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2006/06/30

フォーカシングを学ぶ人はトレーナーの教示に従い続けねばならないわけではない

 以前の記事で述べましたが、フォーカシングとは、あくまでもフォーカシングをする本人(フォーカサー、自分の問題をみつめる、いわばクライエント側の人)の権利が優先され、トレーナー(リスナー、ガイド)はその「サポーター」に過ぎないということを、如実に表わした、創始者、ジェンドリン自身のの発言を次に引用します:

「教示に従わないための教示」

 「私が示してきたこの方法が唯一、あなたにとって必要だとか価値があるということではありません。もし私がこれが唯一の方法だと言っていたとすれば、私が言ったことは間違いだと皆さんが思ってくださるように望んでいます。

 「また、教示(=フォーカシングの手順の公式的フォーマット)は成文化されてしまうと誤解を避けることができません。あらゆる人に合うような公式はないのです。とにかく、(フォーカシングをする)それぞれの人が独自の方法を見つける必要があります。」

 「あなた自身、そしてあなたのからだ(の内側の曖昧な感じ)そのものに注意を向けてみましょう。(その結果、)健全で広がりがある(気持ちがおおらかになったり、安らいだり、落ち着いた気分になる)体験のみが価値があるものと考えてください。

 あなたの身体の中でおかしな(違和感のある)感じがしたとき、教示に従うのをやめ、少し自分(自身)を取り戻し(、一息ついて)みましょう。 
 
 これらはまさに教示に従わないための教示です。

 ですから、もちろんこの教示(=「教示に従わないための教示」)自身にも当てはまります」


Dreamfocusing_1
「夢とフォーカシング」村山正治編訳 福村出版 第20章 訳書p.164-165より抜粋。(  )内は阿世賀による補足。

*****

 ジェンドリンは、何と、自分の書いたフォーカシングの独習用の教科書(この本はあくまでも「夢」についてのフォーカシングのやり方に特化した本ですが)で、

   自分の技法体系のフォーマットを
   延々説明してきた挙げ句に、

   この短い最終章で、

     「あなたの実感が”No!”というのなら、
     私の教示に従ってはならない

と釘を刺すばかりか、それに更に屋根屋を重ねるがごとく、

 「あなたはこの『教示に従わないための教示』そのものに従わない権利がある」

とまで言い放っているのです。

 この最後の、ほとんど禅問答みたいなジェンドリンの発言の意味、どういうことかですって?

  「あなたが、もし自分の中で違和感を感じる教示でも、興味本位に、遊び心と冒険心をもってチャレンジする自由はあなたに保証されている。でも、それは自己責任でやって、『ヤバイ!』と感じたら自分でやめてくださいね」

ということだと私は理解しています。

   フォーカシングを学ぶ人は、
   ひとりひとりが、
   自分にあった、
   「使い勝手のいい((c)日笠摩子)」形に
   フォーカシングを「創造」し、
   「改良」し、
   「臨機応変に即興で使い分ける」
   権利と自由を持つのです。

 教示通りにやらなくなった時、フォーカシングは、あなたにぴったりの「オーダーメード」の服を「自分で」縫い上げたことになります。

   そのための
   「お手伝い」
   「アイデア『提案者』」であること

それが、わたしのような、フォーカシングのトレーナーの仕事です。

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