相手をビョーキにしたがる人との関係に巻き込まれる場合もある
開業前を含めて、これまでも、クライエントさんから、
交際相手や、つれあいや、家族から、「あなたは『○○性障害』だ」などと繰り返し言われていて、時々、「本当にそうかもしれない」と感じるけれども、でも、そのようにばかり言われることに違和感がある
......などというご相談を受けることがあるんです。
それは、その相手の方(恋人や家族)が医者に相談して、直接本人も診断した上で、医者がそういう示唆をしたというわけですらなく、医学書やネットで、個人的にいろいろ調べた挙げ句、そういうふうに結論づけていたに過ぎないのではないかという場合が結構あります。
*****
ある意味では、誰もが、直接専門家に相談しなくても、そうした「情報」に接することができることにはプラスの面も大きいのです。
「そうか、いつも私が悪いと思っていたけど、これって十分に、DVを受けている(あるいは鬱病になっている)ってことなのかな。専門家に相談に行ってもいいのかも......」
......などと、思い立つきっかけにもなるし。
良心的なサイトでは、
「ここでは一般論を情報としてお伝えしているだけであり、個々のケースについての判断には責任を負いかねます。詳しくは専門家にご相談下さい」
などと表示していることも多くなりましたし。
*****
しかし、自戒を込めていいますと、そうやって、ネットなどの情報だけを頼りに、執拗に「決めつけられる」側も、たまったものではない場合もあります。
私も、身近な者から、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」ではないかと言われるのがうざったかった時期があります。数年後、ほんとうに医者からそのように診断されて、治療を受けることになったのですが。その一方、自分が尿管結石の痛みでのた打ちまくって、自分では急性虫垂炎でないかとすら感じた時に(尿管結石は虫垂炎の痛みすら上回る場合がある、ただし、毎日一定の時間帯のみにその痛みを繰り返すという特性があることも多いとのこと)に、同一人物に、それを「詐病」ではないかと疑われたこともあったりして.....結局、内科医の診察に同伴してもらうまで、納得してもらえなかったのですが、「誤解してすまない」の一言もないままだったりして。
*****
私も専門家として自戒すべきなのですが、一般の方でも、ほんとうに専門家に診断を受けたらどう出るかにかかわらず、ある場合には情報をたてにして、別の場合には自分の勝手な判断で、自分や他人の「身体症状」すら見立てをしてしまうことはあるわけです。
私は、「相手から、『お前は○○病だ』といわれて違和感を感じている」という方からのご相談においては、その方がその後の専門医に診断でほんとうに○○病と診断されたとしても、相手の方からそのように言い募られたこと自体を受け入れきれない思いが残って、その思いそのものをカウンセラーに相談に来られても、何もおかしくはないし、カウンセラーは、その方の丁寧にお話を伺い、その悩みを一緒に考えていくのが望ましいと感じています。
つまり、ほんとうに○○病であるかは「括弧にいれて」も成立する悩みの世界は、尊重に価すると思っています。
カウンセラーなりの専門的な「見立て」(カウンセラーは、「診断」という言葉を使いません、診断書を出せるのは医者だけですし)の能力、必要な場合には医師などの専門家を紹介する判断力と情報リソースをもっていることは大事ですが。
******
でも、そもそも、相手に「あなたは境界例人格障害(あるいは自己愛人格障害)ではないか」などと告げて、それが真実であるかどうかにに関係なく、相手に「はあ、そうなのかも」とは受け止めてもらえないことが得てしてあるのは、自然とは思いませんか?
「それってDV受けてるってことじゃん!!」とか「それはもう十分鬱状態では?」などという、一般の人の、知り合いへの助言は結構受け止めてもらいやすいのですが。
もっとも、不思議と、親や連れ合いた上司から「それって鬱病ではないか」と、自分でそう感じ出す前におせっかいに(?)心配してもらえたというクライエントさんには、私はほとんど遭遇したことがないです。「親友から言われた」とかはありますけど。
こうしたこと自体が、その人を包む人間関係と関係していることが少なくないかと思います。
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