振る舞うようになる」という現象である。


  私は、こうした場の特性を、

 「プレゼンテーター中心主義」 

  と名付けることにしたのだが、いかがだろうか?


 なお、この「こころの天気」大船バージョンの成立には、四日市の「東海フォーカシング研究会」での、「藤嶽法」の、すでに数年におよぶ実践の中で共有された知見が、実は大きく影響しています。

 すでに10年近く、全く同じ固定メンバーとして毎月1回場を共にしてきた、藤嶽大安さん、渡邊邦子さん、森尾邦江さんに、厚く御礼申し上げます。
 

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