常識論を超えたところからがほんとうのカウンセリングである(第3版)
架空の例、しかしありがちな例です。
「あの人だけは、
私の仕事上の悩みを聞いてくれるので、
信じていたのに。
でも、あるきっかけでわかってしまったんですよ。
それを逐一上司に告げ口していたのが、
その人だったってことが。
その人は昇進、私は左遷です。
同僚とは「友達」ではなくて「競争相手」だってこと
わかっていなかった自分が、
社会人としては甘かったと、自己嫌悪しました。
「これを教訓に、しぶとくがんばれ」
と、うちの親も慰めてくれました。
でも、私はどうしても許せないのです。あいつが。
あそこまで一緒に飲む時は、
肩を叩きあって、励ましあったのに」
こういう相談を受けた時、私は、
「常識論としては、
同僚も競争相手だというのはわかるわけですよね。
自分は競争相手に利用され、敗北した、甘ちゃんだと。
でも、理屈を超えて、相手を許せない。
裏切り者め!!
あの飲み屋での、
和気藹々とした連帯感はなんだったんだー!!!
と、叫ばずにはおれず、
そこから自分の人生が狂った!!
という憎しみ、悔しさが、
どうしても繰り返しあふれ出すんですよね」
などと応じていることが多いと思います。
******
皆さんは、このように言葉を返すことが「優しい受容と共感」と感じますか?
自分のつらさに真正面から直面してもらうという意味では
「非情なまでに厳しい」
とすらお感じかもしれません。
*****
私は、ほんとうのロジャーズ派(来談者中心療法)カウンセリングの「受容」と「共感」は、そのような世界だと思っています。
いわゆる「母性的受容」を遥かに超えた、ある意味で「ごまかし」や「甘え」のない世界です。
でも、そこには、心の底からお互いに向き合い、気持ちを伝えあおうという、オープンで真剣勝負の、相互信頼の関係が生まれて行く。
カウンセラーは、
クライエントさんの思いを,
カウンセラー自身の
「身体を通して」受け止め、
「身体から出てくる」言葉で
応答せねばならない。
口先だけの「鸚鵡返し」などではだめです。
このような『真剣勝負』で、
<絆>
がカウンセラーとクライエントさんの間に生まれたところからが、
二人の「共同作業」としての、
ほんとうのカウンセリングです。
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