面接に「本題と無関係な話題」は存在しない
「あの、これから話すこと、これまでの話の流れとと関係ない、脇道に入っちゃうかもしれないですけど」
カウンセリング現場で、クライエントさんが時折口にする言葉である。
カウンセラーの私は、こうした場合、
「いえ、およそカウンセリングの中で、相談にこられたあなたのような方が、「なぜか」その瞬間に話したくなったことに、一見『話題が飛ぶ』かにも場合に、それが最終的に「無意味な寄り道」に過ぎなかったと感じたことなんて、私は一度も体験したことがありませんから」
とすら言い添えて(実は,このようなことをクライエントさんに話している最中に、メモの上では、「ここまでの話題の長れはどうなっていて、『今』どこに来ているかを再チェックし、話題を転じる「直前の」クライエントさんの発言の流れと構造を「スナップショット」のように心に焼き付け直していることが多い)、クライエントさんが話題を転ずることをむしろ奨励しさえすることが多い。
私はこうした時、クライエントさんが、まるでそこまで作りかけたジグズーパズルの「ある部分」の構築を離れ、全く別の箇所の断片をとりあえずつなぎ始めるようなイメージを持っている。
つまり、思いもよらないところで、この、クライエントさんの「別な話題への転換」=「別な部分のジグソーパズルの構築が」必ず、二人とも驚くような形で、そのクライエントさんの(自己)理解を深める方向で「結びつき」始める。
二つの未完成のジグソーパスルを結びつける「地峡」は思いもよらない瞬間に見つかる。
それは、カウンセラーである私が、そこまでの話の中で,クライエントさんの人物像や、置かれた状況について、漠然と思い描きつつあった「仮説的認知地図」を見事に裏切り、そうやってこちらの立てようとしていた仮説を攪乱(かくらん)してくれることそのものが、その人の人格の多面性を理解する上での、より精緻で創造的ですらある「補助線」をインスパイアーし始めるのである。
そして、その「一見脇道にそれた話題」が、必ず、いつの間にか、クライエントさん自身も、カウンセラーも「共に」驚く形で、二人が眺めている未完のジグゾーパズルが、想像していたのと別の全体像を持つものとしてとらえ直され始めるのである。
こうして、クライエントさんとの「共同作業」は、カウンセラーである私と、クライエントさん二人の両方に取って、スリリングな、ハプニング満載の、「探求ゲーム」の色彩を持ち始める。
やっと、最近、こういう面接が増えることが多くなりました。
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「面接全体の流れを鳥瞰する、第3の目をクライエントさんと自然に共有する」
という、一年前に私が「黄金のトライアングル」と命名した事柄が、やっと、私の面接のライブで、いつのまにか全く無意識のうちにすら、しなやかに実践できる「習熟スキル」の域に到達したということかと思い出しています。
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