幽霊より人間の方がコワいかも -真景累ヶ淵-
「真景累ヶ淵」、園朝の原作、やっと読了しました。
映画、私は、これから一週間の間に観るだろうと思います。
原作と、映画「怪談」の異同については、王子のきつねさんサイトで、実際にご覧になった上で、詳しく解説されています(もろ、ネタバレです)。
これを読んでも、観る価値ありかなと思いました。ayuが主題歌を歌う映画を実際に観るのは、アニメも含めてはじめてですが(実はテレビの「犬夜叉」のエンディング=
"Dearest"すら観た記憶なし)。
つまり、ayuのエンディングとは自立して、ある水準の映画だと、公式サイトの予告映像ともつきあわせて想定できるから。描く部分は描いているのはほぼ間違いなかろうと。私、同じ中田監督の「リング」も観てませんが。
なお、映画の脚本は、劇場アニメ「時をかける少女」と同じ、奥寺佐渡子さん。「時かけ」では、心情表現の自然な流れに卓越していたけど、今回はいかに?
原作を読んで感じたのは、特に後半の方、豊志賀と新吉がいったん物語の表舞台から引いて以降の人間関係が(内容はおもしろいけど)複雑になっている。映画ではそのへんを思い切って切っているようで、映画は原作以上にホラー色が強まっているようだが。実は原作は意外なくらいに「幽霊話」の側面は強くない。
むしろ、コワいのは、生きている生身の人間の方である(^^;) 愛欲と金銭が絡んだ時、どれだけ人間が醜くもあり、残酷な存在に豹変し、次々ととんでもないことを実行できてしまうか。改心というものがいかに長続きしないか。それらが、江戸時代という時代背景の中で、泥臭いまでに描かれていく。
そして、ひとり芝居としての長編落語が、そもそも脚本のような側面があり、ビジュアルなイメージを喚起して読むと、まさにミステリーやアクションすら含む素材として、いかに映画化への誘惑を喚起するものであったか。
余談に近いが、映画では全然登場しない、花車重吉という相撲取りだって、今の映画技術を使えばリアルなアクションを描けるだろうか、そこまで描いたら映画としての見通しのよい構成を失ったろう。時節柄、朝青龍がこの役をやったら、人気回復になったかもしれない(爆)。 でも、当時の物語の世界では、剣術使いと並んで、今日で言う超人的アクションヒーローの役割を負っていて、それこそ「ひでぶ」「あべし」の描写の連続になってしまう。この相撲取り、善玉なのだが、この「残酷なまでの破壊力」のあたり、朝青龍に向いていたかも。
ともかく、日本の古典にナマに接する上での入門としても、おもしろい切り口になるかもしれない。注釈全然読まなくても何も困らないし。現代語のルーツが、その頃は今と少し違う意外な形で使われていることに読みながらすぐに察しがつく場合も多いし。
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