やっと封印を解く ―ayumi hamasaki ARENA TOUR 2005 A -MY STORY- ―(第3版)
昨年(2006年)のツアーのDVDについての連載記事をここから書いている最中ですが、敢えてここで一昨年(2005年)のツアーについての記事を挟ませていただきます。
私のブログの浜崎あゆみ関係の記事やアフィリエイトを探されると、ブログ開設以来、実はこの2005年のツアーについてだけ、何の言及もないことにお気づきの方があったかもしれません。2004-5のツアーでは,代々木の中日に、初の「生あゆ」してますし、
2005-6のカウントダウンのDVDについても以前ご紹介しています。
なぜ「今」書くのか?
単純に、今まで何と(今日まで)観ていなかっただけなんですね(^^;)
発売時(2005年08月24日)に購入していたのは確かなんです。
今日、購入以来15ヶ月以上を経て、やっと「開封」しました。
つい先日、私のフェルトセンスから、連載を更に書き進める前に「あれ(=2005のツアーのDVD)を観なさい」というご宣択が下ったわけです(^^;)
「ayuの歌唱力は伸びている」ということを論じつつ、2005年のツアーのライヴを、DVDにしろ、観ないままというのは,何か無責任と言う気もしたし、何となく、そろそろ無理なく観れるというタイミングとも感じたし、観ても何も失望しないという確信もあったし。
今にして思うと、私が
アルバム"My Story"が出た時点で、特にアルバムでの新曲にすっと入れなかった理由は、よくわからなくなってます(正直にリンクしますと、当時は、こんなことも書いてるんです)。この時点では、何回か聴き返してみても、ayuの歌詞の意図は十分理解できる気がしても、「曲が」自分の中にすっと入って来なかった。
この現象は、
"STEP you”/ "isThis LOVE?"のマキシを発売後に聴くまで後を引きます。このマキシアルバムを最後に、私はayuのアルバムやDVDを買っても封印したまま(まさに表面のシールそのものを開封しない)に陥ります。
約7ヶ月、「ayuと距離を置く」時期になります(もちろん、一リスナーとしての私が、一方的にですが(^^;))。
一昨年(2005年)の12月後半ぐらいにもなって、7月には出ていた
"fairy land"/"altrena"のマキシをやっと開封し、そこでやっと曲とも完璧に波長が合い出した。
あとは一気に、でした。2005年の大晦日の紅白直前までかけて、
"heaven"/"Will"、
マキシ"Bold Delicous"/"Pride"まで一気に3枚、マキシを聴いて「追いつく」わけですね。そこでの3枚は、一枚聴くごとに新鮮なayuに出会えたという、たいへんな手応えを感じました。その勢いでこそ、この「代表作」を書けたと思ってます。
そして、
フルアルバム"(miss)understoood"は、聴く前から成功して当然という手応えで待つことができました。そして実際、その期待も全く裏切られなかったのです。
*****
この、アルバム"My story"発売時の躓き、ひとつには、私個人が、休職から療養、退職、そして独立開業に実際に踏み切るまでという、個人的に一番厳しく、波乱の多い時期で、私が余裕を見失っていたためとも言えるかと思いますが、私の中で、アルバムでいうと
"Memorial address"以降のayuが、音楽的な過渡期に入ったという思いがあり、それがほんとうに軟着陸できるかどうかに、すごい不安を感じていたのです。
"My story"に収録されるに至った先行曲の中では、私は
"GAME"の詞とメロディ、編曲の、シンセ重視の音響のバランス、曲が「横に流れる」という印象の、独特の流動感、そして、ギターのパートとドラムスが以前と音色が違い、タイトで軽量級だけどでしゃばらないあたりに、ある新鮮なものを感じていました。
このサウンド傾向の変化についての未来予測は、今から振り返ると、結果的には,長期的にみて、外れてはいなかったなという思いは感じています。
最新アルバム、"Secret"は、まさにこの"GAME"で予見できた路線を全面採用し、更に"something"を目指しているというのが,私の感性の判断です。
"GAME"について更に言うと、そして、歌詞に、非常に赤裸々な生身の女の心情を感じ、何かayuの殻がやぶれつつあると予感していました。それは、その発売の数ヶ月後、
2004-5のツアーの最後の日を収録したDVDが発売された際確認できた、MCでayuが語った、「人間くさくいたい」という言葉とも響き合うものでした。
ところが、アルバム"My Story"ではじめて聴けた新曲は、当時の私には、ギターが重々しくて、詞にあわせてメロディをつけるのが精一杯で、何か鈍重な印象を感じたのでした
"walking proud"のメロディーと詞の調和の中にきらめく切なさにはっとした瞬間はあっても、
"About You""、
"my name's WOMEN"あたりが耳にすっと入って来ない。
" Honey"の明るさを、何かわざとらしくて無理して明るくしているように感じる.....といった具合。
ところが、"Bold & Delicious"を一聴めから大絶賛せざるを得なくななった後の時点で聴きなおすと、「いや、これらはこれらでいい曲ではないか」と「聴こえ始めた」。そして、
"HAPPY ENDING"が、実はメロディと詞が卓抜に調和した、何とも切々たるayu入魂の名曲に聴こえ始めたのである。
今では"My Story"の曲はみな好きになっている。こうなると説明しようがなくなる。
でも,私個人の経験として、クラシックを聴く際にも、出会いの時点で全くピンとこなかった曲が大好きな曲に豹変し、しかも「ピンとこなかった最初に聴いた時と同じ指揮者や演奏家の録音」が30年を経て、今では愛聴盤になっている......などという事態はいくらでも経験して来たので,これ以上詮索しないでおこう。
(例えばこれ。マーラーの交響曲第6番への私の思い入れは半端ではないのですが。最初ピンとこなかった時の演奏は間違いなくこの
ショルティ/シカゴ交響楽団盤です)
一つだけ間違いなく言えるのは、私自身が、独立開業後の自分のスタンスに、ある地に足がついた手ごたえが出てくればくるほど、ayuの新曲を喜んで新鮮に迎え入れられる感性に私自身が変化していた気がするということである。
******
さて、何しろ2006年だけで3回もayuのライブを聴いた私である。この2005年の"My Story"ツアーについても、DVDを観れば、代々木の最終日の現場の空気を彷彿と自分の中に「擬似的に」呼び寄せられる。
そして,このツアーが、2006年のツアーを実際に2回体験している私が「後から」観る形になっても、まるで更に新しいツアーをDVDで観るかのような新鮮さで体験できた。
確かに、演出上の工夫として、ステージの上から吊るした数枚の反射スクリーンの活用はまだだし、水は「下から」吹き出すだけだし(^^;)、よっちゃんとayuのアンコール後のSEは、2006年のツアーの方が更に凝ったものになっている。
しかし、ワインレッドを基調にした全体の色バランスのこだわりは、明白に"My story"らしさを生み出しているし、この段階でも、先日から指摘している「ayuのライブにおける胸声と腹声の使い分け」を、プログラムと演出の流れの中で合理的に生かす」流れにすでに十分なってきている。ヴィヴラートは2006年のツアーの方が更に使い込んでるなとは思うが。
そしてこのDVDののっけから引き込まれたのが、冒頭にいきなり"HAPPY ENDING"を持って来て、それが、ayuの歌のみならず、ayuとダンサーの舞台上の演技を含めて、この曲を最高に引き立たせる絶品になっていたことである。特に、メロディーのラスト直前の、一瞬の「間(pause)」の生かし方。このラスト直前の「間」の意味深さに。曲を聴き込むうちに惚れ込んで来ていた私にとっては、これ以上の名演出は想像できない。
我が溺愛する
"SURREAL"は、このライヴが一番ライブ録音としては完成度が高いかもしれない。
"CALROLS"、"HONNEY"は、アルバムの時より、ずっと幅と内容の奥行きがある曲に感じられた。
*****
最後に。
最終日が終わってからのスタッフを前にした挨拶で、ayuが、
「皆さんの、すべてをプラスに変えてしまう力に助けられた」
というような発言をして、感謝を表しているのは、全くの本音ではないかと私には思える。
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