成功したキャリアある開業カウンセラーはひとりでどのくらい稼げているか?
.....というわけで、日本臨床心理士会の「私設心理相談」研修会から帰ってきました。いろいろ、さすがにここでは書けないホンネの話を先輩の先生方から伺えて、刺激があり、元気ももたえたのですが。
さて、予想通りといいますか、「私設心理相談」という呼称変更は無っ茶苦茶に不評でした。この呼称変更について、この研修会の場で公式に報告された「理由」は、まさにこの記事で私が想定した理由そっくりそのままでした。
参加者は、恐らく300名にのぼったと思いますが、全体会の後、午後の分科会で分かれた後の配分からすると、半分以上は、「これから開業も考えている臨床心理士の方」、あるいは、「開業カウンセリング機関で働いている臨床心理士の方」だったようです。私は「開業5年未満の臨床心理士」という分科会に出ましたが、そこで40名ほどだったでしょうか。
さて、トピックとして何をここで取り上げようかと思いましたが、まずは、「開業臨床心理士の収入はどのくらいか?」という、思い切って現実的な話にしましょう。
全体会で「開業20年」のベテランの先生がお明かしになった数値ですので、ここで公表しても差し支えないと思います(どなたかはお伏せします)
「病院臨床十数年のキャリアを重ねて、自宅敷地に独立したカウンセリングルームを建て20年。カウンセラーは自分ひとりだけのまま」という先生が、大学の教職との兼業をお引き受けになる前の、もっともケースを引き受けておられた頃の数字です。
年間面接時間1237時間
最多月128時間
年収1200万円
必要経費300万円
これを一日当たりに換算すると、最盛期は1日6時間強となります。構造のしっかりとした厳密な心理療法的枠組みをとる面接ばかりです。ここには、記録のための時間や経営上・事務上の雑用や電話での問い合わせや予約への応対時間は含まれていません。
これを週5日以上のペースで毎週過ごすと、精神的・肉体的に限界状態で、終わった後何もする気が起こらないそうです。これは理解できます。
この先生の面接は1時間10,000円。キャリア豊富な開業カウンセラーですと、都市部ではごく普通の相場でしょう。
厳密には、1000万円以上の収入になれば一般消費税もかかります。
しかし、どうでしょう? 大学院までの高学歴、十分すぎる病院臨床のキャリアと、その学派の心理療法の研修暦を持ち、絶えず専門家として継続研修を重ねて、50代で家族を養って所得が1000万円を超えるのが難しいというのは?
これが、日本の開業個人心理臨床(.....という言い方をどうしても使ってしまいますね.....)の現場では著名な大家の先生の、めいっぱいにクライエントさんをひきうけた状態の現実です。
私の現行の料金体系のままだと、ひとり開業である限り、(ケーススーパービジョンやフォーカシングのトレーニングの割合がどうなるかにもよりますが)、幸いにして繁盛させていただいてめいっぱい働けても、そもそも1000万円前後にしかならない試算に意識的に『今のステージでは』たって経営しています。ちなみに私は自宅も職場も賃貸です。これだけで180万円弱減りますので(住宅費の高い大船としては、かなり安く上げてるラインでしょ?)。
もちろん、経営がある段階に達したら「事業拡張」は考えますし、「スタッフ増員」とか、カウンセラー研修への力点の移動、そして、ほんとうにキャリアを積んだところで教壇「にも」立たせていただけることが夢です。
でも、少なくとも50代の後半までは、「現場第一線」で何ができるか、踏ん張ってみたいものだと思っています。
*****
ちなみに、この「私設心理臨床」研修会で学んだことについては、テーマを変えて、いくつか続きを書くつもりですので、お楽しみに!!
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